レマン湖畔の小さな家
フランスと国境を接するレマン湖のほとりにある。広さは約40畳ほど(©Schwizgebel/Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0

敷地にぴったりと収まる小さな家

「ヴィラ ル・ラック(湖畔の家)」と呼ばれるこの住宅は、1923年から1924年にかけて、建築家ル・コルビュジェが両親のためにスイス西部のレマン湖畔に建てたものです。「最小限の住宅」と「多くの人々のための住まい」という課題に、初めて本格的に取り組んだ作品として知られています。約300㎡の塀に囲まれた敷地の中に、長さ約20m、幅約4m、延べ床面積64㎡の小さな平屋が建てられました。ル・コルビュジエはこの住宅について、「平面は敷地にぴったりと収まり、まるで手が手袋に収まるように土地と一体化している」と表現しています。

絵画のように壮大な景色を切り取る大きな窓

小さな家の内部は、ル・コルビュジエの提唱した「住宅は住むための機械である」という考えにもとづき、それぞれの部屋が機能的に設計されています。この住宅では、彼が後に発表する「近代建築の五原則」のうち、「屋上庭園」「自由な平面設計」「水平連続窓」の3つが取り入れられています。なかでも、湖に面した全長11mの横長の水平連続窓は、この住宅を象徴する特徴です。レマン湖とアルプスの壮大な景色を絵画のように切り取って見せる技法に挑戦し、建築が周囲の環境とどのように関わるべきかという新たな考え方を示しています。「建築そのものを見せるのではなく、窓によって切り取られた自然の風景を主役にする」というル・コルビュジエの思想が表れています。

レマン湖畔の小さな家
湖とアルプスの眺望を、まるで絵画のように切り取る中庭の窓(©dsdsA/flickr/CC BY-SA 2.0

執筆協力者PROFILE

高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

兵庫県出身。中学3年生の夏休みの台湾ひとり旅をきっかけに、旅行先の歴史・景色・料理など、世界を知る魅力のとりこになる。「世界遺産を学習して見て感動して」をモットーに活動。全国通訳案内士の資格も有し、日本の魅力も発信している。
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兵庫県出身。中学3年生の夏休みの台湾ひとり旅をきっかけに、旅行先の歴史・景色・料理など、世界を知る魅力のとりこになる。「世界遺産を学習して見て感動して」をモットーに活動。全国通訳案内士の資格も有し、日本の魅力も発信している。
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