World Heritage Sites

東・東南アジア | 世界遺産一覧

奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島

Amami-Oshima Island, Tokunoshima Island, Northern part of Okinawa Island, and Iriomote Island
奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島
この地域は、絶滅危惧種や固有種が多く生息する生物多様性のホットスポットです。多くの分類群において多くの種が確認されており、ヤンバルクイナやノグチゲラなどの絶滅危惧種、中琉球と南琉球に固有の種も多く見られます。また、アマミノクロウサギなどの飛翔能力を持たない陸生脊椎動物や植物においても、固有種が多く存在する独特な生物相が形成されています。さまざまな固有種の進化だけでなく、環境の変化の中で特定の地域にのみ残った遺存固有種や、独自の進化を遂げた種の例も多く確認されています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2021年 / 登録基準: (x)
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アユタヤの歴史都市

Historic City of Ayutthaya
アユタヤの歴史都市
タイ中部のアユタヤ県に位置する『アユタヤの歴史都市』は、約400年間にわたるアユタヤ王朝の繁栄を象徴する遺産です。アユタヤは1350年に建設され、15世紀にはアンコール朝を滅ぼしてスコータイを併合し、強大な王朝を築きました。この地域は3つの川に囲まれた恵まれた立地にあり、外交や商業が急速に発展していきました。また、シャム湾の潮汐波より高い場所に位置しているため、海上軍艦による攻撃を防ぐことができました。こうした戦略的な位置を活用することで、アユタヤは繁栄を続け、アユタヤ王朝第2の都市として中心的存在となりました。しかし、1767年にビルマ軍による攻撃を受け、アユタヤは壊滅的な被害を受けます。その後は再建されることなく、広大な考古学的遺跡としてその歴史が語り継がれています。遺跡にはプラ・プラーン様式という、砲弾状の高い塔堂を特徴とした建築様式がみられるのも特徴的です。
地域: 東・東南アジア / 国名: タイ王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1991年 / 登録基準: (iii)
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アンコールの遺跡群

Angkor
アンコールの遺跡群
アンコール遺跡群は9~15世紀にかけてのクメール王朝の首都で、当時の繁栄を現代に残しています。400㎢という広大な範囲に、600以上の寺院や水利施設などの遺構が残っています。登録エリア内には多くの村が点在し、アンコール朝の時代まで祖先が遡る村も存在します。アンコール朝の歴代の王は即位のたびに都城と寺院を造営し、自身を神格化させました。クメール美術が花開いた地域であると同時にクメール美術を代表する地域でもあり、東南アジア全域に大きな影響を及ぼしました。
地域: 東・東南アジア / 国名: カンボジア王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1992年 / 登録基準: (i)(ii)(iii)(iv)
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厳島神社

Itsukushima Shinto Shrine
厳島神社
厳島神社は、平清盛によって創建され、平安時代の貴族住宅である寝殿造りの様式を採用した神社建築の代表例です。弥山の深い緑を背景に、海上に浮かぶように建てられた社殿群は、自然と人工の調和を体現しています。これらの建築は、原始的な社殿を現在のような姿に発展させた平清盛の卓越した構想力と美的センスを示すとともに、日本人の信仰心や精神文化の発展の過程を理解する上でも重要な存在です。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1996年 / 登録基準: (i)(ii)(iv)(vi)
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頤和園:北京の夏の離宮と皇帝庭園

Summer Palace, an Imperial Garden in Beijing
頤和園:北京の夏の離宮と皇帝庭園
北京の中心部から北西約15kmに位置する頤和園は、敷地総面積約290万㎡を誇り、中国に現存する最大かつ最後に建造された皇室庭園です。12世紀半ばに、金王朝時代に建造された小規模な離宮を前身とし、1750年に清の乾隆帝が広大な庭園へと整備して清漪園(せいいえん)と名付けられました。中国の名だたる庭園や名景、有名建築の精華を取り入れたものとなりました。自然景観を模倣した庭園は、建物や楼閣、橋などと見事に調和し、中国だけでなく、日本や朝鮮半島の庭園にも大きな影響を及ぼしました。第二次アヘン戦争で北京に侵攻した英仏連合軍により庭園は破壊されてしまいますが、その30年後の1886年、西太后が海軍の経費を流用して復元し、頤和園と改称しました。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1998年 / 登録基準: (i)(ii)(iii)
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石見銀山遺跡とその文化的景観

