上スヴァネチア
林立する防御塔が特徴的な上スヴァネチア。標高が低い場所には下スヴァネチア地方もある

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : ジョージア 所在地 : Village of Chajashi, Mestia district, Region of Samegrelo-Zemo Svaneti 分類 : 文化遺産 登録年 : 1996年 登録基準 : (iv) (v) 遺産の面積 : 0.0106㎢ バッファ・ゾーン : 0.1916㎢ 座標 : N42 54 50.4 E43 0 32.4

about

ジョージアの伝統村落と、その文化を守り続けた山岳風景

コーカサス山脈が広がる見事な景観に『上スヴァネチア』は静かに佇んでいます。この土地には、地理的隔離によって守られてきた中世風の村落や街並みが今も残っています。ウシュグリのチャザシ村には、200を超える中世の塔屋、教会、城などが保存されており、その土地利用や集落構造からは、自然環境と調和して暮らしてきた上スヴァネチアの伝統を感じることができます。塔屋は先史時代に起源を持っており、3〜5階建てで細長い形状をしています。住居は2階建てで、1階には人間と家畜が共に暮らすホールが設けられています。家畜は木製の仕切りで区切られ、時には豪華に装飾されることもありました。2階は夏季の居住空間と倉庫として機能したとされています。このような機能性を持った住居はジョージア伝統村落の特徴として知られています。

要塞化された住居とジョージア芸術

『上スヴァネチア』の伝統的な住居は侵略者に対する防御拠点としても利用され、上層階は見張り台や投石を行う場としての機能も備えていました。多数ある塔も同じ役割を担いましたが、今では見事な山岳景観に調和し高く聳え立っています。さらに、軍事的要素だけでなく、芸術的要素もこの地域の歴史を語るうえでは欠かせません。9世紀から17世紀にかけて建てられた教会群は、小規模で外観は簡素ながらも、内部にはフレスコ画や十字架、装飾写本などが豊富に残されています。スヴァネチア地方で最も標高の高いジビアニ村のラマリア教会には、ジョージアにおけるルネサンスを代表する作品が残されています。

アクセス

トビリシからスヴァネチアまで車で約6時間(飛行機の場合は約1時間)。

執筆協力者PROFILE

KANAE
KANAE
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。

遺産DATA

保有国 : ジョージア
所在地 : Village of Chajashi, Mestia district, Region of Samegrelo-Zemo Svaneti
分類 : 文化遺産
登録年 : 1996年
登録基準 : (iv) (v)
遺産の面積 : 0.0106㎢
バッファ・ゾーン : 0.1916㎢
座標 :N42 54 50.4 E43 0 32.4

アクセス

トビリシからスヴァネチアまで車で約6時間(飛行機の場合は約1時間)。

執筆協力者PROFILE

KANAE
KANAE
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。