景徳鎮の手工芸磁器産業遺産群
景徳鎮市街にある窯の遺跡

遺産DATA

地域 : 東・東南アジア 保有国 : 中華人民共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2026年 登録基準 : (ii) (iii) (iv) (vi) 遺産の面積 : 19.79㎢ バッファ・ゾーン : 55.457㎢ 座標 : N29 17 50 E117 12 7(景徳鎮市街)

about

中国の磁器生産の中心

中国中部の江西省にある景徳鎮は、陶石や高嶺土(カオリン)、窯の燃料となる森林資源、水運に恵まれた地域です。13~20世紀初頭まで、景徳鎮は中国における磁器生産の中心地として栄え、「磁都」と呼ばれました。1278年に、中央政府の磁器生産体制に組み込まれ、14世紀末から15世紀初頭には宮廷専用の磁器を焼く窯も設立されました。多くの職人や労働者が景徳鎮に集まり、分業化と専門化が進んだことで、効率的かつ高品質な磁器の大量生産が実現しました。18世紀には生産の最盛期を迎え、景徳鎮でつくられた磁器は世界各地へ輸出されました。こうした製品は世界の陶磁器産業の発展に大きな影響を与えました。とりわけ17~18世紀のヨーロッパで流行したシノワズリ(中国趣味)では、景徳鎮の磁器が盛んに収集され、絵画や家具、建築装飾など幅広い分野に影響を及ぼしました。

革新的な技術が生んだ高品質な磁器

景徳鎮では、さまざまな磁器生産技術が試行錯誤の上で生み出され、結果として中国を代表する磁器生産地となりました。例えば、原料の高嶺土(カオリン)と陶石を混ぜることで、磁器の焼成可能温度の範囲が広がり、高品質かつ大型で、複雑な磁器をつくれるようになりました。また、地形に合わせて開発されたひょうたんのような形の窯は、より高温で焼き上げることができ、大型磁器の製造や大量生産を可能としました。さらに、中国の伝統的な磁器製造技術に、中国国内や中東、ヨーロッパ由来の顔料や技法を取り入れることで、染付(青花)、琺瑯、粉彩といった技法による美しい磁器を生み出しました。こうした技術や様式は世界各地へ広まり、多くの窯業地に影響を与えました。

原料採掘から販売までを示す遺産群

世界遺産には、磁器生産の中心となった景徳鎮市街、宋代から元代にかけて青白磁の大規模生産を行っていた湖田窯、原料となる高嶺土や陶石の採掘遺跡、窯の燃料となる薪炭供給地の森林と、それを輸送する埠頭や橋梁などが登録されています。特に景徳鎮市街には、皇室専用の磁器を製造した「御窯」や、民間工房、磁器を取り扱う商店、同業組合の会館、寺院、祠堂、モスク跡などが残されています。また、原料や商品の輸送に利用された歴史的な道路や水運網も含まれています。原料の採掘地から工房、輸送網、流通・販売組織に至るまで、磁器の生産と流通の仕組み全体を一体的に示している遺産です。

アクセス

日本から北京を経由して、景徳鎮空港まで13時間~(乗り継ぎの時間による)。空港から市内までは車で約30分。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー研究員

東京外国語大学言語文化学部卒。在学中にパレスチナやヨルダンなど中東地域への留学を経験。大手メディア企業勤務を経て、2021年より現職。書籍やテレビ番組等の監修を行う。
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遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 2026年
登録基準 : (ii) (iii) (iv) (vi)
遺産の面積 : 19.79㎢
バッファ・ゾーン : 55.457㎢
座標 :N29 17 50 E117 12 7(景徳鎮市街)

アクセス

日本から北京を経由して、景徳鎮空港まで13時間~(乗り継ぎの時間による)。空港から市内までは車で約30分。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー研究員

東京外国語大学言語文化学部卒。在学中にパレスチナやヨルダンなど中東地域への留学を経験。大手メディア企業勤務を経て、2021年より現職。書籍やテレビ番組等の監修を行う。
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