Iwami Ginzan Silver Mine and its Cultural Landscape
石見銀山遺跡とその文化的景観
石見銀山は、16世紀から20世紀にかけて銀の採掘が行われた鉱山遺跡で、鉱山跡、精錬施設、鉱山町、街道、港町などが含まれます。これらの遺構は、当時の銀生産技術や人々の暮らしを物語っており、特に600ほどある手掘りの坑道「間歩」は、ノミと金槌で掘られた跡が残っており、当時の技術を今に伝えています。 また、銀生活や住民たちの生活で仕様された薪炭材の供給源であった森林をはじめ、豊かな自然環境も残されています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2007年 / 登録基準: (ii)(iii)(v)
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殷墟

Yin Xu
殷墟
殷墟は、北京の南方に位置する河南省安陽市にあり、中国最古の古代都市遺跡のひとつです。中国で現在確認できるものとしては、最古の王朝とされる殷(商)(紀元前17世紀頃〜前1046年)の最後の首都で、紀元前1300年頃に築かれたと考えられています。殷は、紀元前17世紀に夏王朝を倒して建てた王朝とされ、多数の氏族集団(邑)が王に服属して成り立つ連合体でした。紀元前1046年、周の武王が殷の紂王を打ち破り、殷王朝は滅亡しました。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2006年 / 登録基準: (ii)(iii)(iv)(vi)
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雲岡石窟

Yungang Grottoes
雲岡石窟
雲岡石窟は、山西省武周山南麓の断崖面の全長およそ1kmの範囲に現存する、252の石窟です。452年に即位した北魏の文成帝が、高僧曇曜(どんよう)の提言に従い、460年に開鑿を行ったのがその始まりです。文成帝は「曇曜五窟」と呼ばれる5つの石窟に、自身を含めた5人の皇帝を模した大仏を建立しました。494年、洛陽に遷都したことを機に造営は終息に向かい、石窟は存在を忘れられていきましたが、1902年に建築家の伊東忠太が建築研究のため中国を訪れ再発見しました。仏像は5万体以上あり、第20窟の如来坐像は傑作とされています。仏像は制作年によって様式が異なり、徐々に中国独自のものになっていった様子がうかがえます。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2001年 / 登録基準: (i)(ii)(iii)(iv)
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普洱(プーアル)の景邁山古茶林の文化的景観

Cultural Landscape of Old Tea Forests of the Jingmai Mountain in Pu’er
普洱(プーアル)の景邁山古茶林の文化的景観
中国南西部の雲南省普洱(プーアル)市にある景邁(けいまん)山は、普洱茶の原産地と考えられている場所です。10~14世紀頃にこの地へ移り住み、野生の茶樹を発見した少数民族の布朗族(プーラン族)と傣族(タイ族)は、自然林の一部の樹木と低木を間引きし、そこに茶樹を植える林下栽培という手法で茶の生産を行ってきました。古茶林は高木層、低木層、草本層の3つに分かれ、茶樹は主に低木層に生育します。森林の生態系を生かし、普洱茶の生育に理想的な環境をつくり出しました。また、布朗族と傣族がもつ茶祖信仰や伝統的な儀式は、千年以上にわたり古茶林の景観を維持するのに重要な役割を果たしてきました。布朗族と傣族は景邁山に定住し茶樹を発見して栽培を始めた先祖を「茶祖」として崇拝しており、毎年4月に茶祖に祈りを捧げる祭りがとり行われています。世界遺産には古茶林のほか、集落や防護林なども登録されています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2023年 / 登録基準: (iii)(v)
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小笠原諸島

Ogasawara Islands
小笠原諸島
小笠原諸島は、日本列島から約1,000km南に位置する孤立した島々で、他の大陸と陸続きになったことがないため、長期間隔絶した環境での進化や適応放散などで、独自の進化を遂げた動植物が多く生息しています。小笠原群島は、地殻のプレートが沈み込むことで形成される海洋性島弧に分類されています。このような環境では、生物集団が極端に偏るという特徴がみられ、種の分布の過程を知ることができる点が貴重です。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2011年 / 登録基準: (ix)
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オルホン渓谷の文化的景観

