World Heritage Sites

世界遺産一覧

("農業"関連)

アープラヴァシ・ガート

Aapravasi Ghat
アープラヴァシ・ガート
モーリシャスの首都ポートルイスに位置する「アープラヴァシ・ガート」は契約労働システムの発祥の地です。アープラヴァシ・ガートには多くの移民がサトウキビ農園での労働者として送り込まれました。移民の大半はインドからの移民でした。これらの年季労働者の3分の1は祖国に帰国するか、別の地へ移住しましたが、3分の2はモーリシャスに永住しました。現在のモーリシャスの人口の70%は当時の移民の子孫たちであり、この地は彼らの記憶や伝統等も表す、モーリシャスのアイデンティティの象徴にもなっています。
地域: アフリカ / 国名: モーリシャス共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2006年 / 登録基準: (vi)
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アフラージュ-オマーンの灌漑システム

Aflaj Irrigation Systems of Oman
アフラージュ-オマーンの灌漑システム
アフラージュとは、井戸の底を横穴でつなげた灌漑システムのことです。そのもととなるファラジ(アフラージュはファラジの複数形)はオマーンに約3,000あると言われています。その歴史は古く、紀元前2500年頃から存在していたという説もあります。アフラージュでは地下水や地表水などの限られた水資源が収集され、家庭用およびナツメヤシを含めた農業用水として公平に分配されました。その際、日時計などで各水路に水を流す時間を管理していました。このあたりは年間降水量が非常に少ないため、水の分配は命に関わることでした。先人たちの知恵により造られたこれらの灌漑施設は、今でも現役で稼働しており、重要な役割を果たしています。
地域: 西・南アジア / 国名: オマーン国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2006年 / 登録基準: (v)
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アマルフィ海岸

Costiera Amalfitana
アマルフィ海岸
ソレントからサレルノに至る約30kmにわたる絶景の海岸線とその街並みが世界遺産に登録されています。この町は中世初期から漁村群にはじまり、そそり立つ岩壁に沿うように家屋や吊り橋、風の塔などが作られ、町として発展していきました。限られた平坦な土地にはワインになるブドウ畑やレモン畑が作られ、海岸線と町と相まった文化的景観も評価されています。アマルフィは、9世紀から11世紀にかけて海洋貿易によって繁栄した海洋国家でした。イスラムの国々とも貿易を通して交流し、家々が迷路のように路地や階段でつながった様子は、トルコのスークのよう。漁師の守り神・聖アンドレアに捧げられた「アマルフィ大聖堂」や、「聖アンドリュー大聖堂」は「アラブ・ノルマン」様式として知られる東洋と西洋の要素の融合が見て取れます。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1997年 / 登録基準: (ii)(iv)(v)
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アル・アハサ・オアシス:進化する文化的景観

Al-Ahsa Oasis, an Evolving Cultural Landscape
アル・アハサ・オアシス:進化する文化的景観
アラビア半島東部に位置するアル・アハサ・オアシスは紀元前の新石器時代から人々が住んでいることが証明されている、世界最大のオアシスです。また、250万本ものナツメヤシが生育し、1960年代に大量生産技術が導入されるまでは、世界最大のナツメヤシ生産地でありました。今でもナツメヤシはこの地の人々にとっては主食であり、地元住民はナツメヤシの包装や販売、流通に深く携わっています。また、このオアシスには庭園や運河、農業用排水湖など12の構成資産が残り、素晴らしい文化的景観が広がっています。
地域: 西・南アジア / 国名: サウジアラビア王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2018年 / 登録基準: (iii)(iv)(v)
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アルト・ドウロのワイン生産地域

