World Heritage Sites

世界遺産一覧

(執筆協力:ミド)

アストゥリアス王国とオビエドの宗教建築物群

Monuments of Oviedo and the Kingdom of the Asturias
アストゥリアス王国とオビエドの宗教建築物群
スペイン北西部、アストゥリアス地方の中心都市オビエドは、かつてアストゥリアス王国時代に首都として君臨していました。この地はイスラム勢力に征服されたのち、レコンキスタの口火を切った西ゴート王国の貴族ペラーヨによって奪還され、718年にアストゥリアス王国が建国されます。その後、8~10世紀にかけて首都オビエドに幾つものキリスト教の教会が建てられ、現在ではオビエド市街や郊外に残る6つの教会と関連施設が世界遺産として登録されています。特徴的なのは、プレロマネスク様式の1つであるアストゥリアス様式で建造されている点です。その代表例がサンタ・マリア・デル・ナランコ教会で、装飾や彫刻、ファサードなどがビザンツ様式から着想を得て建てられています。この教会建築が後のイベリア半島における建築様式の発展に強い影響を与えました。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1985年 / 登録基準: (i)(ii)(iv)
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アタプエルカの考古遺跡群

Archaeological Site of Atapuerca
アタプエルカの考古遺跡群
スペイン北部ブルゴス近郊にある『アタプエルカの考古遺跡群』では、約100万年前のヨーロッパ最古の人類化石が次々と発見されてきました。これらの人類の化石遺跡は、祖先の姿と生活様式を解明する貴重な手掛かりとなり、アフリカ系祖先から現生人類への進化の系譜が記録されています。遺跡群はグラン・ドリーナ地区、シマ・デ・ロス・ウエソス地区などから構成されており、先史時代の化石の他にも、狩猟の場面や幾何学的なモチーフなどが描かれた絵や彫刻のパネルも見つかっています。化石や遺構の眠る洞窟内では、現在も発掘作業が続けられています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (iii)(v)
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アッシュル(カラット・シェルカット)

Ashur (Qal'at Sherqat)
アッシュル(カラット・シェルカット)
バグダッドの北約390km、メソポタミアのチグリス川中流域に位置するアッシュルは、かつて存在したアッシリア帝国最初の首都となった都市です。現在ではカラット・シェルカットと呼ばれています。都市の起源は紀元前3千年紀前半、シュメール人の初期王朝が存在していた時代に遡ります。アッカド帝国(紀元前2334~前2154年頃)の時代には重要な中心地であり、ウル第3王朝(紀元2112~前2004年頃)には統治下に置かれていました。紀元前14世紀から前9世紀にかけては、アッシリア帝国の都が置かれ、西アジアの交易都市として発展していきます。しかし、紀元前612年に新バビロニアとメディアにより破壊され、その後1~2世紀のパルティア時代に都市は再建されました。
地域: 西・南アジア / 国名: イラク共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2003年 / 登録基準: (iii)(iv)
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アビラの旧市街と城壁外の教会群

Old Town of Ávila with its Extra-Muros Churches
アビラの旧市街と城壁外の教会群
11世紀、レコンキスタ(国土回復運動)によってキリスト教徒を再入植させることに成功したアビラは、イスラム勢力からの反撃に備えるために街全体を城壁で取り囲み要塞化しました。9年の歳月を費やして完成した城壁は、高さ12m×全長2.5kmの規模を誇り、半円形の88の塔に9つの門を備えて、堅牢な姿でそびえ立っています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1985年 / 登録基準: (iii)(iv)
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アラゴンのムデハル様式建築

Mudejar Architecture of Aragon
アラゴンのムデハル様式建築
スペインのアラゴン州にあるムデハル様式の建築群は、12~17世紀にかけて、レコンキスタ後もアラゴン王国への残留が許されたイスラム教徒らにより建設されました。現存する10件の建造物には、テルエルのサンタ・マリア・デ・メディアビーリャ大聖堂やサン・ペドロ聖堂、州都サラゴサのアルハフェリア宮殿やサン・パブロ聖堂などが含まれ、世界遺産に登録されています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1986年 / 登録基準: (iv)
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アランフエスの文化的景観