Orkhon Valley Cultural Landscape
オルホン渓谷の文化的景観
オルホン渓谷はモンゴル中北部オルホン川の両岸に広がる雄大な牧草地です。広大な渓谷の範囲には6世紀にまで遡る考古遺跡が数多く残り、遊牧民とその社会の様子を現代に伝えています。この地は古くから東西交易の交差点であり、突厥やウイグルの拠点として発展しました。13~14世紀にはモンゴル帝国の首都として繁栄しました。また最古のモンゴル仏教寺院も残っており、モンゴル仏教の発展の舞台でもあります。
地域: 東・東南アジア / 国名: モンゴル国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2004年 / 登録基準: (ii)(iii)(iv)
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河回村と良洞村の歴史的集落群

Historic Villages of Korea: Hahoe and Yangdong
河回村と良洞村の歴史的集落群
14〜15世紀に形成された朝鮮王朝初期を代表する氏族集落として、河回村(ハフェマウル)と良洞村(ヤンドンマウル)は最も保存状態の良い遺産として知られています。この地には宗主家の邸宅や学問所、庶民の茅葺き家などが残され、伝統的な生活様式と社会制度の姿が残ります。また、朝鮮王朝初期の貴族的儒教文化を色濃く反映している点でも特徴的です。建築物や村の配置は、当時の両班(貴族階級)や庶民の暮らしや社会構造を体現しており、約500年にわたって受け継がれてきた朝鮮の精神文化を今に伝えています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2010年 / 登録基準: (iii)(iv)
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峨眉山と楽山大仏

Mount Emei Scenic Area, including Leshan Giant Buddha Scenic Area
峨眉山と楽山大仏
四川省にある峨眉山は、古くから霊山として信仰される中国四大仏教名山の一つで、山の中腹には、30を超える寺院があります。1世紀頃、峨眉山に中国初の仏教寺院が建立されてから、この地は仏教の聖地のひとつとなりました。約20㎞東には、世界最大の磨崖仏である楽山大仏が鎮座しています。この場所は、岷江とその支流の大渡河、大渡河の支流である青衣江の合流点にあり、流れが急で多くの水難事故や水害が引き起こされていました。そのため、水難事故の防止や安全を祈願して造られました。8世紀前半に僧の海運が大仏を堀りはじめ、約90年かけて完成しました。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 複合遺産 / 登録年: 1996年 / 登録基準: (iv)(vi)(x)
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「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

Sacred Island of Okinoshima and Associated Sites in the Munakata Region
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
沖ノ島は、玄界灘に浮かぶ周囲約4kmの孤島で、4世紀後半から9世紀末の約500年間の古代祭祀の祭祀の変遷を伝える考古遺跡がほぼ手つかずの状態で残っています。ここでは宗像三女神の信仰が生まれ現在にまで伝えられており、古代から今日に至るまで発展し継承されてきたことを示す貴重な証拠になっています。沖ノ島への上陸は原則禁止されており、神職が交代で奉仕を行うなど、厳格な禁忌が守られています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2017年 / 登録基準: (ii)(iii)
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紀伊山地の霊場と参詣道

Sacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range
紀伊山地の霊場と参詣道
紀伊山地は三重・奈良・和歌山にまたがる山岳地帯で、豊かな自然と深い森林が広がっています。古代から神々が宿る特別な場所とされ、神仏習合の宗教観に基づかれた霊場が形成されました。熊野三山、高野山、吉野・大峯の三霊場と、それらを結ぶ参詣道は、日本の宗教文化に大きな影響を与え、今も多くの信仰を集めています。それらは自然環境を中心に育まれ、今なお共存しているため、日本ではじめて文化的景観が認められました。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2004年 / 登録基準: (ii)(iii)(iv)(vi)
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キナバル自然公園