Alto Douro Wine Region
アルト・ドウロのワイン生産地域
ポルトガル北部の港湾都市ポルトから北に100㎞ほどのドウロ川上流に位置するアルト・ドウロ地域では、2,000年前から伝統的な方法でワインが醸造されています。ここは、夏は暑く冬は寒冷で雨量が少ないという気候です。その自然環境がワインのブドウ栽培に適していました。何世紀にもわたり、起伏の激しい傾斜地にブドウの苗木を植えるための場所が整備され、さまざまな工夫を重ねて段々畑が築かれてきました。アルト・ドウロ地域は、広大な段々畑と、村々に点在するワイナリーや教会、道路など住民の暮らしも溶け込んで、唯一無二の景観を生み出しています。
地域: ヨーロッパ / 国名: ポルトガル共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2001年 / 登録基準: (iii)(iv)(v)
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ヴァッハウ渓谷の文化的景観

Wachau Cultural Landscape
ヴァッハウ渓谷の文化的景観
ドイツ南部から中・東欧を抜けて黒海へと注ぐドナウ川の流域のうち、オーストリア北東部の都市メルクとクレムスの間に広がるヴァッハウ渓谷は、特に風光明媚なことで知られ、訪れる人に感動を与えてくれます。この地域の歴史は非常に古く、先史時代の遺物が数多く出土しており、ガルケンベルクでは約3万2,000年前の、ヴィレンドルフでは約2万6,000年前のものと推定される像が発見されています。その後の青銅器時代、鉄器時代を経て、ケルト人の王国ノリクムや、ローマ帝国の国境都市マウテルンが置かれるなど、歴史の舞台となりました。中世にはバーベンベルク家の支配下で町や修道院が発展し、11〜12世紀には現在の街の基礎が築かれました。ヴァッハウはドイツ叙事詩『ニーベルンゲンの歌』にも登場し、地域の歴史的重要性を物語っています。
地域: ヨーロッパ / 国名: オーストリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (ii)(iv)
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ウンム・アル・ジマール

Umm Al-Jimāl
ウンム・アル・ジマール
ヨルダンの首都アンマンの北東80㎞ほどのところに位置するウンム・アル・ジマールには、ビザンツ期と初期イスラーム期における農村集落の遺跡があります。もともとこの地域はナバテア王国の一部でしたが、2世紀にはローマ帝国によってアラビア属州に併合されました。3世紀に入ると街は破壊されてしまいますが、5世紀頃から8世紀末にかけ、農業と交易で栄えました。ウンム・アル・ジマールは、直訳すると「ラクダの母」を意味します。その名称は、ここでキャラバンの一部にラクダが使われていたことに由来するそうです。
地域: 西・南アジア / 国名: ヨルダン・ハシェミット王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2024年 / 登録基準: (iii)
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エーランド島南部の農業景観

Agricultural Landscape of Southern Öland
エーランド島南部の農業景観
スウェーデン南東部バルト海に浮かぶエーランド島の南部には、先史時代から現代に至るまで、人々が農業とともに生きたことを伝える景観が残っています。石灰岩質の痩せた土壌にもかかわらず約5,000年もの間、人々はこの島の地形に適応しながら暮らしてきました。現在見られる農業景観や地域社会には、鉄器時代にまで遡る土地利用・区分、地名といった独自の文化的伝統が残されています。また、青銅器時代や鉄器時代の墓所や、16~18世紀につくられた大小400基もの風車も残っています。島民は現在でも、何世代にも渡って耕されてきた土地を耕し、何千年と受け継いできた牧草地で家畜の放牧を行っています。この類稀な文化継承は「生きた農業景観」として将来世代へ受け継ぐ重要性を語っています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スウェーデン王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (iv)(v)
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普洱(プーアル)の景邁山古茶林の文化的景観

Cultural Landscape of Old Tea Forests of the Jingmai Mountain in Pu’er
普洱(プーアル)の景邁山古茶林の文化的景観
中国南西部の雲南省普洱(プーアル)市にある景邁(けいまん)山は、普洱茶の原産地と考えられている場所です。10~14世紀頃にこの地へ移り住み、野生の茶樹を発見した少数民族の布朗族(プーラン族)と傣族(タイ族)は、自然林の一部の樹木と低木を間引きし、そこに茶樹を植える林下栽培という手法で茶の生産を行ってきました。古茶林は高木層、低木層、草本層の3つに分かれ、茶樹は主に低木層に生育します。森林の生態系を生かし、普洱茶の生育に理想的な環境をつくり出しました。また、布朗族と傣族がもつ茶祖信仰や伝統的な儀式は、千年以上にわたり古茶林の景観を維持するのに重要な役割を果たしてきました。布朗族と傣族は景邁山に定住し茶樹を発見して栽培を始めた先祖を「茶祖」として崇拝しており、毎年4月に茶祖に祈りを捧げる祭りがとり行われています。世界遺産には古茶林のほか、集落や防護林なども登録されています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2023年 / 登録基準: (iii)(v)
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エルチェの椰子園