Aranjuez Cultural Landscape
アランフエスの文化的景観
マドリードの南約30km、タホ川の南岸には15〜18世紀にカスティーリャ王やスペイン王によってつくられた王家の夏の離宮と無数の庭園が今に残されています。アランフエスの文化的景観には、入り組んだ水路が幾何学的にデザインされた景観、自然と人間の営み、都市と農村の生活、森林の野生動物と洗練された建築物など、多様な要素が織り交ぜられています。王家の繁栄を今に伝える離宮と庭園はロドリーゴ作曲の『アランフエス協奏曲』によって世界中に知られました。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2001年 / 登録基準: (ii)(iv)
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アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区

University and Historic Precinct of Alcalá de Henares
アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区
マドリード郊外にあるアルカラ・デ・エナレスは、小説『ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』の作者ミゲル・デ・セルバンテスの出身地として知られています。ここは、世界で最初に計画された大学都市です。1508年、カスティーリャ王国の摂政を務めたシスネロス枢機卿がキリスト教の理想郷を目指し、この地にアルカラ・デ・エナレス大学を開学したことから学園都市の歴史は始まります。シスネロス卿は土地を購入し、大学都市の実現に必要なインフラを整備しました。この計画には、大学、寮、病院、印刷所などが含まれており、世界初の多言語対訳聖書も刊行されました。19世紀に大学はマドリードへ移転しコンプルテンセ大学となりますが、市民が資金を出してこの地に建物を残し、1977年にアルカラ・デ・エナレス大学として再開校しました。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1998年 / 登録基準: (ii)(iv)(vi)
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アルコバサの修道院

Monastery of Alcobaça
アルコバサの修道院
ポルトガルの首都リスボンの北にある『アルコバサの修道院』は、ポルトガルにおける初期ゴシック様式最大のシトー会修道院です。1143年にポルトガル初代国王に即位したアフォンソ1世は、1152年にはアルコバサ周辺の開拓を委任する形で、シトー会へ一帯の土地を譲渡します。これには、当時キリスト教世界で力をつけ始めたシトー会の聖ベルナールから支援を得たいというアフォンソ1世の目論見があったと言われています。修道院の建設は1178年に開始されました。
地域: ヨーロッパ / 国名: ポルトガル共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1989年 / 登録基準: (i)(iv)
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アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器時代洞窟壁画

Cave of Altamira and Paleolithic Cave Art of Northern Spain
アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器時代洞窟壁画
アルタミラ洞窟を含むスペイン北部の18の洞窟では、紀元前3万5000年〜前1万1000年の旧石器時代に洞窟壁画技術が絶頂期を迎えたことを示しています。氷河期末の前1万7000〜前1万3000年頃、西ヨーロッパではマグダレニアンと呼ばれる芸術的到達点が訪れます。しかし、前1万3000年〜前1万1000年頃にかけての気温上昇によって人類の生活スタイルが変化したことで、洞窟美術は衰退していきます。ラス・マデダス洞窟の壁画を最後前1万1000年以降、洞窟壁画は描かれなくなったと考えられています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1985年 / 登録基準: (i)(iii)
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アルマデンとイドリア:水銀鉱山の遺跡

Heritage of Mercury. Almadén and Idrija
アルマデンとイドリア:水銀鉱山の遺跡
スペインのアルマデンとスロベニアのイドリアは、近年まで世界最大の水銀鉱山として名を馳せてきました。アルマデンでは古代から水銀の抽出が行われており、イドリアでは1490年に水銀が発見されます。そして、両地点ともハプスブルク家出身のスペイン国王フェリペ2世の時代にスペインの領土であったことから、水銀の供給拡大へ大きく関わっていきました。現在、世界的に毒性の強い水銀の使用は禁止される方向にあることから、消えていく技術や産業文化を伝える貴重な遺跡とも言えます。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン, スロベニア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2012年 / 登録基準: (ii)(iv)
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アンテケラの支石墓遺跡