Kinabalu Park
キナバル自然公園
ボルネオ島のマレーシア領内サバ州にあるキナバル自然公園は、東南アジア最高峰のキナバル山を中心に広がる国立公園で、その総面積は、東京23区が丸ごと収まるほどです。標高が4095メートルあるキナバル山は、地元のドゥスン族にとって聖なる山とされてきました。6つの植物帯をもつキナバル自然公園は、低地の熱帯ジャングルから高山エリアまで、実に様々な自然環境が特徴的で、東南アジアの植物多様性の中心地としても承認されています。食虫植物のウツボカズラ属や、1,000種に及ぶラン、世界最大の花として知られるラフレシアなど、ここに生育する植物は5,000種以上です。また、ボルネオ島の哺乳類、鳥類、両生類、無脊椎動物の半数以上がこの公園内に生息しています。
地域: 東・東南アジア / 国名: マレーシア / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (ix)(x)
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九寨溝:歴史的・景観的重要地区

Jiuzhaigou Valley Scenic and Historic Interest Area
九寨溝:歴史的・景観的重要地区
中国・四川省北部の山あいに広がる九寨溝は、まるで絵画のような風景が広がる場所として知られています。青や緑、紫など、神秘的な色に輝く湖がいくつも連なり、訪れる人を幻想的な世界へと誘います。棚田状に連なる湖は、炭酸カルシウムが堆積してできたトゥファ(石灰華)によって自然に区切られており、「石灰華段丘」とも呼ばれる幻想的な景観を生み出しています。また、氷河の痕跡を今に伝える独特な地形も広がります。自然が長い時間をかけて造り上げたこれらの造形は、まさに「動かぬ芸術」と言えるでしょう。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1992年 / 登録基準: (vii)
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グレート・ブルカン・カルドゥン山と周辺の聖なる景観

Great Burkhan Khaldun Mountain and its surrounding sacred landscape
グレート・ブルカン・カルドゥン山と周辺の聖なる景観
モンゴル北東部ヘンティー山脈の中央に位置し、古くからモンゴルのシャーマニズムの信仰の聖地でオボーと呼ばれる石塚がたてられています。オボーには祖先の霊が宿っていると考えられており、神の象徴となるものや絹などが木の棒に結びつけられています。この地ではモンゴル古来のシャーマニズムと仏教が融合した祭事が行われています。またこの地は中央アジアステップとシベリア・タイガが交わる特殊な自然景観が広がり、レッドリストに登録されている動植物も生息しています。
地域: 東・東南アジア / 国名: モンゴル国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2015年 / 登録基準: (iv)(vi)
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京杭大運河

The Grand Canal
京杭大運河
『京杭大運河』は、中国の東部から中央部の平原を縦断する運河であり、北は北京市から南は杭州市までを結んでいます。紀元前5世紀から開削が始まり、604年に隋の煬帝が即位すると、これまでに掘られていた運河に加えて、新たに黄河と淮河を結ぶ通済渠や、黄河と天津を結ぶ永済渠、長江から杭州を結ぶ江南河が開削され、大運河が完成しました。これによって政治の中心である河北と、経済の中心である河南が結ばれ、江南の穀物・物産の河北への供給や、軍隊の移動などに活用されました。しかし、このような大運河の建設や、周辺諸国への遠征が隋の経済を圧迫し、各地で反乱が起きて隋は倒されることになりました。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2014年 / 登録基準: (i)(iii)(iv)(vi)
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ゲボル:韓国の干潟

Getbol, Korean Tidal Flats
ゲボル:韓国の干潟
韓国南西部、黄海沿いに広がる『ゲボル』は、舒川干潟、高敞干潟、新安干潟、宝城・順天干潟の4地域から構成されており、総面積は12万8,000ha以上になります。これは世界でも有数の規模を誇る干潟生態系です。ここは東アジア・オーストラリア地域フライウェイ(EAAF)の中心的な中継地で、ヘラシギ、ホウグロシギ、ナベヅルなど絶滅危惧種を含む118種の渡り鳥が休息や採餌のために集まります。年間で推定5千万羽もの水鳥が、シベリアやアラスカからオーストラリアまでを往復する長旅の途中、この地で命をつなぎます。干潟は鳥たちの生存を支える重要な拠点であり、生物多様性の要衝となっています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2021年 / 登録基準: (x)
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紅河ハニ族棚田群の文化的景観

