ボックの砲台
日本では「ボックの砲台」と呼ばれるが、実際にはルクセンブルク市発祥の地とされるボックの岩山を掘って築かれた地下要塞

「北のジブラルタル」と呼ばれる要塞都市

963年、ジークフリート伯爵が「ボックフェルゼン」と呼ばれる岩山に小さな城を築きました。この城が、後のルクセンブルクの礎となります。「ボックの砲台」は数kmにわたる地下トンネル(カズマット)を巡らせた巨大な要塞です。スペイン統治下の17世紀から掘削が始まって以降、2度にわたって拡張され、18世紀半ばにはオーストリア人によってさらに強固なものへと整備が進められました。その重要性と堅牢さから「北のジブラルタル」とも呼ばれています。

要塞内部
要塞内部には、大砲を置く砲室のほか、兵士を収容する通路、牢獄などが設けられた(©Max Maximov/Adobe Stock)

岩山の城に残る美しきメルジーナの伝説

伝説によると、メルジーナはジークフリート伯爵の妻で、岩山ボックフェルゼンに建つ城で暮らしていました。結婚する際、メルジーナは夫にある条件を出します。それは、「特定の曜日とその夜だけは、絶対に自分の姿を見ないでほしい」というものでした。しかしある日、好奇心を抑えきれなかったジークフリートは、部屋の鍵穴から妻の様子を覗き見してしまいます。そこで彼が目にしたのは、魚の尾を揺らす入浴中の妻の姿だったのです。秘密を知られたことに気づいたメルジーナは、そのままアルゼット川へと身を投じ、永遠に姿を消してしまいました。

執筆協力者PROFILE

高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

兵庫県出身。中学3年生の夏休みの台湾ひとり旅をきっかけに、旅行先の歴史・景色・料理など、世界を知る魅力のとりこになる。「世界遺産を学習して見て感動して」をモットーに活動。全国通訳案内士の資格も有し、日本の魅力も発信している。
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高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

兵庫県出身。中学3年生の夏休みの台湾ひとり旅をきっかけに、旅行先の歴史・景色・料理など、世界を知る魅力のとりこになる。「世界遺産を学習して見て感動して」をモットーに活動。全国通訳案内士の資格も有し、日本の魅力も発信している。
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