about
地質学的・地形学的に重要な価値をもつ自然美
『ウルル、カタ・ジュタ国立公園』は、オーストラリア中央の半砂漠地帯に位置し、一枚岩のウルル(エアーズ・ロック)と、そこから約45km西にある36の巨岩群カタ・ジュタから構成されています。ウルルは周囲約9km、高さ348m、全長3,400mの巨大な花崗砂岩で、一枚岩としては世界2位の大きさを誇ります。約3~4億年前の造山運動により、水平だった砂岩層がほぼ垂直に立ち上がって地表に現れ、硬い岩質のため浸食や風化を免れて現在の姿が残りました。地中には岩全体の3分の2以上が埋まっていると考えられています。カタ・ジュタも同じ過程で形成されましたが、より軟らかい岩石でできていたため浸食と風化が進み、異なる形状になりました。名称は先住民アボリジナル・ピープルのアナング族の言葉で、ウルルは「日陰の場所」、カタ・ジュタは「たくさんの頭」を意味します。

アボリジナル・ピープルの精神的中心をなす神聖な岩
ウルルとカタ・ジュタは、約4~5万年前からこの地に暮らすアボリジナル・ピープルのアナング族にとって聖地として崇拝されてきました。岩肌の裂け目やくぼみは、彼らの神話における「夢の時代」に世界を創造した祖先が残した宗教的なしるしとされ、祖先が歩んだ道はカタ・ジュタ周辺を網のように巡り、ウルルで交わると語られています。また、文字を持たなかったアナング族は、神話や伝承、狩猟の知識などを岩絵として残し、その最古のものは約1万年前のものと推定されています。こうした自然景観と先住民文化の深い結びつきが評価され、1994年には複合遺産として再登録されるとともに、文化的景観としての価値も認められた世界遺産となりました。
「オーストラリアの赤い心臓」を守るために
ウルルは夕日に照らされると酸化鉄を含む岩肌が赤く燃えるように輝き、「オーストラリアの赤い心臓」と呼ばれる独特の景観を生み出します。半砂漠地帯にある国立公園内には、アカカンガルーやフクロモグラなどの有袋類、珍しい鳥類、爬虫類、植物など多様な生物が生息しています。1958年にオーストラリア政府がこの地域一帯を収容し国立公園として管理を始めましたが、1976年から行われた裁判を経て、1985年にアナング族へ土地が返還されました。ただし2084年までは政府への貸与が義務付けられており、現在はアナング族と政府との協議のもとで国立公園が運営されています。また、先住民の聖地としての価値を尊重し、2019年からウルルへの登山は禁止されています。

アクセス
エアーズロック空港から拠点のエアーズロックリゾートまで、車またはバスで約10分。
執筆協力者PROFILE
幼少期に飛行機から見たさまざまな地形や街の姿に魅了され、大学で地理学を専攻。教壇に立つなかで世界遺産の可能性に惹かれ、世界遺産検定マイスターに。気象予報士の資格を持ち、趣味で各地の世界遺産とそこにみられる気候・気象現象との関連を探っている。
アクセス
エアーズロック空港から拠点のエアーズロックリゾートまで、車またはバスで約10分。
執筆協力者PROFILE
幼少期に飛行機から見たさまざまな地形や街の姿に魅了され、大学で地理学を専攻。教壇に立つなかで世界遺産の可能性に惹かれ、世界遺産検定マイスターに。気象予報士の資格を持ち、趣味で各地の世界遺産とそこにみられる気候・気象現象との関連を探っている。
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