about
国境を超えて初めて統合された二つの国立公園
ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、1932年にカナダのアルバータ州にあるウォータートン湖国立公園と、アメリカのモンタナ州にあるグレーシャー国立公園が統合されて誕生した、世界初の国際平和公園です。国境をまたぐ雄大なロッキー山脈には、ツンドラ地帯、亜高山帯森林、山地林、草原などの手つかずの自然が広がっています。この地域には、標高3,000m級の山々や多数の氷河湖、渓流が存在しており、多様な動植物の生育地として極めて重要な自然の宝庫となっています。
氷河によって刻まれた大地の表情
この地域の起伏に富んだ地形は、約3億6,000万年前に海底であった場所が隆起し、約200万年前の氷河期に氷河の作用によって形成されたものです。ここには、ムース(ヘラジカ)、エルク(アメリカアカシカ)、グリズリーベア(ハイイログマ)、ハイイロオオカミ、コヨーテ、ハゲワシなどの野生動物が生息しています。初夏には高山植物が一斉に開花し、色鮮やかな風景をつくり出します。また、約1億5,000万年前の藍藻類の化石や、約8,000年前の人類の生活の痕跡が発見されており、古生物学および考古学の観点からも重要な地域とされています。
何度見ても飽きることのない湖の絶景
グレーシャー国立公園には200以上の湖が存在していますが、セントメリー湖はその中でも特に美しく、湖上に浮かぶワイルドグース・アイランドの光景で知られています。湖畔にはライジングサン・ビレッジがあり、宿泊用のロッジのほか、湖上を巡るクルーズも運行されています。マクドナルド湖南側のアプカーから望むマクドナルド湖と、それを囲む山々および渓谷の景色もまた圧巻です。朝、昼、夕刻と時間帯によって絶え間なく変化する空と山々の色彩、そしてそれを映し出す湖面の表情は、何度訪れても飽きることのない絶景です。
アクセス
日本からカナダのカルガリー国際空港まで、直行便で約9時間。空港からカナディアン・ロッキー山脈を貫くドライブコースを通り、車で約4時間。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
アクセス
日本からカナダのカルガリー国際空港まで、直行便で約9時間。空港からカナディアン・ロッキー山脈を貫くドライブコースを通り、車で約4時間。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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