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アゼルバイジャン共和国 | 世界遺産一覧

(文化遺産)

キナリグ人の文化的景観と移牧の道「カッチ・ヨル」

Cultural Landscape of Khinalig People and “Köç Yolu” Transhumance Route
キナリグ人の文化的景観と移牧の道「カッチ・ヨル」
キナリグ人の文化的景観と移牧の道「カッチ・ヨル」は,アゼルバイジャン北部の大コーカサス山脈に位置するキナリグ村と,夏営地(ヤイラク)および段々畑,さらにアゼルバイジャン中部の低地平野にある冬営地(キシュラク),そしてそれらを結ぶ200kmに及ぶ季節的な移牧ルート「カッチ・ヨル」から成る,連続した文化的景観です。標高約2,200mのキナリグ村は,半農半牧生活を営むキナリグ人の故郷であり,彼らの文化と生活様式は,ヤイラクとキシュラク間の季節的な垂直移動によって特徴づけられています。キナリグ人は,古代から伝わる長距離の移牧の方法を現在も受け継いでいます。
地域: 西・南アジア / 国名: アゼルバイジャン共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2023年 / 登録基準: (iii)(v)
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ゴブスタン・ロック・アートの文化的景観

Gobustan Rock Art Cultural Landscape
ゴブスタン・ロック・アートの文化的景観
アゼルバイジャン中部の半砂漠地帯に位置するゴブスタンは、巨石に彫られた岩絵の宝庫です。1930年に発見され、その後本格的な調査が行われました。最終氷期以降、数万年にわたって描かれた保存状態の良い岩絵が6,000点以上残されており、有史以前の狩猟の様子や動物、植物、生活様式などが表現されています。写実的な描写を特徴とするこれらの絵には、当時この地が湿潤だった時代に生息していたと考えられるスイギュウやヤギなどの野生動物、実物よりも大きく描かれた人間、船などが題材となっています。狩猟の場面や、シカなどの動物を生贄とした宗教的あるいは呪術的な集団儀式の様子を描いたものもあり、先史時代の人々の生活様式や信仰形態を伝えています。また、この一帯には最終氷河期以降、旧石器時代後期から中世にかけてこの地に暮らしていた人々の洞窟住居や埋葬地などの遺跡も点在しています。
地域: 西・南アジア / 国名: アゼルバイジャン共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2007年 / 登録基準: (iii)
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ハーンの宮殿のあるシェキの歴史地区

Historic Centre of Sheki with the Khan’s Palace
ハーンの宮殿のあるシェキの歴史地区
カフカス山脈東部の南側斜面に位置する歴史都市シェキは、紀元前6世紀にまで遡る古い歴史を持っています。現在の歴史地区は、1772年の土砂洪水の後、それまでの場所より東にある山間の谷の高台に再建されました。重要な交易路に接していることから、多様な文化的影響を受けてきました。キリスト教は1世紀にはすでに伝わり、イスラーム教は7世紀に広まりました。18世紀まで、シェキはサファヴィー朝、オスマン帝国、カージャール朝など、さまざまな勢力の支配下にありました。1743年には、コーカサス地方で最初かつ最も強力なハーン国として独立し、その後19世紀初頭にはロシアの支配を受けました。こうした多様な文化の影響は建築にも見られます。ハーンの宮殿には、ムカルナスなどのイスラーム建築技法、美しい中庭、そしてヨーロッパから持ち込まれたガラスを釘や接着剤を使わずに木で格子状に組み込んだステンドグラス「シェベケ」など、18世紀アゼルバイジャン建築の粋が凝縮されています。
地域: 西・南アジア / 国名: アゼルバイジャン共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2019年 / 登録基準: (ii)(v)
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