World Heritage Sites

世界遺産一覧

(登録基準(iii)(viii))

カステル・デル・モンテ

Castel del Monte
カステル・デル・モンテ
イタリア南部のプーリア州にある城塞で、1240年に神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ2 世によって築かれました。その設計は「8」に拘っています。この城の外観を上空から見ると、八角形の中庭を、城の本体となる八角形の壁が取り囲んでいて、さらに周壁の角には八角形の小塔が8つ配置されています。また、屋根の貯水槽にたまった雨水が各部屋に供給されるといった工夫がなされています。その一方で、この時代の城郭によく見られる堀や馬小屋などはなく、軍事的な要塞としての機能が見られません。また、出入り口となる扉付近はローマ古典様式、壁の窓はゴシック様式、そして浴槽の設備などにはイスラム文化の影響も伺えて、さまざまな建築様式が美しく融合した城となっています。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1996年 / 登録基準: (i)(ii)(iii)
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カスビのブガンダ王国の王墓

Tombs of Buganda Kings at Kasubi
カスビのブガンダ王国の王墓
首都カンパラの北西3kmにある「カスビの丘」に、ブガンダ王国の王墓群があります。ブガンダ王国は農耕民族ガンダ族主体の王国で13世紀頃建国され、ヴィクトリア湖の北西岸で発展し、19世紀に隆盛を極めました。20世紀に湖の地が「ウガンダ」として英国より独立した際も王国として存続しましたが、その後王制は廃されました。ここはいまでもガンダ族の人々の精神的なよりどころとなっています。なお、現在の国名の「ウガンダ」は、スワヒリ語で「ブガンダ」を意味します。
地域: アフリカ / 国名: ウガンダ共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2001年 / 登録基準: (i)(iii)(iv)(vi)
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カゼルタの18世紀の王宮と庭園、ヴァンヴィテッリの水道橋、サン・レウチョの関連遺産

18th-Century Royal Palace at Caserta with the Park, the Aqueduct of Vanvitelli, and the San Leucio Complex
カゼルタの18世紀の王宮と庭園、ヴァンヴィテッリの水道橋、サン・レウチョの関連遺産
イタリア南西部、ナポリ近郊カゼルタに、ポーランド継承戦争が終わった18世紀の終わり、混迷の時代に、ナポリ王・カルロ7世(ブルボン家・カルロス3世)の命により、ヴェルサイユとマドリードの王宮に対抗してイタリアで最も壮大な王宮と庭園、水道橋等が建築されました。建築したのはルイージ・ヴァンヴィテッリとその息子。王宮以外にも、広大な森林地帯に24の国の庁舎、付属劇場等が作られ、19世紀にはブルボン家の貴族たちが春と秋の離宮として利用されました。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1997年 / 登録基準: (i)(ii)(iii)(iv)
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カナイマ国立公園

Canaima National Park
カナイマ国立公園
カナイマ国立公園は、南米ベネズエラの南東部、ギアナ高地に位置し、面積は約300万ヘクタールに及びます。これは四国の約1.6倍に相当し、世界最大級の自然保護区の一つとされています。公園の65%はテーブルマウンテン(テプイ)と呼ばれる独特な地形で覆われており、これらの地形は生物学的・地質学的に非常に重要な存在です。
地域: 南米 / 国名: ベネズエラ・ボリバル共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1994年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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カナディアン・ロッキー山脈国立公園群

Canadian Rocky Mountain Parks
カナディアン・ロッキー山脈国立公園群
ロッキー山脈は、約6,000万年前に造山活動によって地上に姿を現したとされています。4,500kmにも連なる山々の内、カナダ側の2,200kmの連峰がカナディアン・ロッキーと呼ばれています。世界遺産に登録されているのは4つの国立公園と3つの州立公園です。中でも、表玄関となるのが「バンフ国立公園」です。大陸横断鉄道が通ることから地元民から「この美しい景観を輸送できないなら、観光客を輸入しよう」と言われるほど、カナダが誇る世界有数の景勝地となっています。また、バンフ国立公園内にあるルイーズ湖も有名で、「カナディアン・ロッキーの宝石」と称えられています。1882年に先住民以外の人に初めて発見され、当初は「エメラルド湖」という名だったのですが、ルイーズ王女の名にちなみ「ルイーズ湖」となりました。
地域: 北米 / 国名: カナダ / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1984年 / 登録基準: (vii)(viii)
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カホキア・マウンド州立史跡

