アリー・カプー宮殿
イラン最古の高層建築であるアリー・カプー宮殿

広場を一望できるテラスや音楽堂まで備えている

アリー・カプー宮殿は、イマーム広場の西辺にある宮殿です。もともとこの場所にはティムール朝時代の宮殿があり、それをサファヴィー朝の第5代王・アッバース1世が現在の6階建て高さ38mの建物に改築しました。外側のテラスからは広場が一望でき、王はここから式典や競技を観覧したといわれています。最上階には「陶磁器の間」と呼ばれる空間があります。天井から壁はムカルナス(鍾乳石に似せた装飾)があしらわれており、壁面は瓶や壺の形にくり抜かれています。かつてはそこに陶磁器が飾られていました。この壁面の穴は単なる装飾だけでなく、部屋の音響調整をもたらす効果があり、陶磁器の間は音楽堂として機能していました。内部装飾も素晴らしく、複雑な細工やモザイク画に加えて、イラン芸術の粋といわれる人や動物をモチーフとした細密画(ミニアチュール)で飾られており、一見の価値ありと言えます。

陶磁器の間
陶磁器の間。壺や瓶の形にくり抜かれた壁面は、音響調整効果も兼ね備えていた(©Fotokon/Adobe Stock)

細密画
歴代王の好みが反映された宮殿内部は、鳥や人物の細密画で埋め尽くされている(©franco ricci/Adobe Stock)

執筆協力者PROFILE

大東文化大学・フェリス女学院大学講師/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。

執筆協力者PROFILE

大東文化大学・フェリス女学院大学講師/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。