Cultural Landscape of Honghe Hani Rice Terraces
紅河ハニ族棚田群の文化的景観
雲南省南部、紅河ハニ族イ族自治州を流れる紅河南岸には、少数民族のハニ族が築いた棚田群が広がっています。世界遺産に登録されている総面積は約166㎢に及び、3,000段を有するともされる棚田は世界最大規模を誇ります。山岳地帯の狭い峡谷で生活している少数民族のハニ族は、自然環境を利用した独自の灌漑システムをもつ棚田群を作り上げ、1,300年にわたって棚田と伝統的な生活を守り続けてきました。ハニ族にとって森林は神が宿る神聖な地であることから、長年森林を保護してきました。そして「森林」と「水源」、「棚田」、「村」の四つの要素からなる、生態学的に優れた循環型灌漑システムを作り上げています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2013年 / 登録基準: (iii)(v)
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高句麗古墳群

Complex of Koguryo Tombs
高句麗古墳群
北朝鮮の首都、平壌周辺の高句麗古墳群は、高句麗王国の中・後期にあたる4〜7世紀ごろに建造された63基からなる古墳群で、その多くに美しい壁画が残されています。高句麗は、現在の中国東北部と朝鮮半島にかけて栄えた最強の王国のひとつでした。これまでに中国と朝鮮半島で発見された1万以上の高句麗の古墳のうち、壁画が描かれている古墳は約90か所で、これらの古墳のほぼ半分は世界遺産登録された地域にあります。壁画の図柄は、青龍、白虎、朱雀、玄武を描いた四神図や狩猟図、それに日本の高松塚古墳のものと似た女性像など多岐にわたっています。衣装、食べ物、住居生活、埋葬の習慣、さらには宗教的儀式など、今は消えてしまった高句麗文化の豊かさを伝える証となっています。高松塚古墳やキトラ古墳の壁画との関連性も指摘されており、高句麗王国が日本を含む東アジアに大きな影響を与えていたことを示唆しています。
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黄山

Mount Huangshan
黄山
中国東部の安徽省にある「黄山」は、標高1,800m級の蓮花峰、光明頂、天都峰の 3つの峰を中心とした69の峰からなる山岳地帯です。名勝として知られ、一帯には2つの湖、3つの滝、24の渓谷が点在しています。古くは「黟山(いさん)」と呼ばれていましたが、中国の伝説上の王である黄帝がこの地で仙人になったという伝説にちなんで、唐の玄宗が黄山と改名されました。以来、道教及び仏教の聖地として崇められ、数世紀にわたって多くの寺院が建てられました。16世紀以降、詩人や画家たちが黄山を題材に優れた作品を残し、中国の芸術・文化史においても重要な山となっています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 複合遺産 / 登録年: 1990年 / 登録基準: (ii)(vii)(x)
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杭州にある西湖の文化的景観

West Lake Cultural Landscape of Hangzhou
杭州にある西湖の文化的景観
浙江省杭州市の中心部にある外周15kmほどの西湖は、三方を丘に囲まれ霧に包まれることが多いところです。この山水画のような世界は、9世紀の唐代以降多くの文人墨客を惹きつけてきました。13世紀に南宋が首都を置いて以降、杭州は中国人にとって伝統的な景観の最高例となりました。13世紀にこの地を訪れたマルコ・ポーロもその美しさを絶賛しました。西湖の周辺には、中国の歴史ある寺廟や楼閣、庭園などが多くあり、湖に浮かぶ3つの島や人工的に造られた2ヵ所の堤防などが絵画的に眺望を演出しています。これは人々がより一層美しい景観を求めて、自然の姿に「改良」を重ねてきたことで生み出された文化的景観です。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2011年 / 登録基準: (ii)(iii)(vi)
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高敞、和順、江華の支石墓跡

Gochang, Hwasun and Ganghwa Dolmen Sites
高敞、和順、江華の支石墓跡
全世界に現存するドルメンの約半数、すなわち約3万基が韓国に集中しています。ドルメンとは、巨大な頂石を2つ以上の石塊で支えた墓石のことで、すなわち支石墓です。東アジアでは、紀元前1千年紀において『高敞、和順、江華の支石墓跡』は、紀元前2000〜3000年から、その後の時代にかけて形成された巨石文化の証拠です。この遺跡は、高敞、和順、江華の3つの地域に分布しています。特に高敞には、最大かつ最も多様なドルメンが集合しており、その数は440基以上にも及びます。これらのドルメンは、故人の遺体や骨の上に建てられたと考えられています。『高敞、和順、江華の支石墓跡』のように、これほど多くのドルメンが一箇所に集まっている遺跡は世界的にも非常に珍しく、先史時代の人々の社会構造や信仰、儀式のあり方を知るうえで極めて重要な遺産です。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (iii)
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古都京都の文化財

