about
北海沿岸に広がる世界最大級の干潟
ワッデン海はヨーロッパ北西部の北海沿岸に広がる世界最大級の干潟で、オランダのワッデン海保全地域、ドイツのワッデン海国立公園、デンマークのワッデン海海洋保護区の3カ国の保護区で構成されています。2009年にオランダ、ドイツの保護区が登録され、2014年にデンマークの保護区が追加登録されました。海岸沿いの湿地帯では、潮の干満によって砂州やエスチュアリー(三角江)、干潟、塩性湿地など多様な地形が形成され、様々な動植物にとって重要な生息地となっています。
多様な生態系と東大西洋地域フライウェイ
ゼニガタアザラシや、ハイイロアザラシ、ネズミイルカなどの海洋哺乳類をはじめ、塩性湿地には約2,300種の動植物が生息し、海洋と汽水域には2,700種の動植物と30種の繁殖鳥類が生息しています。特に鳥類の保護に関しては、ワッデン海は渡り鳥の主要な飛行ルートである東大西洋地域フライウェイの中心に位置し、アフリカとユーラシア大陸間を飛行する渡り鳥の中継地、換羽地、越冬地として、生物多様性における重要な拠点となっています。最大610万羽の鳥が同時に飛来し、毎年平均1,000万〜1,200万羽がこの土地を通過しています。
ワッデン海を取り巻く資源開発
オランダ、ドイツ、デンマークは、ワッデン海の保護区全体の統合的な保全と管理を円滑に行うため、1982年に「ワッデン海保護に関する共同宣言」を採択し、以来3国による協力体制を敷いています。効果的な管理に必要な財政の維持とモニタリング、遺産の価値を損なわぬよう厳格な環境影響評価など、包括的な保護対策をそれぞれの国で実施しています。世界遺産の登録範囲内での石油やガスの探査・採掘は禁止されています。また、風力発電関連の海底ケーブル敷設なども、最小限に抑えられています。
アクセス
日本からアムステルダムまで直行便で14時間程度。アムステルダムからワッデン海まで電車で2時間ほど。
執筆協力者PROFILE
慶應義塾大学大学院修士課程修了。桐蔭学園高校地理科教諭。神奈川県高文連社会科専門部会事務局長。東京大学空間情報科学研究センター協力研究員。(社)日本ICOMOS会員。山川出版社地理用語集編集委員。高校地理の教科書・地理用語集などを執筆・編集。
アクセス
日本からアムステルダムまで直行便で14時間程度。アムステルダムからワッデン海まで電車で2時間ほど。
執筆協力者PROFILE
慶應義塾大学大学院修士課程修了。桐蔭学園高校地理科教諭。神奈川県高文連社会科専門部会事務局長。東京大学空間情報科学研究センター協力研究員。(社)日本ICOMOS会員。山川出版社地理用語集編集委員。高校地理の教科書・地理用語集などを執筆・編集。
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