春日大社
中門・御廊。奥には4柱の祭神をそれぞれ祀る4棟の本殿が並ぶ

構成資産DATA

地域 : 東・東南アジア 保有国 : 日本国 登録名 : 古都奈良の文化財

白鹿に乗って御蓋山に降臨した武神

古くから神が宿る山として人々の信仰を集めてきた春日山かさやま)の西麓に、春日大社は鎮座しています。国家鎮護の社として創建された春日大社は、山も含めると約30万坪(約100万㎡)にも及ぶ神域を有しています。その起源は、8世紀に武神として崇敬されるたけみかづちのみことが白鹿に乗って御蓋山に降臨したという伝承にあります。春日大社は藤原氏の氏神を祀っていることから、藤原氏や朝廷の篤い崇敬を受けて栄えました。平安時代に神仏習合思想が広まると、藤原氏の氏寺であった興福寺と一体化し、さらなる発展を遂げました。現在、毎年1月2日には、興福寺の僧侶が春日大社に参詣する社参式が行われており、神仏習合時代の神前読経の歴史を今に伝える行事となっています。

奈良時代に武甕槌命が白鹿に乗ってきたという伝承から、鹿は神の使いとして扱われている(©琢也 栂/Adobe Stock)

貴族や武士のみならず庶民も寄進した燈籠

春日大社の中心建物である本殿は4棟からなり、第1殿から第4殿が横一列に南面して建っています。現本殿は1863年に建てられたもので、創建当初の「春日造」と呼ばれる社殿建築を伝えています。なお、20年ごとの「式年造替」はこれまでに60回を数え、同等の数を記録するのは、ほかに伊勢神宮のみです。また、境内では多様な形の釣燈籠や石燈籠を見ることができます。その数は約3,000基とも言われ、貴族や武士だけでなく庶民の寄進も多くありました。燈籠を社寺の参道に並べる風習は春日大社から始まったとされており、全国に現存する室町以前の燈籠の7割近くはここに集中しているとされています。毎年2月の節分の日と8月14・15日にはすべての燈籠に灯りがともされる「万燈籠」の神事が営まれています。

燈籠
東回廊の約1,000基の釣燈籠は、節分と8月の万燈籠で火が灯される(©ndk100/Adobe Stock)

執筆協力者PROFILE

記者(フリーランス)/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。

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執筆協力者PROFILE

記者(フリーランス)/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。