ワロン地方の主要な鉱山遺跡
ボア・デュ・カジエ炭坑跡。1956年に発生した鉱山事故の記憶も留める場所

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : ベルギー王国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2012年 登録基準 : (ii) (iv) 遺産の面積 : 1.1807㎢ バッファ・ゾーン : 3.447㎢ 座標 : N50 22 40.00 E4 26 27.00(ボア・デュ・カジエ)

about

ヨーロッパ産業革命を象徴する最古の炭坑群

ワロン地方の主要な鉱山遺跡は、ベルギーを東西に横断する長さ170km、幅3~15kmの帯状の地域に点在する4つの炭坑遺跡で構成されており、ヨーロッパ大陸における産業革命を象徴する最も古い遺産の一つです。19世紀初頭から20世紀後半にかけて稼働した炭坑の中で、最もよく保存されているグランド・ホルヌの炭坑と鉱夫街は特筆すべきものです。ヨーロッパの産業革命初期に見られるユートピア建築の例が、高度に統合された産業・都市アンサンブルとなっています。

技術・都市計画・社会革新の多様な遺産

この4つの鉱山遺跡は、産業革命時代の鉱山産業の世界を、優れた形で示しており、地上および地下の石炭採掘産業に関連する多数の技術的・産業的遺構を含んでいます。また、炭坑に関連する産業建築や労働者の住宅、炭坑町の都市計画といった要素も見られます。これらの遺跡は、産業革命の技術的、社会的、都市的革新の初期の普及を示す証言であると同時に、ベルギー国内外からの労働者の参加を通じて、異文化間交流の最も重要な場所のひとつでもあります。

ボア・デュ・カジエの記憶を含む文化的・社会的価値

この遺産は、1956年に発生したボア・デュ・カジエ(Bois du Cazier)の炭坑事故の記憶を留めている点でも重要です。この事故では、火災により262人の労働者の命が失われました。事故の記憶は、この地域の産業活動と人類の歴史が深く結びついていることを示す重要な要素であり、この遺産が持つ社会的価値を強めています。

アクセス

ボア・デュ・カジエへは、ブリュッセル中央駅からシャルルロワ中央駅まで約1時間。そこから駅バスに乗り換えて約15分。最寄りのバス停から徒歩約10分。

執筆協力者PROFILE

たまやん
たまやん
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。

遺産DATA

保有国 : ベルギー王国
分類 : 文化遺産
登録年 : 2012年
登録基準 : (ii) (iv)
遺産の面積 : 1.1807㎢
バッファ・ゾーン : 3.447㎢
座標 :N50 22 40.00 E4 26 27.00(ボア・デュ・カジエ)

アクセス

ボア・デュ・カジエへは、ブリュッセル中央駅からシャルルロワ中央駅まで約1時間。そこから駅バスに乗り換えて約15分。最寄りのバス停から徒歩約10分。

執筆協力者PROFILE

たまやん
たまやん
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。