ウルネスの木造教会
この地域の木造教会「スターヴヒルケ」の中でも、最高傑作のものといわれる

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : ノルウェー王国 分類 : 文化遺産 登録年 : 1979年 登録基準 : (i) (ii) (iii) 遺産の面積 : 0.0021㎢ 座標 : N61 17 53.734 E7 19 21.6

about

フィヨルドの崖に立つ現存するノルウェー最古の木造教会

ノルウェーの西海岸にあるソグネフィヨルドの更に奥まった場所に位置するルストラフィヨルドを見下ろす120mの崖の上に立つ、1130年代初頭に建造されたノルウェーで最古の木造教会です。一部の資材は以前この場所にあった教会のものを再利用していますが、木材のみを使用しており、屋根や柱などはもちろん半円アーチ構造の身廊部分もすべて木造となっています。

ノルウェーにおける木造教会(Stavkirke/スターヴヒルケ)の最高傑作

11世紀にノルウェーにキリスト教が広まり、その布教活動の進展につれて各地に教会が建築されていきました。その教会は古典的なバシリカ様式に則ったものでしたが、ノルウェーにおいてはスカンジナビア伝統の建築技術を用いた木造のものでした。最盛期には約1,300(一説では約2,000)もの木造教会が建築されましたが、現存しているものはわずか28件のみとなっており、ウルネスの木造教会はその最高傑作とされています。

ロマネスク様式とヴァイキングの伝統との融合

他地域で見られるロマネスク様式の聖堂は石造を基本とし半円アーチの屋根・ヴォールトを石の厚い壁で支えるという構造ですが、ウルネス教会ではこれを木材により表現しており、木造での建築技術には11世紀以前のヴァイキング時代のものが反映されています。また、構造のみでなく、内外壁の木彫装飾や屋根を支える支柱(スターヴ)の柱頭にも様々な装飾にもヴァイキングの伝統要素が含まれています。これらの様式は、ヨーロッパの他の地域でも見られる「ウルネス様式」の起源となっています。

アクセス

ソグナル空港から車やフェリーで約1時間。

執筆協力者PROFILE

達川 恭之
達川 恭之
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

2017年世界遺産検定1級合格。2018年世界遺産検定マイスター合格。2020年世界遺産アカデミー認定講師登録。福井県唯一の世界遺産アカデミー認定講師として、県内の公民館等での生涯学習講座講師として活動中。世界遺産プランニングチームpassword・『みんなで勉強会』リーダー。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 1979年
登録基準 : (i) (ii) (iii)
遺産の面積 : 0.0021㎢
座標 :N61 17 53.734 E7 19 21.6

アクセス

ソグナル空港から車やフェリーで約1時間。

執筆協力者PROFILE

達川 恭之
達川 恭之
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

2017年世界遺産検定1級合格。2018年世界遺産検定マイスター合格。2020年世界遺産アカデミー認定講師登録。福井県唯一の世界遺産アカデミー認定講師として、県内の公民館等での生涯学習講座講師として活動中。世界遺産プランニングチームpassword・『みんなで勉強会』リーダー。