about
フランスの絶対王政の象徴としての宮殿
フランスの首都パリから20㎞ほどのところに位置するヴェルサイユ宮殿は、ルイ14世からルイ16世の時代までのフランス国王の居城でした。1661年にルイ14世の命で建造が始まると、数世代にわたる建築家や彫刻家、装飾家による建設と拡張が行われます。贅の限りを尽くして建てられたこの宮殿はフランス・バロック様式建造物の最高傑作というだけではなく、「太陽王」としてのルイ14世を象徴するとともに、フランスの絶対王政の最盛期を象徴する権威的な宮殿にもなりました。
ヨーロッパ各地の宮廷建築にも影響を与えた宮殿
ヴェルサイユ宮殿は17世紀末から18世紀末にかけて1世紀以上にわたりヨーロッパの宮廷建築に影響を与えることになります。世界遺産として有名なドイツのポツダムにあるサンスーシ宮殿も同様にヴェルサイユ宮殿を模して建設されました。またヴェルサイユ宮殿の庭園を設計したル・ノートルは彼自身やまた彼の模倣者によって庭園設計が行われ、その影響はロシアやスウェーデンにまで及びました。
フランス革命後のヴェルサイユ宮殿
フランス革命後、宮殿は博物館や祝賀の場、会議の場へと転用され、フランスの権力の象徴や歴史舞台の中心であり続けました。ナポレオン3世は宮殿を権力の象徴として用いました。また1855年にはイギリスのヴィクトリア女王がヴェルサイユ宮殿を訪問しました。第一次世界大戦の講和条約であるヴェルサイユ条約も宮殿の鏡の間で結ばれました。戦後もG7サミットの会場や国賓を迎える場所としてフランス政治でも重要な場所となっています。2024年のパリオリンピックでは馬術や五種競技の競技会場にもなりました。
アクセス
ヴェルサイユ宮殿周辺には複数の鉄道駅があり、パリ市内からそれぞれ異なる路線を利用して1時間弱でアクセスできる。最寄りのVersailles Château Rive Gauche駅から宮殿までは徒歩15分ほど。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
Details
鏡の間
The Hall of Mirrors/La Galerie des Glaces
王室礼拝堂
The Royal Chapel/La Chapelle Royale
庭園
The Gardens/Les Jardins
グラン・トリアノン
The Grand Trianon/Le Grand Trianon
プチ・トリアノン
The Petit Trianon/Le Petit Trianon
アクセス
ヴェルサイユ宮殿周辺には複数の鉄道駅があり、パリ市内からそれぞれ異なる路線を利用して1時間弱でアクセスできる。最寄りのVersailles Château Rive Gauche駅から宮殿までは徒歩15分ほど。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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