タリアセン
タリアセン・ウエストが建設された後は、夏季のスタジオとして利用された(©Warren LeMay/flickr/CC BY-SA 2.0

40年にわたり建設と改築が続いた

ウィスコンシン州スプリンググリーンにあるタリアセンは、フランク・ロイド・ライトの住居兼スタジオとして1911年に設計され、1911年から1959年にかけて建設および改築が行われました。1938年からはアリゾナ州に冬季用の第二の住居兼スタジオとしてタリアセン・ウェストが建設されましたが、こちらのタリアセンはその後もライトの夏の住居兼スタジオであり続けました。2度の大火災に見舞われたものの、その後に再建・拡張され、ライト自身の指揮のもとで半世紀以上にわたって発展を続けました。

周囲の丘と一体化した建物

タリアセンは、かつてライト一家が使用していた居住空間をはじめ、ゲストルーム、フランク・ロイド・ライト財団のスタッフや見習いのためのアパート、倉庫、カーポート、オフィス、製図スタジオ、地下貯蔵庫、庭園、テラスなどから構成されています。これらの施設群は合計で約3,437㎡におよび、全体が周囲の丘陵地と密接に一体化しています。建物の外装には地元ウィスコンシン産の石灰岩が使われており、煙突や壁面を構成する石灰岩と、木造のサイプレス(イトスギ)材の破風板(はふいた)や幅木、そして砂目仕上げのスタッコが交互に用いられています。また、屋根は杉板葺きとなっています。

タリアセン
ライトが好んだ、土やさびを思わせるアースカラー「チェロキー・レッド」が随所に用いられている(©Warren LeMay/flickr/CC BY-SA 2.0

地元産の素材を使用し、建築と景観の融合を目指した作品

内装にも外装と同様の素材が使われています。サイプレス材の床と石灰岩の舗装が交互に配置されているほか、サイプレス材は装飾や棚、キャビネットにも用いられています。さらに、ライト自身がこの建物の家具のほとんどをデザインしました。壁は砂目仕上げの漆喰で覆われており、石造りの通路が建物同士をつないでいます。こうした地元産の素材を使用することで、タリアセンにおける建築と景観の完全な融合がさらに際立っています。

執筆協力者PROFILE

アレセイア湘南高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。

執筆協力者PROFILE

アレセイア湘南高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。