Cahokia Mounds State Historic Site
カホキア・マウンド州立史跡
イリノイ州南西部、ミシシッピ川左岸に位置するカホキア・マウンド州立史跡は、メキシコ以北において最大の古代先住民集落の遺跡です。本遺跡は、ミシシッピ文化(800〜1350年)の文化、宗教、経済の中心地として栄え、ミシシッピ渓谷およびアメリカ合衆国南東部にまで広がったミシシッピ文化を代表するものです。この農耕社会は、最盛期である1050年から1150年の間において1万人から2万人の人口を有していたと推定されており、これは当時のヨーロッパの多くの都市の人口に匹敵する規模でした。「太陽の都市」とも呼ばれたカホキアは、かつては16?以上の広さを誇り、およそ120基の土塁(マウンド)が残されています。
地域: 北米 / 国名: アメリカ合衆国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1982年 / 登録基準: (iii)(iv)
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「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

Sacred Island of Okinoshima and Associated Sites in the Munakata Region
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
沖ノ島は、玄界灘に浮かぶ周囲約4kmの孤島で、4世紀後半から9世紀末の約500年間の古代祭祀の祭祀の変遷を伝える考古遺跡がほぼ手つかずの状態で残っています。ここでは宗像三女神の信仰が生まれ現在にまで伝えられており、古代から今日に至るまで発展し継承されてきたことを示す貴重な証拠になっています。沖ノ島への上陸は原則禁止されており、神職が交代で奉仕を行うなど、厳格な禁忌が守られています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2017年 / 登録基準: (ii)(iii)
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カムチャツカ火山群

Volcanoes of Kamchatka
カムチャツカ火山群
ロシアのユーラシア大陸北東部、カムチャッカ半島にある6つの火山が世界遺産登録されています。カムチャッカ半島には300以上の活火山があり、比較的規模の小さな爆発を繰り返す「ストロンボリ式」、粘り気の少ないマグマが連続的に流れ出す「ハワイ式」など様々なタイプの活火山があることから「火山の博物館」とも呼ばれています。カムチャッカ半島の3,000mを超える山は、活火山であっても氷河や氷帽が見られ、複雑で険峻な地形を作り出しています。
地域: ヨーロッパ / 国名: ロシア連邦 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1996年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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ガラパゴス諸島

Galápagos Islands
ガラパゴス諸島
ガラパゴス諸島は、南米のエクアドル本土から西に約1,000km、赤道直下の東太平洋沖に位置しています。大小19の島と周辺の岩礁からなるガラパゴス諸島は、海底火山の噴火によって誕生した島で、これまでに一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島です。動植物は隔絶された島の環境に適応し、独自の進化を遂げていきました。現在、ガラパゴス諸島の陸地の97%は保護地区となっており、サンタ・クルス、イサベラ、サン・クリストバル、フロレアナの4つの島を除き、人は住んでいません。
地域: 南米 / 国名: エクアドル共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1978年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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ガレリウス帝の宮殿、ガムジグラード-ロムリアーナ

Gamzigrad-Romuliana, Palace of Galerius
ガレリウス帝の宮殿、ガムジグラード-ロムリアーナ
ローマ皇帝(在位:305~311)ガイウス・ウァレリウス・マクシミアヌス・ガレリウスによって建造された街で、彼の母ロムラの名を取ってロムリアーナとも呼ばれていました。ガレリウスはローマ帝国を4分割し、二人の正帝と二人の副帝によって統治していた時代(テトラルキア時代)の皇帝で帝国の東側を統治した皇帝の一人で、古代ローマの属州モエシアの農民出身から軍人となり皇帝となった人物です。ガムジグラードは、彼が政治の表舞台を去った後の余生を過ごした地で、彼の生誕地でもあります。
地域: ヨーロッパ / 国名: セルビア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2007年 / 登録基準: (iii)(iv)
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カンチェンジュンガ国立公園

Khangchendzonga National Park
カンチェンジュンガ国立公園
インド北部シッキム州のヒマラヤ山脈に位置する『カンチェンジュンガ国立公園』は、標高8,586mの世界第3位の高峰カンチェンジュンガを中心とする国立公園です。標高差は最大でおよそ7.3km(標高1,220m〜8,586m)もあり、ヒマラヤ山脈の中でも非常に急峻な地形が特徴です。この高度差によって気候や降水量の違いが生じ、亜熱帯から高山地帯まで多彩な生態系を有しています。園内には非常に多様な動植物が生息しており、固有種や希少種の多さも評価されています。また、多数の湖や氷河が点在しており、その中には全長26kmのゼム氷河も含まれます。
地域: 西・南アジア / 国名: インド / 分類: 複合遺産 / 登録年: 2016年 / 登録基準: (iii)(vi)(vii)(x)
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キーウ:聖ソフィア聖堂と関連修道院群、キーウ・ペチェルーシク大修道院

