シャルロッテンホーフ宮殿
宮殿と周辺の建築は、古代ローマのヴィラやポンペイの住宅などから着想を得ている(©Bärwinkel,Klaus/Wikimedia Commons/CC BY 3.0

国王から皇太子夫妻へのクリスマスプレゼント

サンスーシ宮殿の南西には、新古典主義様式で建てられた小さな「シャルロッテンフォーフ宮殿」があります。1825年、プロイセン国王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世は、皇太子フリードリヒ・ヴィルヘルム4世とその妻エリザベート・フォン・バイエルンへのクリスマスプレゼントとして、サンスーシ公園南西の土地を購入しました。1826年から1829年にかけて、皇太子夫妻の命を受けた建築家カール・フリードリヒ・シンケルと造園家ペーター・ヨーゼフ・レンネによって、この土地にあった邸宅は、イギリス庭園を持つ平屋建ての古典主義様式の夏の宮殿へと改築されました。

計算し尽くされた庭園と古代イタリア風の建築

造園家ペーター・ヨーゼフ・レンネは、シャルロッテンホーフ宮殿のすぐ近くに、朝日があたるバラ園から始まり、昼の日差しを浴びるテラス、そして夕方から夜の時間を楽しむための木立や大理石の彫像へと続く庭園を造りました。地形の変化や木立、建物の配置など、すべてが計算し尽くされており、人工池も見事にこの庭園に調和しています。また、宮殿は古代ローマ建築の影響を受け、素朴なたたずまいを見せいています。ポンペイやヘルクラネウム(エルコラーノ)の発掘に魅了された建築家シンケルは、古代の住宅に見られる壁面装飾を参考にしました。こうした意匠は、当時の市民階級の邸宅のような外観や、シンケルがデザインした温かみのあるビーダーマイヤー様式の家具にもよく表れています。部屋ごとに異なる素材や多彩な色づかいも特徴的で、なかでも青と白の縞模様の角部屋は、テントの内部を再現しています。

内と外の一体感を作り出す光と水の流れ

シャルロッテンフォーフ宮殿の北側には、外にせり出した半円形のガラス張りの空間があります。全面の窓から差し込む光や豊かな緑は、室内にいながらにして、まるで庭園の中にいるかのような一体感を作り出しています。さらにこの窓からは、庭園の噴水の水が宮殿の脇を通り、柱廊、緑豊かな植物のトンネル、階段状のテラス、そして半円形のベンチが置かれている休憩場所へと流れていく様子を見ることができます。

執筆協力者PROFILE

高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

兵庫県出身。中学3年生の夏休みの台湾ひとり旅をきっかけに、旅行先の歴史・景色・料理など、世界を知る魅力のとりこになる。「世界遺産を学習して見て感動して」をモットーに活動。全国通訳案内士の資格も有し、日本の魅力も発信している。
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兵庫県出身。中学3年生の夏休みの台湾ひとり旅をきっかけに、旅行先の歴史・景色・料理など、世界を知る魅力のとりこになる。「世界遺産を学習して見て感動して」をモットーに活動。全国通訳案内士の資格も有し、日本の魅力も発信している。
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