about
近代化運動下で建てられた大学の建造物群
メキシコシティー南部にあるメキシコ国立自治大学(UNAM)は敷地面積約7㎢を誇る中南米最大規模の大学です。1551年にスペイン王フェリペ2世によって開学された王立メキシコ大学を前身とし、メキシコ革命を経て1929年に自治権を獲得し、現在の名称へと改称されました。その後1949年から1952年にかけての近代化運動のなかで大学が建設されました。20世紀のモダニズムの建築工学や景観設計と、スペイン人入植以前のメキシコの伝統文化に由来する特徴とが融合した大学都市が作り上げられました。
名だたる著名人が関わったキャンパス建設
メキシコ国立大学の建設には1920年から1930年代にかけてメキシコ革命下で起こった革命の意義やメキシコ人としてのアイデンティティを民衆に伝えるための壁画運動である、メキシコ壁画運動を牽引した芸術家や建築家、エンジニアなど60人以上が動員され、現在のような都市の様相を呈するに至りました。建物の多くは火山岩を使用し内外に庭園が設けられています。中央図書館にはフアン・オゴルマンによって雨の神トラロックや文明の神ケツァルコアトルが描かれ、ダビド・アルファロ・シケイロスが手がけた牧師塔やディエゴ・リベラの手がけたオリンピック・スタジアム入り口などが残っています。
広大なキャンパス内の施設
メキシコ国立自治大学のキャンパス内は広大で学部棟や研究所だけでなく、文化センターや博物館、オリンピック・スタジアムそしてスーパーや映画館、放送局まで造られ、まるで一つの都市のような大きさがあります。サンイルデフォンソ旧大学は18世紀にイエズス会によって建築され、1992年の改装後は博物館として利用されています。この他にも多くの歴史的建造物が改装・修復され現在も利用されています。これらは大学の卒業生の協力と献身的な活動によって維持され大学の貴重な財産となっています。
アクセス
地下鉄Universidad駅かCopilco(3番線)駅から徒歩で約15分またはキャンパス内の無料交通機関PUMABUSに乗車。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
アクセス
地下鉄Universidad駅かCopilco(3番線)駅から徒歩で約15分またはキャンパス内の無料交通機関PUMABUSに乗車。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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