about
後世の庭園建築に影響を与えた設計
イタリア中部、ローマ郊外にある街ティヴォリは、ローマの貴族の別荘地として名高い場所でした。北イタリアの有力な貴族であったエステ家の出身である枢機卿イッポリート・デステは、1550年にティヴォリ総督に任命された際に、新しい地位にふさわしい宮殿の建設を計画しました。ベネディクト会の修道院だった建物を住居として改装して、その周囲に大規模な庭園を造らせました。別荘全体の総面積は4万5000㎡に及び、革新的な設計はナポリの建築家ピッロ・リゴーリオが担当しました。丘を削って二つの斜面をつくり、水道橋や地下運河を築いて、近くを流れるアニエーネ川からの豊富な水を確保し、500以上の噴水を持つ庭園を築き、ルネサンス庭園の代表作となりました。
遊び心あふれる多様な噴水
エステ家の美しい庭園では、創意工夫に満ちた様々な噴水に出会えます。中でも有名なのが、1568年に建設に着手し1611年に完成したバロック様式の「オルガンの噴水」です。庭園を流れる水の水圧によって水を噴き上げ、オルガンが自動演奏されるもので、噴水史上の革命とも言われています。「楕円の噴水」は、カーテンのように広がる滝の優美な姿が見られます。「百噴水」は、上庭を横断する3つの運河に面して300もの噴出口を持っています。「ピアノの魔術師」と呼ばれたフランツ・リストは、ローマへ移住した後、この庭園の噴水をモチーフに作曲をしています。ピアノ曲集「巡礼の年第3年」には、《エステ荘の噴水》が収められています。
アクセス
ローマから地下鉄B線ポンテ・マンモーロ駅へ約30分。そこからCOTRAL社の市外バス「ティヴォリ」方面行きに乗りバスで約1時間、ラルゴ・ナツオーニ・ウニテ下車。
執筆協力者PROFILE
米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。
アクセス
ローマから地下鉄B線ポンテ・マンモーロ駅へ約30分。そこからCOTRAL社の市外バス「ティヴォリ」方面行きに乗りバスで約1時間、ラルゴ・ナツオーニ・ウニテ下車。
執筆協力者PROFILE
米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。
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