about
多くの支配者が残した歴史が見られる街
古都ヴェローナは、イタリア北東部、アルプス南麓を流れるアディジェ川のほとりに位置します。街の起源は紀元前1世紀のローマ時代にさかのぼります。ローマと北ヨーロッパを結ぶ要にあったので、以後、多くの勢力者の支配下にはいりました。最も繫栄したとされるのは、13~14世紀のスカーラ家が統治した時代で、北イタリアの政治と文化の中心となりました。15世紀の初めからの約400年間は、ヴェネツィア共和国の一部に属しました。多くの支配者を持ちながら、それぞれの時代の遺構を維持しています。
長い歴史の各時代を代表する多様な建築物
ヴェローナの長い歴史的な背景から、各時代を代表する建造物を見ることができます。街の中央に位置するアレーナ・ディ・ヴェローナ(円形闘技場)は、ローマ帝国時代のもので、直径は約150m、2万人を収容でき、ローマのコロッセオ、ナポリ近郊カプアの円形闘技場に次ぐ規模です。また、街の中心部を包むように湾曲して流れるアディジェ川の近くには、エルベ広場があり、その中央に翼を持つ獅子像が乗る「聖マルコの円柱」があります。これは、翼を持つ獅子を紋章とするヴェネツィア共和国の影響を表しています。宗教建築としては、イタリア・ロマネスク建築の代表作といわれるサン・ゼーノ・マッジョーレ聖堂や、ロマネスクとゴシックの様式が混在するヴェローナ大聖堂などがあります。
「ロミオとジュリエット」の舞台となった街
ヴェローナは、シェイクスピアの傑作である戯曲「ロミオとジュリエット」の舞台でもあります。中世の時代、イタリアの各地で教皇派と皇帝派の間で抗争が繰り広げられていました。ヴェローナでも、有力な貴族の間で勢力争いが起こりました。教皇派のモンテッキ家と、皇帝派のカプレッティ家との争いの中で起きた事件をもとに、「ロミオとジュリエット」の悲恋の物語が誕生したとされています。ヴェローナ市内には、ジュリエットの家も、ロミオの家も見られます。街の中心部にあるエルベ広場近くのジュリエットの家とされる館は、シェイクスピアの戯曲上ではキャピレット家として扱われたカプレッティ家の館だとされています。
アクセス
ヴェネツィア、サンタ・ルチア駅からインターシティ(特急列車)で1時間25分。
執筆協力者PROFILE
米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。
アクセス
ヴェネツィア、サンタ・ルチア駅からインターシティ(特急列車)で1時間25分。
執筆協力者PROFILE
米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。
Similar Heritage
特徴が似た遺産を探す