Palmeral of Elche
エルチェの椰子園
スペイン地中海沿岸、バレンシア地方南部の街エルチェには、かつてイベリア半島を支配したイスラム教徒によってつくられた椰子園があります。67の果樹園によって構成されており、中東・北アフリカ原産のナツメヤシが約4万5,000本も植えられています。中には、高さ30m以上に成長し300年以上も生き続けている個体もあります。用水路に沿ってヤシの木が1~2列で並んでおり、イスラムの高度な灌漑技術も垣間見えます。ここで育った白色のヤシの葉は、イベリア半島各地で装飾や棕櫚の主日(聖枝祭、エルサレム入城の日)の用途として広く利用されています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (ii)(v)
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オーストラリアの囚人収容所遺跡群

Australian Convict Sites
オーストラリアの囚人収容所遺跡群
『オーストラリアの囚人収容所遺跡群』は、18世紀から19世紀に大英帝国によってオーストラリアにつくられた約3,000の刑務所のうち、ポート・アーサーの刑務所、カスケーズ女子工場、ダーリントン保護観察所、フリーマントル刑務所など11の施設で構成されています。当時のオーストラリアは大英帝国の流刑地で、1787年から1868年までの約80年の間に、約17万人もの成人男女や子どもが囚人としてオーストラリアに送られ、港や道路、農地、造船所の建設などインフラ整備に従事させられました。
地域: オセアニア / 国名: オーストラリア連邦 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2010年 / 登録基準: (iv)(vi)
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オリーヴとワインの土地-バッティールの丘:南エルサレムの文化的景観

Palestine: Land of Olives and Vines – Cultural Landscape of Southern Jerusalem, Battir
オリーヴとワインの土地-バッティールの丘:南エルサレムの文化的景観
エルサレムの南西7kmに位置するバッティールの丘は、ウィディアンと呼ばれる一連の農地で構成されており、石積みの段々畑が特徴です。豊富な地下水を利用した灌漑システムが施されており、市場向けの野菜が生産されている畑もあれば、乾燥した土地ではオリーヴやブドウなども栽培されています。この土地では、古くから灌漑施設によって各家族に平等に水資源が分配されるシステムが伝統として続いています。本遺産は、傾斜地における人類の居住と農業の発展、土地への適応などを示す景観として貴重な価値を持っています。
地域: 西・南アジア / 国名: パレスチナ国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2014年 / 登録基準: (iv)(v)
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オリンダの歴史地区

Historic Centre of the Town of Olinda
オリンダの歴史地区
16世紀にポルトガル人によって設立されたオリンダは、ブラジル北東部のペルナンブーコ州にある歴史的な都市です。豊かな自然景観の中に、植民地時代に建設された建物や教会、修道院などが調和して配置されています。この独特な景観は、オランダ植民者による略奪と破壊、そしてその後の再建を経て形成されました。この都市構造は18世紀まで遡り、現在もその姿を保ち続けています。
地域: 南米 / 国名: ブラジル連邦共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1982年 / 登録基準: (ii)(iv)
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オルチア渓谷

Val d'Orcia
オルチア渓谷
この地域の歴史は古く、紀元前のエトルリア時代にまで遡り、ローマ帝国の時代に発展していきました。この頃は農業と牧畜の生産量が減少し、多くが放棄されていきますが、10世紀から11世紀にかけて、経済の復興とともにローマと北イタリアを結ぶ重要な宗教および貿易ルートとして使用され、封建制度の下で修道院が造られ、そして街道沿いに村が出来ていきました。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2004年 / 登録基準: (iv)(vi)
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カルメル山の人類の進化を示す遺跡群:ナハル・メアロット/ワディ・エル・ムガラ洞窟

