西ガーツ山脈
コダナド展望台からの眺め。鋭利な岩峰はランガスワミ峰

遺産DATA

地域 : 西・南アジア 保有国 : インド 分類 : 自然遺産 登録年 : 2012年 登録基準 : (ix) (x) 遺産の面積 : 7,953.15㎢ 座標 : N11 19 50.00 E76 18 34.00(Attapadi Reserved Forest)

about

モンスーンが熱帯気候を緩和し多様な生物を育む

西ガーツ山脈は、インド南西部の海岸線から30~50km内陸に入ったところを海岸線に沿うように南北に連なっている山脈です。1カ所途切れてはいるものの、その連なりは1,600kmに達します。この山脈はヒマラヤ山脈よりも古く、太古の昔よりインド亜大陸の西側に存在していました。そのため、熱帯にありながらアラビア海から吹く偏西風(モンスーン)の影響で高山森林の生態系が広がっています。この地域の生物多様性と固有種の多さは特筆すべきもので、「地球上で最も重要な生態系のホットスポット」のひとつとされています。IUCNのレッドリストに記載されている絶滅危惧種・危急種も多く生息しています。

シシオザル
シシオザル。尾の先端がライオンの尾のような房状であることが名前の由来(©Sander Meertins/Adobe Stock)

インド亜大陸の地史が影響している生態系

この地の生態系と固有種の多さにはインド亜大陸の形成が大きく関わっています。約2億年前は、インド亜大陸はゴンドワナ大陸の一部で、アフリカ大陸などと地続きでした。それが約1億3,000万年前に大陸から分かれて孤立し、約5,000万年前に今度はユーラシア大陸に衝突、現在の形となりました。ちなみにこの時の衝突の圧力で隆起したのが今のヒマラヤ山脈です。このような地理的な変遷のおかげで、アフリカ由来の生物とアジア由来の生物が混在し、独特の進化をとげているのがこの地の生物です。

コーヒーと紅茶、コショウ他の香辛料の産地

インドは紅茶の栽培が有名ですが、実はコーヒーのほうが歴史は古く、17世紀には西ガーツ山脈にあるチクマガルール山地でコーヒーの栽培が始まっているようです。標高が高く、モンスーンの影響で雨季乾季がはっきりしているこの地の気候がコーヒー栽培に適しているとのことです。また、山脈南部のニルギリ山地は良質のニルギリ紅茶の山地として有名で、その紅茶の運搬用の山岳鉄道「ニルギリ山岳鉄道」は別の世界遺産として登録されています。その他、コショウやナツメグなどの香辛料の栽培も盛んです。

アクセス

西ガーツ山脈はインド西部の6州にまたがっているため、行き方は目的地により異なる。紅茶で有名なニルギリ山地へ行くには、日本からニューデリーやチェンナイまで直行便で飛び、国内線に乗り継いで最寄りのコインバトール国際空港へ向かう。空港からは山岳鉄道起点の町・メタップアラヤンまで車で約1時間。

執筆協力者PROFILE

大東文化大学・フェリス女学院大学講師/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。

遺産DATA

保有国 : インド
分類 : 自然遺産
登録年 : 2012年
登録基準 : (ix) (x)
遺産の面積 : 7,953.15㎢
座標 :N11 19 50.00 E76 18 34.00(Attapadi Reserved Forest)

アクセス

西ガーツ山脈はインド西部の6州にまたがっているため、行き方は目的地により異なる。紅茶で有名なニルギリ山地へ行くには、日本からニューデリーやチェンナイまで直行便で飛び、国内線に乗り継いで最寄りのコインバトール国際空港へ向かう。空港からは山岳鉄道起点の町・メタップアラヤンまで車で約1時間。

執筆協力者PROFILE

大東文化大学・フェリス女学院大学講師/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。