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カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林
Ancient and Primeval Beech Forests of the Carpathians and Other Regions of Europe
ヨーロッパの広範囲に広がる10種のブナ原生林は、氷河期後期からの生物進化やブナの分化の過程が知れる貴重な遺産です。ブナの他にもヨーロッパナラをはじめ、絶滅の危機に瀕した80種を含む1,067種の植物や101種の鳥類、73種の哺乳類などが登録地に生息しています。また、広大な森林には、IUCNのレッドリストにも記載されているキンメフクロウも生息しています。2007年にスロバキアとウクライナの世界遺産として登録されましたが、その後、登録範囲が順次拡大されていきました。この地のブナ原生林は、現存するヨーロッパブナ(ファグス・シルヴァティカ)の原生林として世界最大であり、その中には世界最樹高のブナの標木も含まれています。
ラヴノのヴィエトレニツァ洞窟
Vjetrenica Cave, Ravno
ヴィエトレニツァ洞窟は、バルカン半島に延びるディナル・アルプス山脈の一部で、ボスニア・ヘルツェゴビナ南端のポポヴォ・ポリェからアドリア海まで広がるカルスト地帯に位置します。全長は7,323.9mあり、ボスニア・ヘルツェゴビナで2番目に長い洞窟です。その存在は古くから知られ、1世紀のローマ帝国時代には、博物学者プリニウスが77年に著した『博物誌』で洞窟に言及しています。19世紀末に科学調査が本格的に始まりました。この洞窟は、世界でも有数の地下生物の多様性を誇り、固有種や適応放散、「生きた化石」と呼ばれる遺存固有種も見られます。また、洞穴生物、特に地下水生動物にとっての世界で最も重要な生物多様性ホットスポットのひとつでもあります。