Antequera Dolmens Site
アンテケラの支石墓遺跡
『アンテケラの支石墓遺跡』は、スペイン南部アンダルシア地方に位置するヨーロッパの先史時代を代表する巨石文化の遺跡群です。メンガとビエラの支石墓(ドルメン)、エル・ロメラルのトロス(円蓋墓)の3つの巨石遺跡に2つの自然要素が含まれ構成されています。自然要素には「恋人たちの岩」を意味するラ・ペーニャ・デ・ロス・エナモラドスと、この地域のランドマークであるトルカル山が含まれています。これらの巨石遺跡群は、新石器時代から青銅器時代にかけて築かれ、まぐさ石による屋根や人造のドーム型天井を持つトロスが現在も残っています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2016年 / 登録基準: (i)(iii)(iv)
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アントニ・ガウディの作品群

Works of Antoni Gaudí
アントニ・ガウディの作品群
『アントニ・ガウディの作品群』は、スペイン東部・カタルーニャ地方の中心都市バルセロナとその周辺に点在する、建築家アントニ・ガウディ(本名:アントニ・ガウディ・イ・コルネ)が手掛けた7つの建築物によって構成されています。ガウディは、1852年に銅版器具職人の息子として生まれ、バルセロナの建築学校に進学しました。26歳の時、パリ万博に作品を出展したことがきっかけで、最大の支援者となる実業家エウゼビ・グエルと出会います。グエルはガウディのパトロン的な存在として、自邸や別邸の設計を委ねたほか、数々の傑作の建設に貢献しました。1883年、ガウディはサグラダ・ファミリア贖罪聖堂の建築主任となり設計に奔走します。しかし、1926年に建築途中の聖堂を残し、不慮の事故でこの世を去ってしまいました。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1984年 / 登録基準: (i)(ii)(iv)
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イタリアのロンゴバルド族:権勢の足跡(568-774年)

Longobards in Italy. Places of the power (568-774 A.D.)
イタリアのロンゴバルド族:権勢の足跡(568-774年)
この遺産はイタリア半島全土に点在する要塞、教会、修道院を含む7つの建築群によって構成されています。6~8世紀、北欧から移住してきたロンゴバルド族はイタリア半島を広く統治し、独自の文化を発展させました。これらの建築物は在りし日のロンゴバルド王国の面影を現在に残しています。その建築様式は、古代ローマの伝統やキリスト教の精神性、ビザンツ文化、北欧のゲルマン様式を統合させたもので、古代から中世へと続く時代の変遷を物語っています。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2011年 / 登録基準: (ii)(iii)(vi)
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イビサ島の生物多様性と文化

Ibiza, Biodiversity and Culture
イビサ島の生物多様性と文化
地中海西部のバレアレス諸島に位置し、現在ではリゾート地としても知られるイビサ島は、固有の生物と歴史的建造物が共存する複合遺産です。特に「ポシドニア・オセアニカ」と呼ばれる海草は、地中海沿岸にのみ分布する固有種であり、その中でもイビサ島周辺のものは最も良好な保存状態にあるとされています。この海草草原は、絶滅危惧種を含む多様な海洋生物の産卵・生育の場として重要であり、また、海岸を嵐から守る天然の防波堤としても機能しています。さらに、1ヘクタールあたり年間21トンのバイオマスを生産するなど、生物生産性も非常に高く、熱帯雨林に匹敵します。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 複合遺産 / 登録年: 1999年 / 登録基準: (ii)(iii)(iv)(ix)(x)
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イベリア半島の地中海沿岸の岩絵群

Rock Art of the Mediterranean Basin on the Iberian Peninsula
イベリア半島の地中海沿岸の岩絵群
スペイン東部の地中海沿岸、6つの州にわたって点在する先史時代の岩絵群は、ヨーロッパにおける最大の壁画群です。紀元前1万~3500年の狩猟採集民によって描かれたとされる岸壁画は総数700以上に及び、現在も新たなものが発見されています。壁画は赤、黒、白の顔料で写実的に描かれており、ウシやウマ、ヤギなどの動物のほか、人々が狩猟や戦闘、蜂蜜の採集などをしているストーリー性のある絵柄が残っています。これらの壁画群に描かれているストーリーの関連性や技術を検証したところ、ヨーロッパの他の地域や北アフリカの岩絵とは異なったものであると考えられており、詳しい解明が待たれています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1998年 / 登録基準: (iii)
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ヴァールベリのグリメトン無線局

