ジャイプールのジャンタル・マンタル-マハラジャの天文台
さまざまな形の観測装置「ヤントラ」は、それぞれ異なる役割をもつ。奥に見える背の高い観測装置は日時計の「サムラート・ヤントラ」

遺産DATA

地域 : 西・南アジア 保有国 : インド 所在地 : Rajasthan, India 分類 : 文化遺産 登録年 : 2010年 登録基準 : (iii) (iv) 遺産の面積 : 0.018652㎢ バッファ・ゾーン : 0.046664㎢ 座標 : N26 55 29 E75 49 30

about

科学者でもあったマハラジャ、サワーイー・ジャイ・シング2世

18世紀初頭、ラージプート諸国の一つアンベール王国の藩王(マハラジャ)であったサワーイー・ジャイ・シング2世が建設した天体観測施設群です。彼は科学者でもあったので、山上のアンベール城から平地のジャイプールへ遷都するタイミングで、自身の居城シティ・パレスの一角に観測施設をつくりました。彼は他の北インドの領地5カ所にも同様の観測施設をつくりましたが、ここジャイプールのものが最も規模が大きく、かつ完全な形で保存されています。なお、ジャイ・シング2世が整備した新都ジャイプールは、『ラジャスタン州のジャイプール市街』として世界遺産に登録されており、ジャンタル・マンタルも含まれています。

レンズを使用せず肉眼で正確に観測

精密なレンズ技術などない時代でしたが、当時の最新技術を結集して、できるだけ正確な観測ができる設備をつくりました。最大のものは巨大な日時計「サムラート・ヤントラ」で、高さ27mの日時計の針の影が四分円形に彫られた目盛りを刻々と移動し、2秒単位で時間計測ができるものです。この影の動きは実際に見ることができます。また「ラーシ・ヴァラヤ・ヤントラ」という星座を観測して占星術に用いる観測機もあります。

アクセス

デリーから電車もしくはバスで約5時間。

執筆協力者PROFILE

細谷 正文
細谷 正文
大東文化大学・フェリス女学院大学講師/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。

遺産DATA

保有国 : インド
所在地 : Rajasthan, India
分類 : 文化遺産
登録年 : 2010年
登録基準 : (iii) (iv)
遺産の面積 : 0.018652㎢
バッファ・ゾーン : 0.046664㎢
座標 :N26 55 29 E75 49 30

アクセス

デリーから電車もしくはバスで約5時間。

執筆協力者PROFILE

細谷 正文
細谷 正文
大東文化大学・フェリス女学院大学講師/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。