落水荘
滝の上に建てられた建物。居間から直接川に降りることができる(©Rachel Beard/flickr/Public Domain)

ベアラン川の上流にある滝の上に建てられた別荘

落水荘はペンシルベニア州南西部、アレゲーニー山脈のミルラン村から南へ約6.5㎞の地点に位置しています。標高が高く、深い渓谷と数多くの滝が点在しており、多様な植物や野生動物が生息しています。エドガー・カウフマンとリリアン・カウフマン夫妻の週末の別荘として1935年に設計され、1936年から1939年にかけて建設されました。1937年に完成した本館は3階建てで、敷地内を流れるベアラン川の上流の滝の上に建てられています。各階には広々としたテラスが設けられ、地元の砂岩でできた巨大な煙突が、建物全体の印象を支えています。そのため、敷地内はもちろんのこと、建物内部にまで水の音が心地よく響き渡ります。

落水荘
周囲の自然と調和したたたずまいを特徴とする(©Jonathan Lin/flickr/CC BY-SA 2.0

室内外に自然を取り入れた建造物

建物の周囲は豊かな温帯林に囲まれています。柱と壁には、別荘からほど近い場所で採掘された石が使用されています。各階からは、鉄筋コンクリートを用いて岩棚から川床の上に向かって水平のバルコニーが張り出しており、それがそのまま別荘の居住空間の床となることで、屋内と屋外が一体となっています。また、床は小川の川底の石と質感が似た敷石で覆われています。家の基礎に使用されている巨石の上部は、リビングルームの暖炉の土台として自然なままの姿で現れており、この巨石が家を支える重要な役割を果たしています。さらに、天窓の下にある床を貫通して開くガラスのハッチは、小川に直接降りる吊り階段につながっており、室内と外の自然界を直接結びつけています。

落水荘
天窓や張り出したテラスによって、光や木々の影が建築空間と一体化している(©Jonathan Lin/flickr/CC BY-SA 2.0

執筆協力者PROFILE

アレセイア湘南高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。

執筆協力者PROFILE

アレセイア湘南高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。