World Heritage Sites

世界遺産一覧

("生物進化"関連)

奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島

Amami-Oshima Island, Tokunoshima Island, Northern part of Okinawa Island, and Iriomote Island
奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島
この地域は、絶滅危惧種や固有種が多く生息する生物多様性のホットスポットです。多くの分類群において多くの種が確認されており、ヤンバルクイナやノグチゲラなどの絶滅危惧種、中琉球と南琉球に固有の種も多く見られます。また、アマミノクロウサギなどの飛翔能力を持たない陸生脊椎動物や植物においても、固有種が多く存在する独特な生物相が形成されています。さまざまな固有種の進化だけでなく、環境の変化の中で特定の地域にのみ残った遺存固有種や、独自の進化を遂げた種の例も多く確認されています。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2021年 / 登録基準: (x)
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アルダブラ環礁

Aldabra Atoll
アルダブラ環礁
インド洋上に浮かぶアルダブラ環礁は、アフリカ大陸から640kmも離れているため、これまでほとんど人間が近づくことはありませんでした。「環礁」とはサンゴ礁の一種であり、中央の島の部分が完全に水没してしまっている状態のサンゴ礁を示します。アルダブラ環礁はラグーン(潟湖)を含めると琵琶湖の半分ほどの大きさを誇り、独自の生態系が広がります。ここにはインド洋上でもっとも多くの海鳥が集まり、またタイマイやアオウミガメが産卵場所を求めてやってきます。この状況をみた『進化論』でも有名なチャールズ・ダーウィンは、当時の政府に保護を進言したほどでした。
地域: アフリカ / 国名: セーシェル共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1982年 / 登録基準: (vii)(ix)(x)
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アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器時代洞窟壁画

Cave of Altamira and Paleolithic Cave Art of Northern Spain
アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器時代洞窟壁画
アルタミラ洞窟を含むスペイン北部の18の洞窟では、紀元前3万5000年〜前1万1000年の旧石器時代に洞窟壁画技術が絶頂期を迎えたことを示しています。氷河期末の前1万7000〜前1万3000年頃、西ヨーロッパではマグダレニアンと呼ばれる芸術的到達点が訪れます。しかし、前1万3000年〜前1万1000年頃にかけての気温上昇によって人類の生活スタイルが変化したことで、洞窟美術は衰退していきます。ラス・マデダス洞窟の壁画を最後前1万1000年以降、洞窟壁画は描かれなくなったと考えられています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1985年 / 登録基準: (i)(iii)
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イエローストーン国立公園

Yellowstone National Park
イエローストーン国立公園
イエローストーン国立公園は、世界遺産条約が採択されるちょうど100年前の1872年に誕生しました。この100年というのは偶然ではありません。1971年2月、アメリカ合衆国大統領のリチャード・ニクソンが、「イエローストーン国立公園」設立100周年に当たる1972年に自然遺産と文化遺産を共に保護する国際的な体制を立ち上げると演説します。そこから様々な案が一気にまとめられ、世界遺産条約がユネスコ総会で採択されました。そして「イエローストーン国立公園」は、1978年に世界で最初に登録された世界遺産のひとつになりました。
地域: 北米 / 国名: アメリカ合衆国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1978年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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ウアスカラン国立公園

Huascarán National Park
ウアスカラン国立公園
ウアスカラン国立公園はペルーのアンデス中央部、世界最高峰の熱帯山脈コルディジェラ・ブランカ山群のほぼ全域に広がっています。​この公園は、標高約2,500mから6,000m以上に及ぶ多様な標高帯を有し、27の6,000m級の雪山を含む壮大な景観が広がっています。​特に、標高6,768mのウアスカラン山はペルー最高峰であり、同国の象徴的な存在です。他にもトルコブルーの美しいヤンガヌコ湖などがあります。
地域: 南米 / 国名: ペルー共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1985年 / 登録基準: (vii)(viii)
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ウィランドラ湖地域

