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シテ島に始まるパリの歴史
パリの歴史は、セーヌ川に浮かぶシテ島から始まります。今はパリのシンボルのひとつとなっているノートル・ダム大聖堂が立つ、文字通りパリの中心となる島です。この島に紀元前3世紀頃からケルト系のパリシイ人が集落を作って暮らし始めました。その後、紀元前52年頃にガリア遠征中のカエサルが率いるローマ軍に侵略されるとローマ風の都市が築かれ、河川交通の重要拠点として発展しました。4世紀中頃にパリと呼ばれるようになり、彼らが話す言葉が現在のフランス語へと発展しました。
歴史的建造物が密集する世界遺産エリア
パリの街はセーヌ川の湾曲に沿って発展していきました。世界遺産には、上流のシュリー橋からエッフェル塔の前のイエナ橋までのセーヌ川沿いのエリアが登録されています。このエリアにはシテ島にあるノートル・ダム大聖堂やゴシック建築の傑作であるサント・シャペル、かつて王宮であったルーヴル美術館(ルーヴル宮)、ナポレオン1世の棺が納められたアンヴァリッド、パリ万博に向けて敷かれた鉄道の駅舎だったオルセー美術館など、世界に誇る建造物が密集しています。
世界の見本となった都市計画
1789年にフランス革命が起こると、パリを含むヨーロッパ全体が激動の時代を迎えます。その中で誕生した第二帝政のナポレオン3世は、好景気を背景に強いリーダーシップを発揮し、パリの大改造に着手しました。クーデターの際に軍隊を阻むバリケードがよく築かれた細い入り組んだ街路や暗く汚い建物をすべて取り壊し、いくつもの大通りを中心とする美しく整えられた街に大変身したのです。現在まで続く美しい街並への大改造を率いたのはセーヌ県知事のジョルジュ・オスマンでした。こうして生まれた近代都市パリは、ヨーロッパの国々の都市計画の手本となりました。
アクセス
日本から飛行機で約15時間。シャルル・ド・ゴール空港からパリ中心部まで鉄道またはバスで約60分。
執筆協力者PROFILE
北海道大学大学院博士後期課程を満期単位取得退学。仏グルノーブル第Ⅱ大学留学。2008年より現職。世界遺産に関するさまざまな書籍の編集・執筆・監修を手掛けるほか、「チコちゃんに叱られる!」(NHK)などの多くのメディア出演や、全国各地で100本を超す講演・講座を実施している。著書に『13歳からの世界遺産』(マイナビ出版)、『世界遺産のひみつ』(イースト・プレス)など。
Trivia
エッフェル塔は、フランス革命100周年を記念した1889年のパリ万博の目玉として建設されました。塔を建設したのは、ニューヨークの世界遺産『自由の女神像』の内部の鉄骨構造の作成で注目を集めていたギュスターヴ・エッフェル率いるエッフェル社です。彼らは建設のコンペティションには勝利しましたが、フランス政府から出された補助金は完成までにかかった建設費の20%弱に過ぎませんでした。そのため、エッフェル自身が金策に走り、多くの金額も自ら負担しました。その代わり、エッフェルは20年間のエッフェル塔の使用権が認められました。
Properties
アクセス
日本から飛行機で約15時間。シャルル・ド・ゴール空港からパリ中心部まで鉄道またはバスで約60分。
執筆協力者PROFILE
北海道大学大学院博士後期課程を満期単位取得退学。仏グルノーブル第Ⅱ大学留学。2008年より現職。世界遺産に関するさまざまな書籍の編集・執筆・監修を手掛けるほか、「チコちゃんに叱られる!」(NHK)などの多くのメディア出演や、全国各地で100本を超す講演・講座を実施している。著書に『13歳からの世界遺産』(マイナビ出版)、『世界遺産のひみつ』(イースト・プレス)など。
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