トンガリロ国立公園
エメラルド色のカルデラ湖など火山地帯特有の景観が広がる国立公園

遺産DATA

地域 : オセアニア 保有国 : ニュージーランド 分類 : 複合遺産 登録年 : 1990年 範囲拡大年 : 1993年 登録基準 : (vi) (vii) (viii) 遺産の面積 : 795.96㎢ 座標 : S39 17 27 E175 33 44

about

ニュージーランド初の国立公園

ニュージーランドの北島の中央部のプレート境界には、タウポ火山帯という火山台地が広がります。先住民マオリは、ここを聖地として信仰していました。しかし、18世紀に著名なイギリス人探検家ジェームズ・クックが調査に入ります。イギリス人の入植の始まりでした。1840年にニュージーランドは英国の植民地となり、マオリの聖地は放牧地へと変えられてゆきます。マオリの首長テ・ヘウヘウ・ツキノ4世は、この土地を将来にわたって守り抜くため、英国女王に土地を寄進する代わりに、国家の保護下に置くことを考案。1894年に、ニュージーランド初の国立公園として保護されることが決まりました。

世界で初めて「文化的景観」の価値が認められた世界遺産

トンガリロ国立公園は、3つの活火山がそびえる火山帯で、氷河によってつくられた地形も見られます。世界遺産に登録された1990年当初は火山の周辺のみが自然遺産として登録されていました。しかし、先住民マオリは火山を信仰するだけでなく、火山による地熱を料理や医療などにも活用しており、自然とマオリの文化は切り離せない関係にありました。1992年の世界遺産委員会において、人間社会が自然環境に影響を受けながら進化してきたことを示す遺産には「文化的景観」の価値が認められるようになりました。翌年の1993年、トンガリロ国立公園は登録範囲を拡大し複合遺産となり、世界で初めて「文化的景観」の価値が認められる世界遺産となりました。ちなみに現在、日本の遺産では「紀伊山地の霊場と参詣道」「石見銀山遺跡とその文化的景観」に文化的景観の価値が認められています。

国鳥キウイが見られる「鳥の楽園」

トンガリロ国立公園には鳥類の天敵が少なく、約60種の鳥が生息しています。中には、ニュージーランドの国鳥で「飛べない鳥」として知られるキウイや、オウムの一種であるカカなどの珍しい固有種もいます。鳥類の他には、ニュージーランドの原生生物の中で唯一の哺乳動物ショート・テール・バットやロング・テール・バッドなどのコウモリ、古代の針葉樹の樹林なども見られます。トンガリロ国立公園は、世界遺産の登録基準(x)(生物多様性の保全)には該当しないものの、多様な動植物が原生する場所なのです。

アクセス

オークランド空港から車または列車で約5時間。

執筆協力者PROFILE

高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』に囲まれた和歌山県で生まれ育つ。大学在学中に「ふるさとと世界をつなげたい」と決意し、自治体の国際交流について研究。現在公立高校の地理歴史・公民科教諭。一児の母でもあり、結婚式や子の七五三も故郷の世界遺産で行った。

遺産DATA

分類 : 複合遺産
登録年 : 1990年
範囲拡大年 : 1993年
登録基準 : (vi) (vii) (viii)
遺産の面積 : 795.96㎢
座標 :S39 17 27 E175 33 44

アクセス

オークランド空港から車または列車で約5時間。

執筆協力者PROFILE

高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』に囲まれた和歌山県で生まれ育つ。大学在学中に「ふるさとと世界をつなげたい」と決意し、自治体の国際交流について研究。現在公立高校の地理歴史・公民科教諭。一児の母でもあり、結婚式や子の七五三も故郷の世界遺産で行った。