構成資産DATA
都市の直線的な景観に新たな息吹を吹き込む円形の形状をした美術館
ソロモン・R・グッゲンハイム美術館は、1943年に設計され、1956年から1959年にかけて建造されました。ニューヨークのセントラルパークに面して建つこの美術館は、製鉄業で財を成したソロモン・R・グッゲンハイムの収集品を展示するために造られたものです。館内には印象派や後期印象派、モダンアート、現代美術を中心に、およそ2.500点もの作品が収蔵されています。建物は鉄筋コンクリート造で、主に3つの要素で構成されています。敷地の南側にある螺旋状のメインギャラリー「ロタンダ」、北側にある小ぶりな円形の管理棟「モニター」、そしてこれら2つの棟を繋ぐ水平な片持ち梁(かたもちばり)構造の橋です。この橋は建物の南側、西側、北側の2階部分を囲むように伸びています。なかでもロタンダは、カタツムリの殻のような螺旋状の外観で広く知られています。
世界中の近代美術館に影響を与えた構造と内部空間
内部は開放的な吹き抜け空間となっており、螺旋のスロープを5周しながら、地上29mの高さにある天窓付きの浅いドームへと続いています。実際の鑑賞ルートは、来館者がまずエレベーターで最上階のドームまで登り、そこから螺旋状の通路をゆっくりと下りながら絵画を楽しめるよう設計されています。このような動線とギャラリー空間の革新的な統合は、美術館でのひとときを単なる「芸術の体験」に留めず、「社交的な体験」としても捉えてほしいという意図から生まれました。来館者は、近代美術や現代美術の個々の作品をそれぞれ独立して鑑賞できるだけでなく、開放的な吹き抜け越しに反対側のギャラリーを眺めることで、作品同士の予期せぬ組み合わせや対比を楽しむこともできます。そのダイナミックなフォルムと壮麗な内部空間により、この建物はそれ自体が訪れるべき目的地となり、世界中の近代美術館の確固たる模範となりました。

執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。