ウシュマルの古代都市
占い師のピラミッドや魔法使いのピラミッドと呼ばれる、高さ35mの巨大な建造物

遺産DATA

地域 : 北米 保有国 : メキシコ合衆国 分類 : 文化遺産 登録年 : 1996年 登録基準 : (i) (ii) (iii) 遺産の面積 : 20.598㎢ バッファ・ゾーン : 37.5864㎢ 座標 : N20 21 42 W89 46 13

about

ユカタン半島北部の後期マヤ文明の中心地

ユカタン半島北部に建設されたマヤ文明の古代都市ウシュマルは7~10世紀頃に繁栄し、多くの建築物が建設されました。建物の数や種類も豊富で、ユカタン半島北部地域の政治・経済・交易の中心地として発展し、最盛期には約2万5000人が生活していたと言われています。建物の配置からは当時の文化が高度な天文知識を有していたことがうかがえます。またウシュマルにはセノーテ(地下水がたまった井戸や泉)が存在せず、雨水をためるための貯水槽が160個以上発見されています。

北部ユカタン半島独自の建築様式:プウク様式

プウク様式はマヤ文明の建築様式の1つです。切石を積み上げて作られており、複雑で幾何学的なモザイク文様の装飾が特徴です。「総督の館」や「尼僧院」、「ハトの家」はプウク様式の傑作とされています。プウク様式の多くには、雨の神チャークの顔がつけられています。

一晩で完成した伝説がのこる「魔法使いのピラミッド」

「魔法使いのピラミッド」はウシュマルを代表する建築の一つで、伝説では小人によって一晩で建てられたといわれています。高さ37m、5層から成る魔法使いのピラミッドの基壇は楕円形という珍しい形をしています。魔法使いのピラミッドは儀式の中心地に位置しており、プウク様式の特徴である幾何学的なデザインや雨の神チャークの彫刻のみならず、マヤ後期の中央メキシコのトルテカ族との伝統的な芸術や建築法の影響も受けていると考えられています。

アクセス

メリダ市から連邦高速道路261号線をSanta Elena方向に向かう。公共交通機関もある。

執筆協力者PROFILE

角濱 さくら
角濱 さくら
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/大学生

筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。

遺産DATA

地域 : 北米
分類 : 文化遺産
登録年 : 1996年
登録基準 : (i) (ii) (iii)
遺産の面積 : 20.598㎢
バッファ・ゾーン : 37.5864㎢
座標 :N20 21 42 W89 46 13

アクセス

メリダ市から連邦高速道路261号線をSanta Elena方向に向かう。公共交通機関もある。

執筆協力者PROFILE

角濱 さくら
角濱 さくら
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/大学生

筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。