Grimeton Radio Station, Varberg
ヴァールベリのグリメトン無線局
スウェーデン南部、ヴァールベリ市の東7kmにあるグリメトン無線局は、1922〜1924年にかけて建設された、大西洋を越える無線通信時代の初期を象徴する遺産です。海沿いに広がる約110万㎡の広大な敷地には、当時スウェーデン国内最高の高さを誇った127mのアンテナ鉄塔6基や、アンテナ付きの短波送信機、初代アレクサンダーソン製の送信機を持つ建物、職員のための住宅街などが含まれています。主要な建物は建築家のカール・オーケルブラッドによって新古典主義様式で設計され、当時スウェーデンで最も高い建造物となったアンテナ鉄塔は、構造エンジニアのヘンリック・クルーガーによって設計されました。大西洋を横断する無線通信初期の施設としては非常に保存状態が良いことが特徴です。
地域: ヨーロッパ / 国名: スウェーデン王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2004年 / 登録基準: (ii)(iv)
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ヴァティカン市国

Vatican City
ヴァティカン市国
キリスト教世界で最も神聖な場所のひとつであるヴァティカン市国は、約2,000年の歴史とカトリック教会の精神性の証として存在しています。ローマ教皇を国家元首とするこの国は人口800人、総面積0.44km2と世界最小の独立国でありながら、国全体が世界遺産に登録されている唯一の場所です。サン・ピエトロ大聖堂の立つヴァティカンの丘は、イエス・キリストの最初の弟子であり初代教皇でもある聖ペテロの墓所であったとされています。4世紀になると、ローマ帝国皇帝として最初にキリスト教を保護したコンスタンティヌス1世の命により、バシリカ式の教会堂が建てられました。主要な巡礼地でもあるヴァティカンは、キリスト教の歴史と直接的に結びついているのみならず、ルネサンスやバロック美術の理想であり、模範的な創造物でもあります。
地域: ヨーロッパ / 国名: ヴァティカン市国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1984年 / 登録基準: (i)(ii)(iv)(vi)
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ヴァルカモニカ(カモニカ渓谷の岩絵群)

Rock Drawings in Valcamonica
ヴァルカモニカ(カモニカ渓谷の岩絵群)
イタリア北部・ロンバルディア地方に位置するヴァルカモニカ(カモニカ渓谷)では、先史人類よって描かれた14万点に及ぶ岩絵が約70kmもの範囲で発見されています。その絵柄は、戦争や狩猟・農耕、宗教的儀式の様子など様々で、中には紀元前8000年頃の旧石器時代のものもあります。岩絵はこの地の人々によって、約8,000年にわたって描かれ続けましたが、紀元前1世紀のローマ軍の侵攻を境に岩絵を描く文化が途絶えたと考えられています。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1979年 / 登録基準: (iii)(vi)
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ヴィチェンツァの市街とヴェネト地方のパッラーディオ様式の別荘群

City of Vicenza and the Palladian Villas of the Veneto
ヴィチェンツァの市街とヴェネト地方のパッラーディオ様式の別荘群
紀元前2世紀に設立された古い街「ヴィチェンツァ」は建築家アンドレア・パッラーディオによってルネサンス調の都市に生まれ変わりました。16世紀、ヴェネツィアの支配下にあったヴィチェンツァで「後期ルネサンス期を代表する建築家」と称されたパッラーディオは街の改修を手掛けることになります。彼は古代ローマ建築を徹底的に研究して、もともとあった建築物と新たなデザインを融合させることで、街並を刷新しました。ヴィッラ・カプラは古代ローマ建築をモデルに、柱廊やドームを世俗建築に採用した「パッラーディオ様式」を代表する建築物です。彼が築き上げた建築様式は、その後ヨーロッパやアメリカ大陸で多大な影響を与えました。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1994年 / 登録基準: (i)(ii)
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ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター・アビーとセント・マーガレット教会

Palace of Westminster and Westminster Abbey including Saint Margaret’s Church
ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター・アビーとセント・マーガレット教会
ロンドン中心部のテムズ川沿いに位置するウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター・アビー(修道院)、そしてセント・マーガレット教会は11世紀に建てられた歴史的建築物として世界中に広く知られています。何世紀にもわたって共に変化してきたこれらの建築物は、英国王室と議会、そして教会の絡み合った歴史を物語っており、今も英国の社会と政治において極めて重要な役割を果たしています。宮殿とウェストミンスター・アビーは、11世紀に敬虔なキリスト教徒であったエドワード王によって建てられました。前者は現在国会議事堂として使用されており、後者は国王及び女王の戴冠式、結婚式などの王室行事の場として機能しています。
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ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群