Kyiv: Saint-Sophia Cathedral and Related Monastic Buildings, Kyiv-Pechersk Lavra
キーウ:聖ソフィア聖堂と関連修道院群、キーウ・ペチェルーシク大修道院
9~13世紀にキリスト教圏の東端で栄えたキエフ大公国(キーウ・ルーシ)が首都キーウに残したキリスト教関連の建築物群です。キエフ大公国は10世紀末にギリシャ正教を国教として公認し、ビザンツ様式の教会や修道院が数多く建てられました。キーウの中心部にある聖ソフィア聖堂はキーウ・ルーシ全盛期の11世紀にヤロスラフ賢公によって建設されたキーウ最古の聖堂です。後にロシア各地の聖堂建築に影響を及ぼしたことから、「ロシア聖堂の母」と呼ばれます。郊外の高台に立つキーウ・ペチェルーシク大修道院はやはり11世紀に建設され、宗教・学問・教育の広い分野で中世ロシア有数の「知の中心」でした。13世紀にモンゴル軍により破壊されましたが、19世紀になって再興されました。世界遺産には、ペレストヴォ地域にある救世主聖堂も併せて登録されています。
地域: ヨーロッパ / 国名: ウクライナ / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1990年 / 登録基準: (i)(ii)(iii)(iv)
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紀伊山地の霊場と参詣道

Sacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range
紀伊山地の霊場と参詣道
紀伊山地は三重・奈良・和歌山にまたがる山岳地帯で、豊かな自然と深い森林が広がっています。古代から神々が宿る特別な場所とされ、神仏習合の宗教観に基づかれた霊場が形成されました。熊野三山、高野山、吉野・大峯の三霊場と、それらを結ぶ参詣道は、日本の宗教文化に大きな影響を与え、今も多くの信仰を集めています。それらは自然環境を中心に育まれ、今なお共存しているため、日本ではじめて文化的景観が認められました。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2004年 / 登録基準: (ii)(iii)(iv)(vi)
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キナリグ人の文化的景観と移牧の道「カッチ・ヨル」

Cultural Landscape of Khinalig People and “Köç Yolu” Transhumance Route
キナリグ人の文化的景観と移牧の道「カッチ・ヨル」
キナリグ人の文化的景観と移牧の道「カッチ・ヨル」は,アゼルバイジャン北部の大コーカサス山脈に位置するキナリグ村と,夏営地(ヤイラク)および段々畑,さらにアゼルバイジャン中部の低地平野にある冬営地(キシュラク),そしてそれらを結ぶ200kmに及ぶ季節的な移牧ルート「カッチ・ヨル」から成る,連続した文化的景観です。標高約2,200mのキナリグ村は,半農半牧生活を営むキナリグ人の故郷であり,彼らの文化と生活様式は,ヤイラクとキシュラク間の季節的な垂直移動によって特徴づけられています。キナリグ人は,古代から伝わる長距離の移牧の方法を現在も受け継いでいます。
地域: 西・南アジア / 国名: アゼルバイジャン共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2023年 / 登録基準: (iii)(v)
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キューの王立植物園

Royal Botanic Gardens, Kew
キューの王立植物園
ロンドン南西部、テムズ川沿いに位置する『キューの王立植物園』は132万m2の敷地面積を持つ世界最大規模の植物園です。1759年、イギリス王室のジョージ3世の母によって創建されて以来、何世紀にもわたって集められてきた莫大な植物学的コレクション(希少植物、海外から採集した植物、資料など)が展示されています。また国際的に知られている造園家のチャールズ・ブリッジマンやウィリアム・ケント、ランスロット・ブラウンなどの作品も見ることができます。キュー植物園の景観デザインや庭園、建物、植物コレクションは後に世界中に広まったガーデンアートと植物科学の発展の礎となっており、文化的景観の価値も認められています。
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ガリ

