ガーナのベナン湾沿いの城塞群
ポルトガル、オランダ、英国と支配者を変えながら貿易拠点として使用されたエルミナ城

遺産DATA

地域 : アフリカ 保有国 : ガーナ共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 1979年 登録基準 : (vi) 座標 : N5 23 27.708 E0 29 36.996

about

熾烈な覇権争いのなかで建てられた60の城塞

西アフリカ・ガーナのベナン湾沿いには、およそ500㎞にわたり城塞群が点在します。これは、15世紀末から18世紀末にかけてヨーロッパ人により築かれたものです。もとは、ポルトガルからの航海者たちが、この地の金鉱脈に目をつけ、交易拠点として建設したのが始まりです。ガーナは「黄金(ゴールド)海岸(コースト)」という呼び名があるほどの金の産地で、そのほかにも、象牙や香辛料などが取引されていました。やがて、スペイン人、デンマーク人、スウェーデン人、オランダ人、ドイツ人、イギリス人も交易に参入し、覇権争いが繰り広げられることになります。そのような歴史のなかで築かれた城塞は60にも及びました。そのうちの3分の1程度が現存し、博物館や学校として活用されているものもあります。

後年には奴隷貿易の中心地として機能

構成資産のなかで最も古い、エルミナにある「エルミナ城(セント・ジョージ城塞)」は、1482年にポルトガル人によって築かれました。城塞の周囲にはエルミナ植民地が形成され、ポルトガルは交易を独占し、繁栄を享受しました。その後、この城塞は1637年にオランダによって占領されますが、この頃になると、新大陸に向けた奴隷貿易の中心地として機能していました。その規模は国内最大だったとも言われています。それからさらに後、1872年にはイギリスに譲渡されることになりました。

アクセス

執筆協力者PROFILE

石川 香澄
石川 香澄
記者(フリーランス)/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。

遺産DATA

地域 : アフリカ
保有国 : ガーナ共和国
分類 : 文化遺産
登録年 : 1979年
登録基準 : (vi)
座標 :N5 23 27.708 E0 29 36.996

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執筆協力者PROFILE

石川 香澄
石川 香澄
記者(フリーランス)/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。