Renaissance Monumental Ensembles of Úbeda and Baeza
ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群
スペイン南部アンダルシア地方にある2つの小都市ウベダとバエーサは、スペインで初めてルネサンス様式の理念に基づいて改修された街です。9世紀にはイスラム教徒の支配下にありましたが、13世紀にレコンキスタ(国土回復運動)によってキリスト教徒のもとに戻ります。やがて、16世紀に都市改修計画が行われ、ルネサンスの影響を受けた街として発展を遂げました。ウベダのエル・サルバドル教会やバスケス・デ・モリーナ宮殿(現在の市庁舎)、パラドール、バエーサの大聖堂など8件が世界遺産に登録されています。改修では、建築家アンドレス・デ・ヴァンデルヴィラの貢献が石工技術を大きく発展させ、後にラテンアメリカの建築へも大きな影響を与えました。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2003年 / 登録基準: (ii)(iv)
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ウラジーミルとスーズダリの白い建造物群

White Monuments of Vladimir and Suzdal
ウラジーミルとスーズダリの白い建造物群
モスクワから東へ約200kmの場所にある『ウラジーミルとスーズダリの白い建造物群』はウラジーミル、スーズダリ、そしてキデクシャの建造物から構成されるシリアル・サイトです。白い石灰岩の石積み、洗練されたプロポーション、精巧な石工彫刻、そして建物と周囲の自然景観の調和がこの遺産の特徴となっています。
地域: ヨーロッパ / 国名: ロシア連邦 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1992年 / 登録基準: (i)(ii)(iv)
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エーランド島南部の農業景観

Agricultural Landscape of Southern Öland
エーランド島南部の農業景観
スウェーデン南東部バルト海に浮かぶエーランド島の南部には、先史時代から現代に至るまで、人々が農業とともに生きたことを伝える景観が残っています。石灰岩質の痩せた土壌にもかかわらず約5,000年もの間、人々はこの島の地形に適応しながら暮らしてきました。現在見られる農業景観や地域社会には、鉄器時代にまで遡る土地利用・区分、地名といった独自の文化的伝統が残されています。また、青銅器時代や鉄器時代の墓所や、16~18世紀につくられた大小400基もの風車も残っています。島民は現在でも、何世代にも渡って耕されてきた土地を耕し、何千年と受け継いできた牧草地で家畜の放牧を行っています。この類稀な文化継承は「生きた農業景観」として将来世代へ受け継ぐ重要性を語っています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スウェーデン王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (iv)(v)
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エトナ山

Mount Etna
エトナ山
シチリア島東部にあるエトナ山は、世界で最も活発に活動している成層火山として知られています。頂上の火口では絶えることなく噴火活動が継続しており、側面部や亀裂からは頻繁に溶岩流が流れ出ます。直近では、2025年6月に大規模な噴火が発生しました。一方で、地中海周辺の島で最も高い山でもあるエトナ山の歴史は古く、50万年前まで遡ることができると考えられています。文献上では少なくとも2,700年前から継続的な噴火の記録が残されており、火山活動の歴史について文書で記録された世界で最も古い例のひとつとされています。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2013年 / 登録基準: (viii)
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エルチェの椰子園

Palmeral of Elche
エルチェの椰子園
スペイン地中海沿岸、バレンシア地方南部の街エルチェには、かつてイベリア半島を支配したイスラム教徒によってつくられた椰子園があります。67の果樹園によって構成されており、中東・北アフリカ原産のナツメヤシが約4万5,000本も植えられています。中には、高さ30m以上に成長し300年以上も生き続けている個体もあります。用水路に沿ってヤシの木が1~2列で並んでおり、イスラムの高度な灌漑技術も垣間見えます。ここで育った白色のヤシの葉は、イベリア半島各地で装飾や棕櫚の主日(聖枝祭、エルサレム入城の日)の用途として広く利用されています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (ii)(v)
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エンゲルスベリの製鉄所