Sites of Human Evolution at Mount Carmel: The Nahal Me’arot / Wadi el-Mughara Caves
カルメル山の人類の進化を示す遺跡群:ナハル・メアロット/ワディ・エル・ムガラ洞窟
カルメル山脈西斜面にある本遺跡群は、タブーン、ジャマル、エル・ワド、スフールの4つの洞窟から構成されています。90年にわたる考古学的研究の結果、この54ヘクタールの敷地から、前期旧石器時代のアシュール文化から後期旧石器時代に至るまで、少なくとも50万年にも及ぶ人類の進化を示す文化堆積物が発見されました。これは世界でも類を見ない長期的な文化の連続性を示すもので、南西アジアにおける初期の人類の記録となっています。本遺跡は、人類進化全般、特にレバント地方の先史時代に関する極めて重要な遺跡となっています。
地域: 西・南アジア / 国名: イスラエル国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2012年 / 登録基準: (iii)(v)
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キナリグ人の文化的景観と移牧の道「カッチ・ヨル」

Cultural Landscape of Khinalig People and “Köç Yolu” Transhumance Route
キナリグ人の文化的景観と移牧の道「カッチ・ヨル」
キナリグ人の文化的景観と移牧の道「カッチ・ヨル」は,アゼルバイジャン北部の大コーカサス山脈に位置するキナリグ村と,夏営地(ヤイラク)および段々畑,さらにアゼルバイジャン中部の低地平野にある冬営地(キシュラク),そしてそれらを結ぶ200kmに及ぶ季節的な移牧ルート「カッチ・ヨル」から成る,連続した文化的景観です。標高約2,200mのキナリグ村は,半農半牧生活を営むキナリグ人の故郷であり,彼らの文化と生活様式は,ヤイラクとキシュラク間の季節的な垂直移動によって特徴づけられています。キナリグ人は,古代から伝わる長距離の移牧の方法を現在も受け継いでいます。
地域: 西・南アジア / 国名: アゼルバイジャン共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2023年 / 登録基準: (iii)(v)
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キューバ南東部におけるコーヒー農園発祥地の景観

Archaeological Landscape of the First Coffee Plantations in the South-East of Cuba
キューバ南東部におけるコーヒー農園発祥地の景観
キューバがスペインの植民地だった19世紀につくられた、初めてのコーヒー農園の跡です。世界遺産に登録された範囲は、東京23区の総面積の約1.3倍の814.75㎢にもおよびます。171のプランテーションからなる広大な敷地には、所有者の家、水道橋、製粉所、発酵タンク、乾燥小屋のほか、加工したコーヒー豆を市場に運ぶための道路なども含まれ、開拓当時のコーヒー生産と、農業技術を示す文化的景観が残されています。コーヒー農園は20世紀まで続けられましたが、他国の新しい生産の手法におされ、やがてキューバでの生産は衰退していきました。現在は、農園のオーナーの屋敷跡や農園跡地が点在しています。19世紀に本格化したコーヒー農園の経営は、原生林を開拓した当時の農業形態を今に伝える世界で唯一の遺構とされています。
地域: 中米・カリブ海 / 国名: キューバ共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (iii)(iv)
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キンデルダイク-エルスハウトの風車群

Mill Network at Kinderdijk-Elshout
キンデルダイク-エルスハウトの風車群
ロッテルダム南東に位置するキンデルダイクとエルスハウトに、18世紀に建造された19基の排水用風車は、低地で暮らす人々が水害と共生してきた創意・工夫の歴史を伝えています。オリエントに起源を持つ風車は、12世紀頃に十字軍によってオランダに伝えられたとされています。当初は製粉用に使われましたが、やがて排水用に改良され、18世紀半ばに排水用風車がつくられました。風車は水害を防ぐだけでなく、湿地帯を農地や牧草地に変え、オランダを農業大国に変貌させました。
地域: ヨーロッパ / 国名: オランダ王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1997年 / 登録基準: (i)(ii)(iv)
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ククの古代農耕遺跡

