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テムズ川沿いに位置する国家の象徴
ロンドン中心部のテムズ川沿いに位置するウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター・アビー(修道院)、そしてセント・マーガレット教会は11世紀に建てられた歴史的建築物として世界中に広く知られています。何世紀にもわたって共に変化してきたこれらの建築物は、英国王室と議会、そして教会の絡み合った歴史を物語っており、今も英国の社会と政治において極めて重要な役割を果たしています。宮殿とウェストミンスター・アビーは、11世紀に敬虔なキリスト教徒であったエドワード王によって建てられました。前者は現在国会議事堂として使用されており、後者は国王及び女王の戴冠式、結婚式などの王室行事の場として機能しています。
ロンドンのシンボル「ウェストミンスター宮殿」
ウェストミンスター宮殿は16世紀にヘンリー8世がロンドン市内のホワイトホールに王宮を移すまで国王の主な住居でした。しかし、1547年の寄進礼拝堂解散法によって国会議事堂として使われるようになります。1834年、大火により建物の大部分を焼失してしまったウェストミンスター宮殿ですが、1860年にゴシック・リバイバル様式で再建されました。ただし、ウェストミンスター・ホールだけは14世紀末の姿を今でも残しています。宮殿の北側にはロンドンのシンボルとも言える時計台「ビッグ・ベン」が高くそびえているのが印象深い建築物です。2012年にエリザベス女王(当時)即位60周年を記念し、正式名称が「クロック・タワー」から「エリザベス・タワー」へと改名されました。
神聖なる建築「ウェストミンスター・アビー」と「セント・マーガレット教会」
ウェストミンスター・アビーは、英仏のゴシック様式が混ざり合う建築物で、ウィリアム1世以来ほとんどの国王の戴冠式が執り行われてきました。また、中世以来の国王や政治家、戦没者などが埋葬されており、イギリス王室にとっても神聖な場所のひとつとされています。ここは日々の礼拝を支えているだけでなく、主要な国家の祝祭や文化行事が開催される教会でもあります。北側に隣接するセント・マーガレット教会は一般信者の礼拝所として設けられたもので、建物の大部分は1523年に再建されました。イギリス国家と王室とのつながりを象徴する建築物として現在もその役割を果たしています。
アクセス
ロンドン市内の地下鉄「ウェストミンスター」駅から徒歩で約2分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
Properties
ウェストミンスター宮殿
Palace of Westminster
ビッグ・ベン
Big Ben
ウェストミンスター・アビー
Westminster Abbey
セント・マーガレット教会
Saint Margaret’s Church
アクセス
ロンドン市内の地下鉄「ウェストミンスター」駅から徒歩で約2分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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