ツィタデッラ(要塞)
ゲッレールト山の頂上にそびえ、ブダ城からわずか約1㎞南の位置にある

市内を一望する山上の要塞跡

ツィタデッラ(要塞)は、ドナウ川を見下ろすゲッレールトの丘の頂上に築かれた要塞です。ゲッレールトの丘の名は、11世紀に丘の斜面から突き落とされて殉教した司教の名前に由来し、15世紀頃からこのように呼ばれるようになりました。現在の要塞は1848〜49年のハンガリー革命の鎮圧後にブダペストを監視・防衛する目的でオーストリア帝国によって建設されたものです。第二次世界大戦時には防空陣地や防空壕としても使用されました。戦後は観光地として整備され、敷地内には有名な「自由の像」が立ち、現在は歴史展示や展望台、公園などを備えた文化・観光の拠点としてリニューアルされています。なお、ツィタデッラはイタリア語で「城塞」を意味します。

「自由の像」
通称「自由の女神像」と呼ばれる解放記念碑はブダペストのシンボルのひとつ。写真は最も高い像の脇に立つ松明を掲げた人物像(©Roberto Berti PH/Adobe Stock)

要塞から垣間見える歴史

要塞は東西に細長く、半円形や五角の稜堡を組み合わせた構造でした。全長は220mに及び、城壁は厚さ約4m、高さ12~16mもありました。内部には砲台、兵舎、貯水施設などが配置され、防衛拠点として高い自立性を備えていました。要塞の北側部分には、城壁がV字型に開けている部分があります。これは1899年にオーストリア帝国軍の撤退後、ツィタデッラを抑圧の象徴とみなしていた市民が要塞の一部を解体した際の痕跡です。2020年以降大規模な改修工事が行われ、西側の円形の稜堡が分離されたほか、「自由の像」の立つ東側の城壁が一部取り払われ、巨大な階段が設けられました。

聖ゲッレールトの像
ゲッレールト山中腹には、非業の死を遂げたと伝わる地に、ハンガリー初の宣教師聖ゲッレールトの像が建つ(©jarek106/Adobe Stock)

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

2017年世界遺産検定1級合格。2018年世界遺産検定マイスター合格。2020年世界遺産アカデミー認定講師登録。福井県唯一の世界遺産アカデミー認定講師として、県内の公民館等での生涯学習講座講師として活動中。世界遺産プランニングチームpassword・『みんなで勉強会』リーダー。

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2017年世界遺産検定1級合格。2018年世界遺産検定マイスター合格。2020年世界遺産アカデミー認定講師登録。福井県唯一の世界遺産アカデミー認定講師として、県内の公民館等での生涯学習講座講師として活動中。世界遺産プランニングチームpassword・『みんなで勉強会』リーダー。