ワルシャワの歴史地区
第二次世界大戦で破壊されるも、18世紀の風景画などを参考に復元が進められ、よみがえったワルシャワの歴史地区

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : ポーランド共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 1980年 範囲変更年 : 2014年 登録基準 : (ii) (vi) 遺産の面積 : 0.2593㎢ バッファ・ゾーン : 6.6678㎢ 座標 : N52 15 0 E21 0 46.8

about

戦後復興の象徴としての歴史地区

国土の大半が平地であるポーランドは幾度となく周辺国や他民族の侵害を受け、ポーランド分裂でポーランド王国は消滅しました。第一次世界大戦後には再度独立が認められたものの、第二次世界大戦中のワルシャワ蜂起でナチス・ドイツ軍によってワルシャワの歴史地区の85%以上が破壊されました。戦後、ベルナルド・ベロットの風景画を基に、市民が20年の歳月をかけて徹底的な復元作業を行い、13世紀から20世紀の街並の完全な復元がされました。

例外的に世界遺産登録が認められた都市全体の再建

ワルシャワの歴史地区の復元は、単なる建築の再建にとどまらず、ポーランド国民の文化的アイデンティティと誇りの表れでもあります。戦後、瓦礫の中から可能な限りの建材を再利用し、失われた都市の記憶を再生しました。この取り組みは、世界的な都市保存の手本とされています。世界遺産に登録されているのは、ワルシャワの旧市街及び新市街で、中世のゴシック様式から19世紀の新古典主義に至る多彩な様式の建造物が連なります。ただし、ワルシャワで行われた大事業は建築における修復技術の手本とされましたが、都市全体を再建したものの世界遺産登録は、ワルシャワ以外は認められないこととなりました。

アクセス

ワルシャワにあるワルシャワ・フレデリック・ショパン空港から市内へは、車で20~30分。中心部から歴史地区までは徒歩で10~20分程度。

執筆協力者PROFILE

たまやん
たまやん
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。

Details

旧市街広場

旧市街広場

Old Town Square

中世から商業と市民生活の中心として栄え、カラフルな建物と石畳の道が魅力。現在も市民や観光客でにぎわい、伝統行事や市場が開催される文化の中心地。
王宮

王宮

Royal Castle

かつてポーランド王が政治を行った国の象徴的建物で、バロック様式の豪華な内装や絵画コレクションが見どころ。国家の歴史と芸術に触れられる重要な文化施設となっている。
聖ヨハネ大聖堂

聖ヨハネ大聖堂

St. John’s Cathedral

ゴシック様式の格式ある教会で、歴代ポーランド王や文化人の墓所として知られる。宗教行事や国家的重要行事の舞台にもなっている。
ジグムント3世の柱

ジグムント3世の柱

Sigismund's Column

首都をクラクフからワルシャワへ移したジグムント3世を称えるモニュメント。高さ約22mの柱の上に王の像が立ち、広場の象徴として親しまれている。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 1980年
範囲変更年 : 2014年
登録基準 : (ii) (vi)
遺産の面積 : 0.2593㎢
バッファ・ゾーン : 6.6678㎢
座標 :N52 15 0 E21 0 46.8

アクセス

ワルシャワにあるワルシャワ・フレデリック・ショパン空港から市内へは、車で20~30分。中心部から歴史地区までは徒歩で10~20分程度。

執筆協力者PROFILE

たまやん
たまやん
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。