かつての頂上への行き方の面影を残す
標高約551mの奇岩の上に立つヴァルラーム修道院は、14世紀に隠修士ヴァルラームが建てた隠遁所の跡に、1517年に建てられた修道院です。この修道院は、メテオラ最大のメガロ・メテオロン修道院に次ぐ規模の修道院であり、かつては縄はしごや巻き上げ機を使用しなければ修道院に入れませんでしたが、現在では断崖を削ってつくられた195の階段が存在し、容易に頂上まで行けるようになりました。修道院奥にはヴリゾニ(巻き上げ機)の塔が残り、縄はしごも岩山の頂から垂らされたままになっているのが印象深いです。

独特なフレスコ画を有する
ヴァルラーム修道院内部にあるフレスコ画は、他の修道院と比べて独特です。最後の審判や聖ヨハネの生涯の場面がある一方で、聖書の一場面でもある『黙示録』や『地獄の口』を描いたものもあり、これらは不気味な雰囲気を漂わせています。また、フランゴ・カステラノスによる16世紀の壁画や、修道士たちによって書かれた福音書の写本なども残っています。この修道院には中央にドームがあり、3カ所の張り出し部分が十字架の形をしています。この様式は同国の世界遺産『聖山アトス』にあるものと同じであるため、文化の交流が少なからずあったことも示唆されます。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
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世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。