K’gari
ガリ
オーストラリア大陸の東海岸にある南北約120kmにわたる世界最大の砂の島です。大陸の東部にあるグレート・ディヴァイディング山脈から風化で削られた砂が飛んできて堆積して形成されました。砂丘は海鳥たちの生息地となり、鳥たちにより運ばれた種子が芽吹いて成長し、森が広がり安定した台地となりました。この島にはアボリジニの人々が約4万年前に初めて居住したと考えられています。先住民バジャラ族は、島を「天国」という意味の「ガリ」と呼びました。19世紀半ばに木材資源が豊富にあることが知られ、それを目的とするヨーロッパ人が大挙して来島しました。20世紀になると製材所や鉄道なども造られ、島の自然は荒廃していきましたが、1991年に伐採が全面的に停止されました。また、1976年には採掘も終了し、環境回復が進められています。
地域: オセアニア / 国名: オーストラリア連邦 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1992年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)
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クスコの市街

City of Cuzco
クスコの市街
クスコは、標高3,400mの高地に11~12世紀頃に建設された都市です。15世紀の9代皇帝パチャクテクの時代に絶頂期を迎え、現在のエクアドルからチリにいたる南北2,000kmの地域に約1,200万人もの人々が暮らす大帝国へと発展しました。街は明確な宗教的・行政的機能を備えた複雑な都市中心地へと発展し、周囲には、農業、職人技、工業生産のための地域に囲まれていました。
地域: 南米 / 国名: ペルー共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1983年 / 登録基準: (iii)(iv)
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グラナダのアルハンブラ宮殿、ヘネラリーフェ離宮、アルバイシン地区

Alhambra, Generalife and Albayzín, Granada
グラナダのアルハンブラ宮殿、ヘネラリーフェ離宮、アルバイシン地区
アンダルシア地方グラナダに位置するアルハンブラ宮殿、ヘネラリーフェ離宮、アルバイシン地区は、かつてのイスラム王朝時代の宮殿都市としての面影を残す遺構です。1232年、住民から招かれたイスラム勢力ナスル族のムハンマド1世によって、この地にグラナダ王国(ナスル朝)が興りました。当時は8世紀から続くレコンキスタ(国土回復運動)の最中にあり、周辺には小さなイスラム教国が残るのみでした。ナスル朝は、キリスト教勢力の大国カスティーリャ王国の封建的家臣として従うことで領土を守ってきました。しかし、14世紀半ばにヨーロッパでおきたペスト大流行や、キリスト教国同士の争いで滞っていたレコンキスタの最熱などにより、1479年に強大なスペイン王国が成立します。これに伴って、グラナダは1492年に陥落しレコンキスタは完結を迎えました。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1984年 / 登録基準: (i)(iii)(iv)
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グランド・キャニオン国立公園

Grand Canyon National Park
グランド・キャニオン国立公園
アメリカ西部のアリゾナ州を横断するグランド・キャニオンは、長年にわたるコロラド川の浸食作用と風化によってつくり出された、世界最大規模の渓谷です。全長は445km、深さは約1,500m、幅は500mから30kmにも及び、600万年にわたる地質活動の痕跡を現在に伝えています。この一帯の土地は、約6,500万年前に発生した地殻変動による造山活動によって隆起し、その結果としてコロラド高原が形成されました。約1,000万年前からは、軟らかい堆積層がコロラド川の浸食により削られ、約120万年前には現在の姿になったと考えられています。なお、この地域の隆起速度がコロラド川の浸食速度よりも遅かったため、川の流れが逸れることなく深い渓谷が形成されました。
地域: 北米 / 国名: アメリカ合衆国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1979年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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グランマ号上陸記念国立公園

Desembarco del Granma National Park
グランマ号上陸記念国立公園
グランマ号上陸記念国立公園は、キューバの南東部、シエラ・マエストラ山脈西側部分に位置する国立公園です。「グランマ号」はキューバの革命家フィデル・カストロが乗っていたヨットの名前で、グランマ号が上陸した岬があることが園名の由来となっています。この場所には、海上360mから海中180mに及ぶ石灰岩の海岸段丘が完全な形で残ります。海岸段丘とは、その名の通り海岸に沿って見られる階段状の地形のことです。地殻変動による隆起や海水面の低下によって、海面付近の浅く平らな海底が陸地となることが繰り返されて形成されます。この地域では、サンゴ礁由来の石灰岩が隆起して海岸段丘となり、その後の風化や溶食でカルスト地形が発達しました。最大100mの段丘崖を含む手つかずの景観や、直径77mのドリーネ(巨大な陥没穴)といった壮大なカルスト地形などが残ります。
地域: 中米・カリブ海 / 国名: キューバ共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1999年 / 登録基準: (vii)(viii)
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グレート・スモーキー山脈国立公園

