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第一次・第二次産業革命における人類の技術的成果の象徴
フェルクリンゲン製鉄所は、フランス国境に近いドイツ西部に位置し、6ヘクタールに及ぶ敷地を持つ、西ヨーロッパにおける銑鉄生産の独特な記念碑です。これほど完全な形で銑鉄生産の全工程を示し、かつ高い真正性と完全性を備え、さらに革新的な工学技術の数々を示す歴史的高炉施設は、他に例がありません。フェルクリンゲンは、19世紀の産業史全般、そして特にヨーロッパの中心に位置するザール地方からロレーヌ地方,そしてルクセンブルクまでの国境を越えた産業地域の歴史を象徴した製鉄所となっています。また、この製鉄所は、19世紀から20世紀初頭にかけての第一次・第二次産業革命における人類の技術的成果の象徴でもあります。当時の宰相ビスマルクが推進した富国強兵政策の後押しもあり、最盛期には1日に約1,000トンの銑鉄を生産しました。
当時の姿をとどめる遺構
この製鉄コンプレックスは、フェルクリンゲンの街並みに圧倒的な存在感を放っています。ここには、石炭や鉄鉱石の原料処理設備から高炉による製鉄生産、さらにガス精製装置や送風装置などの付帯設備まで、製鉄生産の全工程を網羅する施設が揃っています。これらの設備は、1986年に操業が停止された当時のまま残されています。全体の外観は1930年代の製鉄所そのものであり、1935年のコークス炉再建以降、新たな設備は追加されていません。個々の設備には、当時の姿をよく保った歴史的証拠が多く見られます。例えば、高炉のフレームや作業台の大部分は、19世紀末から20世紀初頭に設置された当時のままです。1935年の改修にもかかわらず、1898年建設の石炭塔をはじめ、コークス炉の多くが現存しています。1905年から1914年に建造された6基のガス送風機、1911年の懸垂式コンベヤーシステム、同時期の乾式ガス精製装置も保存されています。さらに、高炉下の発電所には、1873年のブッフのパドル製鉄所の遺構も残されています。
アクセス
日本よりフランクフルト空港まで直行便で約12時間。フランクフルト空港からドイツ鉄道(DB)でザールブリュッケン駅まで約2時間。ザールブリュッケン駅からフェルクリンゲン駅までローカル列車で10分、フェルクリンゲン駅から製鉄所までは徒歩5分ほど。
執筆協力者PROFILE
民間企業勤務のサラリーマン。趣味は世界遺産と言語。「リラの僧侶」の名で世界遺産ポッドキャスト「ニュースで読み解く世界遺産」のラジオパーソナリティーを担当。好きな世界遺産はリラの修道院。
アクセス
日本よりフランクフルト空港まで直行便で約12時間。フランクフルト空港からドイツ鉄道(DB)でザールブリュッケン駅まで約2時間。ザールブリュッケン駅からフェルクリンゲン駅までローカル列車で10分、フェルクリンゲン駅から製鉄所までは徒歩5分ほど。
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民間企業勤務のサラリーマン。趣味は世界遺産と言語。「リラの僧侶」の名で世界遺産ポッドキャスト「ニュースで読み解く世界遺産」のラジオパーソナリティーを担当。好きな世界遺産はリラの修道院。
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