Kuk Early Agricultural Site
ククの古代農耕遺跡
オーストラリア大陸の北、パプアニューギニアの南部に位置するククの古代農耕遺跡は、7,000~6,400年前頃に植物の利用から農業へと転換した技術革新を示しています。海抜1,560mのクク湿地帯は、ニューギニア高地の山間の谷に位置しています。ここに人類は2万5,000年前頃の更新世後期に定住したと考えられています。30年にわたる遺跡の発掘調査によって、少なくとも7,000年前、おそらくは1万年前までには、この遺跡で耕作が行われていた証拠が見つかっています。また、7,000年前から4,000年前までの間に、自生している植物の採集から、排水された畑での体系的な農業へと、独自の大きな進化が起こったことが明らかになっており、これはオセアニアにおける植物の栽培化に関する最古の証拠です。サトイモ、ヤムイモ、その他のデンプン質の食物の加工に関わる石器も発見されており、この地域の住民は大きな土塁の上でバナナとヤムイモを栽培し、土塁の縁などでは湿った地面に耐えられるタロイモを栽培していたようです。バナナの中には、後に世界最大の栽培化されたバナナの元となった野生種も含まれていました。最近の遺伝子研究は、バナナが当初ニューギニアで栽培化され、その後東南アジアに広まったことを示唆しています。
地域: オセアニア / 国名: パプア・ニューギニア独立国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2008年 / 登録基準: (iii)(iv)
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クジャター・グリーンランド:氷冠周縁部におけるノース人とイヌイットの農業地域

Kujataa Greenland: Norse and Inuit Farming at the Edge of the Ice Cap
クジャター・グリーンランド:氷冠周縁部におけるノース人とイヌイットの農業地域
クジャターは、グリーンランド南部に位置する亜寒帯の農業景観で、10世紀から15世紀にかけてアイスランドから移住したノース人と、18世紀末から定住を始めたイヌイットの文化が融合した地域です。両者は、その違いにもかかわらず、農業、放牧、海洋哺乳類の狩猟を基にして、ひとつの文化的景観を作り上げました。この景観は極地での最も早い農耕の導入や、ノース人のヨーロッパを超えた定住の広がりを示しています。
地域: ヨーロッパ / 国名: デンマーク王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2017年 / 登録基準: (v)
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グラン・プレの景観

Landscape of Grand Pré
グラン・プレの景観
ここはカナダ東部ノヴァスコシア州のミナス湾の湿原帯と考古遺跡群で、広さは13㎢以上あります。ここには17世紀にフランス系入植者(アカディア人)が環境に適応して農地開発を進めてきた歴史が残されています。彼らは世界で最も干満差が激しい(平均11.6m)といわれるこの地に、堤防や木製水門システム(アボトー)を用いて広大な干拓農地をつくり出しました。さらに、その土地区画の方法や作物栽培法は何世紀にもわたって受け継がれ、彼らの生活様式の跡と合わせて、きわめて重要な考古学的遺跡ともなっています。アカディア人は1755年のグラン・デランジュマンと呼ばれる出来事でこの地を追放されてしまいましたが、彼らの入植と農地開発の象徴的な風景が残されています。
地域: 北米 / 国名: カナダ / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2012年 / 登録基準: (v)(vi)
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ゲデオの文化的景観

