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トゥランの寒冬砂漠群
Cold Winter Deserts of Turan
「トゥラン」とは、古代ペルシア帝国北東部の砂漠地帯を指す言葉で、現在のウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタンにまたがる広大な地域です。この地域には海抜0mより低い土地も多く「トゥラン低地」とも呼ばれます。そこに広がる寒冬砂漠は、夏は酷暑で乾燥し、冬は厳寒となり、年間降水量は300mm程度という極端な気候が特徴です。このような厳しい環境にも適応した動植物が生息し、生物多様性に富んでいます。植生では乾燥や塩分濃度の高い土地にも耐える植物が多く、砂漠地帯では灌木サクサウール、ツガイ林ではグミやタマリスクなどがみられます。動物相では絶滅危惧種サイガやコウジョウセンガゼルなど長距離移動を行う有蹄類や、多くの渡り鳥の休息地にもなっています。