Historic Monuments of Ancient Kyoto (Kyoto, Uji and Otsu Cities)
古都京都の文化財
東、北、西を豊かな緑の山で囲まれた盆地にある京都は794年に平安京として建設され、19世紀半ばまで日本の首都として栄えました。千年以上にわたり日本の政治・経済の中心地であるとともに、各時代の文化を牽引してきました。12世紀までの神社や寺院に多く見られる和様や、16世紀末から17世紀初頭に用いられた装飾の多い桃山様式などの日本を代表する建築様式の多くは、京都で洗練され日本各地に伝えられました。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1994年 / 登録基準: (ii)(iv)
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古都奈良の文化財

Historic Monuments of Ancient Nara
古都奈良の文化財
奈良の地には、唐の長安などをモデルとして、710年に平城京が建設され、784年まで日本の首都として栄えました。その間、仏教が国家の宗教として位置づけられ、一貫した仏教興隆政策のもとで多くの寺院や神社が建立されました。また、日本と中国、朝鮮との間における密接な文化的交流の歴史も示しています。中国や韓国では同年代の木造建築の大部分が失われていることからも、これら建造物群の世界史的な価値が極めて高いとされています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1998年 / 登録基準: (ii)(iii)(iv)(vi)
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コモド国立公園

Komodo National Park
コモド国立公園
コモド国立公園は、世界最大のトカゲであるコモドオオトカゲの唯一の生息地として知られています。この巨大な爬虫類は、体長は最大3m、体重100kg以上に達します。かつてインドネシアとオーストラリアには大型のトカゲが生息していましたが、その多くは絶滅してしまい、コモドオオトカゲはその最後の種だと考えられています。コモドオオトカゲの歯の間からは、獲物の血液の凝固を妨げ失血させる毒が出ることが分かっており、その毒を使って狩りを行っています。
地域: 東・東南アジア / 国名: インドネシア共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1991年 / 登録基準: (vii)(x)
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鼓浪嶼(コロンス島):歴史的共同租界

Kulangsu, a Historic International Settlement
鼓浪嶼(コロンス島):歴史的共同租界
厦門に面した小さな島、鼓浪嶼(コロンス島)に残る931の歴史的建造物からなっています。1842年に結ばれた南京条約によって、翌1843年に厦門が開港し、1903年に鼓浪嶼に共同租界が設立されると、中国における海外貿易の重要な窓口となりました。様々な国の外国人がここに住み着いたことから、世界の様々な様式の建築が建てられ、文化的な混交が生まれました。アール・デコやモダニズムなどの西洋の建築様式と、厦門周辺地域の文化が融合して生まれた「アモイ・デコ様式」という鼓浪嶼独自の建築様式は、その一例になっています。共同租界とは、清朝や中華民国内に築かれた外国人居留地で鼓浪嶼では各国が共同で外国人居留地を管理しました。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2017年 / 登録基準: (ii)(iv)
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済州火山島と溶岩洞窟群

Jeju Volcanic Island and Lava Tubes
済州火山島と溶岩洞窟群
韓国最南端の火山島である済州島は、漢拏山自然保護区、城山日出峰、拒文岳溶岩洞窟群の3地域が世界遺産に登録されています。これらの地域は、総面積約188.5㎢にわたります。済州島は約120万年前に誕生した火山島で、標高1,950mの漢拏山が韓国最高峰としてそびえ立っています。周辺には火山活動によって生まれた滝や奇岩、火山湖など、息を呑むような景観が広がっており、高山植物の宝庫でもあります。また、拒文岳の噴火により約30万〜10万年前に形成された拒文岳溶岩洞窟系は、その長さと複雑さから「世界で最も優れた洞窟システム」と評されています。これらの地域は、地球の形成と進化に関する重要な証拠であり、自然の壮大さを感じさせてくれます。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2007年 / 登録基準: (vii)(viii)
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