Great Smoky Mountains National Park
グレート・スモーキー山脈国立公園
グレート・スモーキー山脈国立公園は、アメリカ合衆国東部のアパラチア山脈南部、ノース・カロライナ州とテネシー州の州境に位置しており、東京都とほぼ同じ面積を誇る広大な公園です。国立公園の名前は、煙のような特徴的な霧に包まれた山々に由来しています。広大な原生林と澄んだ小川の美しい景観を備え、並外れた自然美を誇っています。20万ヘクタールを超えるこの国立公園は、アパラチア山脈南部における最大級の手つかずの森林生態系の一つであり、北米に残る落葉樹、温帯、原生林の大規模地域の一つです。敷地の90%以上は原生林としての価値を考慮して管理されています。
地域: 北米 / 国名: アメリカ合衆国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1983年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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グレート・バリア・リーフ

Great Barrier Reef
グレート・バリア・リーフ
グレート・バリア・リーフは、オーストラリアの北東部の海岸沿いに広がる世界最大級のサンゴ礁です。全長は約2,300km、面積約35万㎢もの大きさで、多くのサンゴや魚類などが生息しており、一帯は先住民アボリジニの漁場となっていました。1770年に探検家のジェームズ・クックがここで座礁したことから、その存在が知られるようになり、20世紀に入ってから本格的な調査が行われるようになりました。ここはサンゴ礁がまさに「バリア」となって外敵から守られているため、多くの海洋生物の安住の地であり、絶滅危急種のジュゴンやウミガメ類が生息しています。
地域: オセアニア / 国名: オーストラリア連邦 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1981年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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京杭大運河

The Grand Canal
京杭大運河
『京杭大運河』は、中国の東部から中央部の平原を縦断する運河であり、北は北京市から南は杭州市までを結んでいます。紀元前5世紀から開削が始まり、604年に隋の煬帝が即位すると、これまでに掘られていた運河に加えて、新たに黄河と淮河を結ぶ通済渠や、黄河と天津を結ぶ永済渠、長江から杭州を結ぶ江南河が開削され、大運河が完成しました。これによって政治の中心である河北と、経済の中心である河南が結ばれ、江南の穀物・物産の河北への供給や、軍隊の移動などに活用されました。しかし、このような大運河の建設や、周辺諸国への遠征が隋の経済を圧迫し、各地で反乱が起きて隋は倒されることになりました。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2014年 / 登録基準: (i)(iii)(iv)(vi)
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ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群

Gebel Barkal and the Sites of the Napatan Region
ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群
ナイル川流域には、クシュ王国の文化を物語る重要な遺跡群が広がっています。クシュ王国はアフリカ最古級の黒人国家であり、紀元前900年から前270年にかけて栄えたナパタ文化と、前270年から後350年にかけて栄えたメロエ文化の2つに分かれています。前10世紀にクシュ王国が誕生し、前730年にはピアンキ王がエジプト全域を統治することになります。そこから約70年という長いナパタ王国時代が続きます。遺跡群にはピラミッド付きの墓、寺院、住居、宮殿などが含まれています。これらの遺跡は、古代の建築技術や宗教儀式を今に伝える貴重な証拠となっており、古代文明の深い歴史を感じさせます。また、当時の社会構造を理解するための手がかりとして非常に重要です。
地域: アフリカ / 国名: スーダン共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2003年 / 登録基準: (i)(ii)(iii)(iv)(vi)
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紅河ハニ族棚田群の文化的景観

Cultural Landscape of Honghe Hani Rice Terraces
紅河ハニ族棚田群の文化的景観
雲南省南部、紅河ハニ族イ族自治州を流れる紅河南岸には、少数民族のハニ族が築いた棚田群が広がっています。世界遺産に登録されている総面積は約166㎢に及び、3,000段を有するともされる棚田は世界最大規模を誇ります。山岳地帯の狭い峡谷で生活している少数民族のハニ族は、自然環境を利用した独自の灌漑システムをもつ棚田群を作り上げ、1,300年にわたって棚田と伝統的な生活を守り続けてきました。ハニ族にとって森林は神が宿る神聖な地であることから、長年森林を保護してきました。そして「森林」と「水源」、「棚田」、「村」の四つの要素からなる、生態学的に優れた循環型灌漑システムを作り上げています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2013年 / 登録基準: (iii)(v)
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高句麗古墳群

