ヴィースの巡礼教会

華やかで色彩豊かなバイエルン・ロココの傑作

建築家ドミニクス・ツィンマーマンの指導の下、アルプスの麓の牧歌的な環境にバイエルン・ロココの最も洗練された作品のひとつです。教会は楕円形の平面を特徴とし、西側には半円形のナルテックス（玄関ホール）が設けられています。内部では、壁の前に配置された双柱が、気まぐれに形作られたコーニスや平坦なプロフィールを持つ木造アーチ型天井を支えています。この建築的特徴は、窓やオクルス（天窓）からの光が巧みに直接・間接的に拡散される二次的な内部空間を定義しています。東側には、上部と下部のギャラリーに囲まれた長く深い聖歌隊席があります。礼拝堂の特徴的な点は、芸術と田園風景の調和です。建築、彫刻、絵画、漆喰細工、彫刻、鉄細工など、すべての芸術形式と技術が、建築家によって完璧に統一された構成に融合され、光と形の透明な空間構造を作り出しています。

涙を流すキリスト像

ヴィース村は1738年、修道院のプレモントレ派修道士によってもはや崇拝されていなかった、柱に取り付けられたキリストの木像から涙が見られたという奇跡の舞台となったと言われています。一時的に奇跡の像を収容するため、畑に木造の礼拝堂が建てられました。 今日まで、「ヴィースの巡礼教会」は、多くの巡礼や礼拝を通じて祈りと崇拝の場として「生き続けて」います。シュヴァーベンの詩人ペーター・デルフラーはこれを次のように表現しました。「ヴィースはこの苦しみに満ちた世界の中の小さな天国です。」