Engelsberg Ironworks
エンゲルスベリの製鉄所
スウェーデン、ヴェストマンランド地方にある『エンゲルスベリの製鉄所』は、17~19世紀にかけてスウェーデンの鉄鋼産業に多大な影響を残しました。ここは、スウェーデンの基幹産業が、鉄鉱石の採掘、製鉄となるに至る歴史を伝える場所です。12世紀に農業活動を補うために、この地で鉄鉱石の採掘、製錬のための工場建設が始まりました。そして18世紀末には、鉱石粉砕機や炭貯蔵庫、そして現在も残る高炉などが当時の最新技術で導入され、生産量が大幅に増加します。しかし、技術の進歩に追いつけず、最終的には1919年に操業を停止しました。現在では高炉の他に、検査官の家や庭師の家、工場主の木造家屋など50軒以上の建物がほぼ完全な形で保存されています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スウェーデン王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1993年 / 登録基準: (iv)
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オークニー諸島の新石器時代遺跡

Heart of Neolithic Orkney
オークニー諸島の新石器時代遺跡
オークニー諸島はスコットランドの海岸から北へ15km離れた沖合にあります。この遺産は、諸島最大の島、メインランド島にある4つの新石器時代遺跡によって構成されています。紀元前4,000年ごろ、農耕文化は北西ヨーロッパにまで広まり、この地で定着していきました。遺跡からは、消滅した5,000年前の生活様式や社会構造、祭祀や埋葬に対する考え方に至るまで、当時の文化を垣間見ることができます。また、この地の巨石文化は北西ヨーロッパを象徴するだけでなく、イギリスのストーンヘンジやアイルランドのボイン渓谷の起源でもあると考えられています。
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オザラ・コクアの森林山塊

Forest Massif of Odzala-Kokoua
オザラ・コクアの森林山塊
中部アフリカに位置するコンゴ共和国の北部、バテケ高原とコンゴ低地林、コンゴ盆地の北西端にある一帯が世界遺産として登録されています。園内には密林や河畔林などの森林、乾燥・湿潤サバンナ地帯が広がっており、複数の生態系が交差するホットスポットとして生態学的に貴重な場所とされています。一帯は、アフリカ中央部におけるマルミミゾウの最も重要な拠点のひとつとなっているほか、ニシローランドゴリラやチンパンジーが生息するなど霊長類の多様性が豊かな場所でもあります。また、コンゴ・ガボン・カメルーンの参加する三国間保護地域=TRIDOMランドスケープにも位置しており、『サンガ川流域-三カ国を流れる大河』の世界遺産登録エリアに隣接しています。ラムサール条約登録湿地や生物圏保存地域など様々な生物の保全地域が含まれており、野生生物の貴重な営みを守るべく日夜、努力が注がれています。 
地域: アフリカ / 国名: コンゴ共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2023年 / 登録基準: (ix)(x)
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オネガ湖と白海の岩絵群

Petroglyphs of Lake Onega and the White Sea
オネガ湖と白海の岩絵群
ロシア北西部カレリア共和国に位置する『オネガ湖と白海の岩絵群』は、オネガ湖にある22の遺跡と白海にある11の遺跡に点在する合計4,500以上の岩絵によって構成されています。岩絵が出現したのは約6,000~7,000年前の新石器時代です。これまでに、白鳥を含む水鳥や半人半獣の姿の絵などが発見されてきました。また周辺からの発掘品から、オネガ湖の竪穴式石器集団の一部が水路を通って徐々に白海へ移動したことも判明しています。ここは、岩絵や集落、埋葬地などの考古学的遺跡とともに、北ヨーロッパにおける狩猟採集民の文化を証言しています。
地域: ヨーロッパ / 国名: ロシア連邦 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2021年 / 登録基準: (iii)
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カールスクローナの軍港

Naval Port of Karlskrona
カールスクローナの軍港
バルト海に臨むカールスクローナは、17世紀後半に建設された、ヨーロッパ初の近代的な軍港都市です。ヨーロッパの列強が戦争と海戦によって地位を確保していた当時、スウェーデンはバルト海の覇権をめぐり他国と争っていました。1680年、国王カール11世によってカールスクローナの軍港は建設されます。ここは、スウェーデンにとって他国の船舶に睨みを利かせるために理想的な場所でした。
地域: ヨーロッパ / 国名: スウェーデン王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1998年 / 登録基準: (ii)(iv)
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