The Gedeo Cultural Landscape
ゲデオの文化的景観
エチオピア高原東部の断崖に沿って広がるゲデオの文化景観は、地域社会が長い年月をかけて自然環境を抑制された中で最大限に活用する共生システムを考案してきたことを示す類いまれな例です。先住民ゲデオ族は長年にわたり、そして今もなお、「アグロフォレストリー(森林農業)」という文化的伝統を守っています。アグロフォレストリーは、同じ土地に樹木と農作物を植え、農業と林業を同時に行う手法です。この地域では、主要な食用作物エンセーテを巨木が覆い、さらにその下には主要な換金作物であるコーヒーなどの低木が植えられている様子が見られます。樹木を階層的に栽培し、作物の生育環境を確保しているのです。自然の生態系に近い、持続可能な土地利用ができる農法として注目を集めています。
地域: アフリカ / 国名: エチオピア連邦民主共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2023年 / 登録基準: (iii)(v)
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コースとセヴェンヌ:地中海性農業牧草地の文化的景観

The Causses and the Cévennes, Mediterranean agro-pastoral Cultural Landscape
コースとセヴェンヌ:地中海性農業牧草地の文化的景観
フランス中南部に位置する約3,023㎢のこの地域は、深い谷が点在する山岳地帯で、3,000年以上にわたり農業と牧畜業が営まれてきました。この地域の景観は、農牧業の営みと自然環境が密接に結び付いてきた歴史をよく示しており、地中海性農牧業を代表する文化的景観のひとつとされています。農場や森林、畑、集落、水管理施設、家畜の移動路であるドレイユといった要素は、11世紀以降の修道院組織や、12~14世紀の土地経営の展開のなかで農牧業の発展とともに体系的に整えられてきました。
地域: ヨーロッパ / 国名: フランス共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2011年 / 登録基準: (iii)(v)
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コネリアーノとヴァルドッビアーデネのプロセッコ栽培丘陵群

Le Colline del Prosecco di Conegliano e Valdobbiadene
コネリアーノとヴァルドッビアーデネのプロセッコ栽培丘陵群
コネリアーノとヴァルドッビアーデネは、イタリア北東部ヴェネト州の2つのコムーネ(自治体)で、ヴェネツィアから北へ55㎞ほど離れた丘陵地帯に位置し、プロセッコと呼ばれるブドウの品種を使用した発泡性の白ワインの産地として知られています。「ホッグバック」と呼ばれる長くて狭い尾根が見られる丘陵地や、「チリオーニ」と呼ばれる草が茂った狭い段丘を利用して、17世紀から小さな区画で仕切られたブドウ畑が作られました。そこには、傾斜に沿って垂直に交わったブドウの列が見られて、チェス盤のような独特な景観がつくり出されました。背の高いブドウを左右に並べて、トンネルのように枝を張らせる「ベルッセラ」という独特の栽培法が19世紀に開発されて、美しいブドウ畑の景観が拡がりました。点在する集落や周囲の森などと合わせた文化的景観としての価値が、世界遺産として認められています。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2019年 / 登録基準: (v)
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コルドバのイエズス会管区教会堂と農園跡

Jesuit Block and Estancias of Córdoba
コルドバのイエズス会管区教会堂と農園跡
アルゼンチン中北部に位置するコルドバは、1573年にスペイン人が建設を始め、1615年からイエズス会の南米での活動拠点として栄えた地でした。38㏊に及ぶイエズス会地区と、その5つのエスタンシア(農業共同体)には、17世紀と18世紀に築かれた宗教建築と世俗建築が残されています。コルドバ市のイエズス会地区には、南米最古の大学である国立コルドバ大学、国立モンセラート中等学校、ラ・イエズス会管区教会堂、そして修道院が現存しています。
地域: 南米 / 国名: アルゼンチン共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (ii)(iv)
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コロンビアのコーヒー農園の文化的景観

Coffee Cultural Landscape of Colombia
コロンビアのコーヒー農園の文化的景観
多くの方に嗜好品として愛されるコーヒーですが、その農園が世界遺産になるケースもあります。コロンビアのコーヒー農園はその代表例のひとつです。コロンビア西部、18の都市と6ヵ所の農業地帯からなる一帯は「エヘ・カフェテロ」(コーヒーの栽培の軸)と呼ばれて、19世紀からコロンビア北西部のアンティオキアからやってきた人々により農地が拓かれました。55度以上の傾斜をもつ急峻な山脈で、伝統的なコーヒー豆の生産が行われ、数世代にわたって今でもコーヒー豆が生産されているのが、非常に価値のあるものとみなされています。現在、コロンビアのコーヒー豆の生産量は世界3位(ブラジル、ベトナムに次ぐ)であり、この地域のコーヒー生産が少なくともそれに貢献していることは間違いありません。
地域: 南米 / 国名: コロンビア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2011年 / 登録基準: (v)(vi)
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コンソの文化的景観

