ヴルタヴァ川に架かる全長約515mの橋。定礎は「1357年7月9日5時31分」と伝えられる
王の命で築かれたヴルタヴァ川の橋
カレル橋は、チェコの首都プラハを流れるヴルタヴァ川に架かる、中世ヨーロッパを代表する石橋のひとつです。もともとこの場所には12世紀に建設された別の橋が架かっていましたが、1342年の洪水で被害を受けてしまいます。1357年、神聖ローマ皇帝カレル4世の命により新たな橋としてカレル橋の建設が始まり、15世紀初頭に完成しました。その後、橋は旧市街とプラハ城を結ぶ重要な役割を担い、商人や王族、巡礼者など多くの人々が行き交いました。全長およそ516mの橋には、17~18世紀を中心に設置された30体の聖人像が並んでいます。特に、14世紀のボヘミア司祭の聖ヤン・ネポムツキー像は有名で、像の台座に触れると幸運が訪れると言われていることから、観光客が多く訪れています。また、アジアで宣教を行ったフランシスコ・ザビエルの像があり、ザビエルを支える東洋人と思われる人物の姿も彫られています。カレル橋は中世に築かれた歴史的景観を今に伝える存在として、現在も多くの人々に親しまれています。

執筆協力者PROFILE
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
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