Willandra Lakes Region
ウィランドラ湖地域
オーストラリア大陸の南部、旧マンゴ湖周辺の砂漠地帯にある約1万5,000年前に干上がった乾燥湖です。ここはアフリカ以外で現生人類ホモ・サピエンス・サピエンスが生活していた痕跡が残る最古の地で、4~5万年前から先住民アボリジニが暮らしていました。かれらの描いた岩絵跡も残っており、複合遺産となっています。この地域からは、26,000年前に火葬された女性の骨など百数十体のホモ・サピエンス・サピエンスの骨が出土しており、世界最古の火葬場や植物食物の採集システムの痕跡も見つかっています。ウィランドラ湖は、新生代更新世(約25万年前~約1万2000年前まで)に4回あったとされる氷河期にも凍らなかったとされ、この期間の環境や生態系の変化、さらには現生人類ホモ・サピエンス・サピエンスの文化や生活の変遷を知ることのできる貴重な場所となっています。
地域: オセアニア / 国名: オーストラリア連邦 / 分類: 複合遺産 / 登録年: 1981年 / 登録基準: (iii)(viii)
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ヴィルンガ国立公園

Virunga National Park
ヴィルンガ国立公園
ヴィルンガ国立公園は、1925年にマウンテンゴリラの保護を目的として設立された、コンゴ民主共和国初の国立公園です。この国立公園は、アフリカ大地溝帯(グレート・リフト・バレー)にあるアルバーティーン地溝帯の中心に位置しています。アフリカでも屈指の活火山であるニアムラギラ火山と、富士山に近い標高3,470mのニイラゴンゴ火山があり、この二つの活火山でアフリカの歴史的な大噴火の5分の2が発生していることから、地質学的にも非常に重要な場所として世界遺産に登録されました。また、隣国ウガンダの世界遺産『ルウェンゾリ山地国立公園』にも隣接しており、山地林だけでなく、サバンナや氷河も広がっています。
地域: アフリカ / 国名: コンゴ民主共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1979年 / 登録基準: (vii)(viii)(x)
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エトナ山

Mount Etna
エトナ山
シチリア島東部にあるエトナ山は、世界で最も活発に活動している成層火山として知られています。頂上の火口では絶えることなく噴火活動が継続しており、側面部や亀裂からは頻繁に溶岩流が流れ出ます。直近では、2025年6月に大規模な噴火が発生しました。一方で、地中海周辺の島で最も高い山でもあるエトナ山の歴史は古く、50万年前まで遡ることができると考えられています。文献上では少なくとも2,700年前から継続的な噴火の記録が残されており、火山活動の歴史について文書で記録された世界で最も古い例の1つとされています。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2013年 / 登録基準: (viii)
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小笠原諸島

Ogasawara Islands
小笠原諸島
小笠原諸島は、日本列島から約1,000km南に位置する孤立した島々で、他の大陸と陸続きになったことがないため、長期間隔絶した環境での進化や適応放散などで、独自の進化を遂げた動植物が多く生息しています。小笠原群島は、地殻のプレートが沈み込むことで形成される海洋性島弧に分類されています。このような環境では、生物集団が極端に偏るという特徴がみられ、種の分布の過程を知ることができる点が貴重です。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2011年 / 登録基準: (ix)
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オカピ野生動物保護区

Okapi Wildlife Reserve
オカピ野生動物保護区
コンゴ民主共和国北東部には、 コンゴ盆地の北東部、イトゥリの森には、世界三大珍獣のひとつに数えられるオカピの保護区があります。オカピは、20世紀初頭にイギリス人探検家ヘンリー・ジョンストンに発見された動物で、ロバとウマの中間ほどの大きさで、シマウマのような横縞のある脚をもちます。かつてはシマウマの仲間と思われていましたが、実際はキリンの仲間だそうです。アフリカに生息するオカピの約6分の1にあたる、約5,000頭が生息すると言われています。
地域: アフリカ / 国名: コンゴ民主共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1996年 / 登録基準: (x)
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カカドゥ国立公園

Kakadu National Park
カカドゥ国立公園
カカドゥ国立公園は、オーストラリア北部に位置する国立公園で、マングローブが群生する干潟や雨季には沼地と化す氾濫原、熱帯雨林、サバンナなど、様々な自然環境が広がり、多くの野生動植物が見られます。植物は1,600種を超え、動物は「人食いワニ」の逸話で有名なイリエワニをはじめ123種類の爬虫類、ワラビーなど60種類以上の哺乳類、「ジャビル」と呼ばれるコウノトリ科のセイタカコウなど270種類以上の鳥類のほか、数千種にも及ぶ昆虫が生息しています。
地域: オセアニア / 国名: オーストラリア連邦 / 分類: 複合遺産 / 登録年: 1981年 / 登録基準: (i)(vi)(vii)(ix)(x)
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カナイマ国立公園