Konso Cultural Landscape
コンソの文化的景観
エチオピアのコンソ高原には、石積みの段々畑と要塞化された集落が広がっています。約400年前、この地に移住してきたコンソ族は、20世代以上に渡り独自の文化を育んできました。山の斜面に沿って築かれた段々畑には、土壌を浸食から守り、限られた水を確保する工夫が凝らされています。段々畑を登った丘の上には、石壁によって要塞化された集落が形成されており、茅葺の家屋や倉庫、「モラ」と呼ばれる公共広場が点在しています。また、儀礼や埋葬の際に使われる、神聖なる森林が3つあります。この地では、崇敬された人物や英雄たちの死後、「ワカ」と呼ばれる木像にしてたたえるという葬儀の習俗が続いており、カラの森やモラ、城門近くで木像を見ることができます。
地域: アフリカ / 国名: エチオピア連邦民主共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2011年 / 登録基準: (iii)(v)
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サン・テミリオン地域

Jurisdiction of Saint-Emilion
サン・テミリオン地域
くねくねと続く石畳の道など中世の面影が残るサン・テミリオン地域は、ワイン生産地として初めて登録された世界遺産です。フランス南西部のヌーヴェル・アキテーヌ地方に位置し、ボルドーワインのなかでも高級品の産地として知られます。広大なブドウ畑と醸造所、教会などの歴史的建造物が融合した景観は往時の姿をとどめています。この地におけるブドウ栽培の歴史は古く、古代ローマ時代まで遡ります。温暖な気候で水はけも良い土壌は、ブドウの栽培に適していました。
地域: ヨーロッパ / 国名: フランス共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1999年 / 登録基準: (iii)(iv)
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ジェルバ:島嶼部への入植様式の証拠

Djerba: Testimony to a settlement pattern in an island territory
ジェルバ:島嶼部への入植様式の証拠
9~18世紀のチュニジアのジェルバ島では、自給自足的な集落が形成されていました。住居兼農業生産の場であるメンゼルには、半乾燥地帯で水を有効活用するための設備が備わり、メンゼルの集合体であるフーマには、織物や陶器などの生産施設が置かれました。また、外部からの攻撃に 備えた要塞のような外観も特徴です。フームはメディナのように密集したユダヤ人地区のハラとつながっていて、イスラム教イバード派の人々とユダヤ人が平和的に共存していました。イバード派とはイスラム教の宗派のひとつで、スンナ派、シーア派より早く成立し、寛容な姿勢と平和主義が特徴です。現在、アラビア半島の国オマーンではこの宗派が大多数を占めています。
地域: アフリカ / 国名: チュニジア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2023年 / 登録基準: (v)
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慈善のための居住地群

Colonies of Benevolence
慈善のための居住地群
『慈善のための居住地群』は、啓蒙主義思想に基づいて行われた、19世紀の社会改革の実験にまつわる遺産です。ナポレオン戦争後に成立したネーデルラント連合王国(現在のオランダとベルギー)は、経済的に疲弊し、都市部の貧困問題に頭を悩ませていました。この状況に対応するため、人里離れた荒れ地に農業を基盤とした居住地を設立するという取り組みが進められました。貧しい人々が農業を通じて生計を立てると同時に、人々が勤勉で自立した市民となり、国の富を増やす存在になることが期待されていました。最盛期の19世紀半ばには、オランダ国内の居住地だけで1万1,000人以上、ベルギーでは1910年に約6,000人が居住地で生活をしていました。
地域: ヨーロッパ / 国名: オランダ王国, ベルギー王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2021年 / 登録基準: (ii)(iv)
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