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ヴァティカン市国
Vatican City
キリスト教世界で最も神聖な場所のひとつであるヴァティカン市国は、約2,000年の歴史とカトリック教会の精神性の証として存在しています。ローマ教皇を国家元首とするこの国は人口800人、総面積0.44km2と世界最小の独立国でありながら、国全体が世界遺産に登録されている唯一の場所です。サン・ピエトロ大聖堂の立つヴァティカンの丘は、イエス・キリストの最初の弟子であり初代教皇でもある聖ペテロの墓所であったとされています。4世紀になると、ローマ帝国皇帝として最初にキリスト教を保護したコンスタンティヌス1世の命により、バシリカ式の教会堂が建てられました。主要な巡礼地でもあるヴァティカンは、キリスト教の歴史と直接的に結びついているのみならず、ルネサンスやバロック美術の理想であり、模範的な創造物でもあります。
ローマの歴史地区と教皇領、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂
Historic Centre of Rome, the Properties of the Holy See in that City Enjoying Extraterritorial Rights and San Paolo Fuori le Mura
ローマは、「ローマの七丘」のひとつパラティーノの丘で紀元前753年に建国されたと伝わります。その後、共和制を経て、地中海沿岸から西アジア、グレートブリテン島南部までを支配する大帝国となりました。しかし、拡大しすぎた繁栄はやはり終わりを迎えます。395年にローマ帝国が東西に分割すると次第に都市としてのローマの重要性は薄れていきました。再び脚光を浴びるのはローマ教皇領としてルネサンスの中心地のひとつとなってからのことです。強大な力をもつ教皇の下、ミケランジェロなどの芸術家が活躍し、芸術の都として教皇の威光を示しました。世界遺産には、教皇ウルバヌス8世が築いた城壁の内部と、唯一城壁の外にあるサン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂を含む、サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ聖堂の3つのヴァティカン市国直轄の聖堂も含まれています。