ラヴノのヴィエトレニツァ洞窟
真っ暗な洞窟の環境に適応して進化した、ユニークな生物が多数生息する

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : ボスニア・ヘルツェゴビナ 分類 : 自然遺産 登録年 : 2024年 登録基準 : (x) 遺産の面積 : 4.1397㎢ バッファ・ゾーン : 46.236㎢ 座標 : N42 50 10 E17 59 1

about

世界的に重要な地下生物多様性と高い固有性

ヴィエトレニツァ洞窟は、バルカン半島に延びるディナル・アルプス山脈の一部で、ボスニア・ヘルツェゴビナ南端のポポヴォ・ポリェからアドリア海まで広がるカルスト地帯に位置します。全長は7,323.9mあり、ボスニア・ヘルツェゴビナで2番目に長い洞窟です。その存在は古くから知られ、1世紀のローマ帝国時代には、博物学者プリニウスが77年に著した『博物誌』で洞窟に言及しています。19世紀末に科学調査が本格的に始まりました。この洞窟は、世界でも有数の地下生物の多様性を誇り、固有種や適応放散、「生きた化石」と呼ばれる遺存固有種も見られます。また、洞穴生物、特に地下水生動物にとっての世界で最も重要な生物多様性ホットスポットのひとつでもあります。

生きた化石と固有種を含む特異な生態系

ヴィエトレニツァ洞窟で発見される種の多くは、第三紀やそれ以前から生き残ってきた「生きた化石」と呼ばれる遺存固有種です。遺存固有種とは、かつては広範囲に生息していた生物が、環境の変化などにより特定の地域にのみに取り残され、周辺地域で最も近縁な種がすでに絶滅している種のことです。記録された種は230種以上の分類群が記録されており、その中には洞窟内の環境でしか生きられない真洞穴性の生物も約90種います。真洞穴性のヒドロ虫はその一例です。そのほか、世界で唯一淡水に生息するカンザシゴカイ科の仲間など希少な生物が生息しています。この地は、水生と陸生の生態系が交わる湿潤帯(岩肌を薄い水膜が覆う特殊な環境)の代表例としてもよく知られた場所となっています。

アクセス

サラエヴォからレンタカーかチャーター車で約4〜5時間。公共交通は不便でバスの本数も少ない。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。

遺産DATA

分類 : 自然遺産
登録年 : 2024年
登録基準 : (x)
遺産の面積 : 4.1397㎢
バッファ・ゾーン : 46.236㎢
座標 :N42 50 10 E17 59 1

アクセス

サラエヴォからレンタカーかチャーター車で約4〜5時間。公共交通は不便でバスの本数も少ない。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。