Complex of Koguryo Tombs
高句麗古墳群
北朝鮮の首都、平壌周辺の高句麗古墳群は、高句麗王国の中・後期にあたる4〜7世紀ごろに建造された63基からなる古墳群で、その多くに美しい壁画が残されています。高句麗は、現在の中国東北部と朝鮮半島にかけて栄えた最強の王国のひとつでした。これまでに中国と朝鮮半島で発見された1万以上の高句麗の古墳のうち、壁画が描かれている古墳は約90か所で、これらの古墳のほぼ半分は世界遺産登録された地域にあります。壁画の図柄は、青龍、白虎、朱雀、玄武を描いた四神図や狩猟図、それに日本の高松塚古墳のものと似た女性像など多岐にわたっています。衣装、食べ物、住居生活、埋葬の習慣、さらには宗教的儀式など、今は消えてしまった高句麗文化の豊かさを伝える証となっています。高松塚古墳やキトラ古墳の壁画との関連性も指摘されており、高句麗王国が日本を含む東アジアに大きな影響を与えていたことを示唆しています。
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杭州にある西湖の文化的景観

West Lake Cultural Landscape of Hangzhou
杭州にある西湖の文化的景観
浙江省杭州市の中心部にある外周15kmほどの西湖は、三方を丘に囲まれ霧に包まれることが多いところです。この山水画のような世界は、9世紀の唐代以降多くの文人墨客を惹きつけてきました。13世紀に南宋が首都を置いて以降、杭州は中国人にとって伝統的な景観の最高例となりました。13世紀にこの地を訪れたマルコ・ポーロもその美しさを絶賛しました。西湖の周辺には、中国の歴史ある寺廟や楼閣、庭園などが多くあり、湖に浮かぶ3つの島や人工的に造られた2ヵ所の堤防などが絵画的に眺望を演出しています。これは人々がより一層美しい景観を求めて、自然の姿に「改良」を重ねてきたことで生み出された文化的景観です。
地域: 東・東南アジア / 国名: 中華人民共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2011年 / 登録基準: (ii)(iii)(vi)
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コソボの中世建造物群

Medieval Monuments in Kosovo
コソボの中世建造物群
デチャニ修道院はセルビア王ステファン・デチャンスキのために建てられ、彼の霊廟にもなっています。この修道院には、1329年に献堂されたバルカン半島最大の規模を誇る主聖堂があり、同時代の他の様式とは異なるロマネスク様式の外観となっています。他の構成資産でも、特徴的な4つのドーム型教会を有するペーチ総主教区修道院やビザンチン様式とロマネスク様式が融合したリェヴィシャの聖母教会のフレスコ画など、独特の様式を持つビザンチン・ロマネスク教会文化の最高潮を反映しています。
地域: ヨーロッパ / 国名: セルビア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2004年 / 登録基準: (ii)(iii)(iv)
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古代都市サーマッラー

Samarra Archaeological City
古代都市サーマッラー
イラクの首都バグダードの北西約130km、ティグリス川沿いに位置する『古代都市サーマッラー』は、9世紀にイスラム王朝のアッバース朝の首都として栄えた都市の遺跡です。当時アッバース朝は中央アジアから北アフリカまでを支配し隆盛を誇っていました。サーマッラーは、当時の都市遺跡としては現在唯一原形を残しているもので、都市計画の平面プランや数々の特徴的な建築物、彫刻やモザイクなどが残っています。また、イスラム教シーア派の聖地ともなっています。
地域: 西・南アジア / 国名: イラク共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2007年 / 登録基準: (ii)(iii)(iv)
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高敞、和順、江華の支石墓跡

Gochang, Hwasun and Ganghwa Dolmen Sites
高敞、和順、江華の支石墓跡
全世界に現存するドルメンの約半数、すなわち約3万基が韓国に集中しています。ドルメンとは、巨大な頂石を2つ以上の石塊で支えた墓石のことで、すなわち支石墓です。東アジアでは、紀元前1千年紀において『高敞、和順、江華の支石墓跡』は、紀元前2000〜3000年から、その後の時代にかけて形成された巨石文化の証拠です。この遺跡は、高敞、和順、江華の3つの地域に分布しています。特に高敞には、最大かつ最も多様なドルメンが集合しており、その数は440基以上にも及びます。これらのドルメンは、故人の遺体や骨の上に建てられたと考えられています。『高敞、和順、江華の支石墓跡』のように、これほど多くのドルメンが一箇所に集まっている遺跡は世界的にも非常に珍しく、先史時代の人々の社会構造や信仰、儀式のあり方を知るうえで極めて重要な遺産です。
地域: 東・東南アジア / 国名: 大韓民国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (iii)
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