Canaima National Park
カナイマ国立公園
カナイマ国立公園は、南米ベネズエラの南東部、ギアナ高地に位置し、面積は約300万ヘクタールに及びます。これは四国の約1.6倍に相当し、世界最大級の自然保護区の一つとされています。公園の65%はテーブルマウンテン(テプイ)と呼ばれる独特な地形で覆われており、これらの地形は生物学的・地質学的に非常に重要な存在です。
地域: 南米 / 国名: ベネズエラ・ボリバル共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1994年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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ガラパゴス諸島

Galápagos Islands
ガラパゴス諸島
ガラパゴス諸島は、南米のエクアドル本土から西に約1,000km、赤道直下の東太平洋沖に位置しています。大小19の島と周辺の岩礁からなるガラパゴス諸島は、海底火山の噴火によって誕生した島で、これまでに一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島です。動植物は隔絶された島の環境に適応し、独自の進化を遂げていきました。現在、ガラパゴス諸島の陸地の97%は保護地区となっており、サンタ・クルス、イサベラ、サン・クリストバル、フロレアナの4つの島を除き、人は住んでいません。
地域: 南米 / 国名: エクアドル共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1978年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林

Ancient and Primeval Beech Forests of the Carpathians and Other Regions of Europe
カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林
ヨーロッパの広範囲に広がる10種のブナ原生林は、氷河期後期からの生物進化やブナの分化の過程が知れる貴重な遺産です。ブナの他にもヨーロッパナラをはじめ、絶滅の危機に瀕した80種を含む1,067種の植物や101種の鳥類、73種の哺乳類などが登録地に生息しています。また、広大な森林には、IUCNのレッドリストにも記載されているキンメフクロウも生息しています。2007年にスロバキアとウクライナの世界遺産として登録されましたが、その後、登録範囲が順次拡大されていきました。この地のブナ原生林は、現存するヨーロッパブナ(ファグス・シルヴァティカ)の原生林として世界最大であり、その中には世界最樹高のブナの標木も含まれています。
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キリマンジャロ国立公園

Kilimanjaro National Park
キリマンジャロ国立公園
アフリカ大陸で一番高い山、それがキリマンジャロです。標高は5,895mもあります。山名のキリマンジャロは、スワヒリ語で「山」を意味する「キリマ」と、チャガ語で「白さ」という意味の「ンジャロ」が組み合わさったものとされています。タンザニア北東部、赤道直下にあるこの山は、サバンナの草原に囲まれながらも、雪をかぶった山がそびえる対照的な姿が幻想的です。周囲にはサル、ヒョウ、ライオン、ゾウなど多くの動物が暮らしており、中には絶滅の危機にある貴重な種類も生息します。標高3,000mを超えるあたりから、ヒースと呼ばれる灌木地帯や草原が広がり、色とりどりの野生の草花が見られます。さらに4,000mを越えると、昼間は気温が40度近くまで上がる一方で、夜は氷点下にまで冷え込む過酷な環境となり、生き物の姿はぐっと少なくなります。それでも、厳しい自然に適応して生きる植物や動物がわずかに息づいています。
地域: アフリカ / 国名: タンザニア連合共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1987年 / 登録基準: (vii)
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ガリ

K’gari
ガリ
オーストラリア大陸の東海岸にある南北約120kmにわたる世界最大の砂の島です。大陸の東部にあるグレート・ディヴァイディング山脈から風化で削られた砂が飛んできて堆積して形成されました。砂丘は海鳥たちの生息地となり、鳥たちにより運ばれた種子が芽吹いて成長し、森が広がり安定した台地となりました。この島にはアボリジニの人々が約4万年前に初めて居住したと考えられています。先住民バジャラ族は、島を「天国」という意味の「ガリ」と呼びました。19世紀半ばに木材資源が豊富にあることが知られ、それを目的とするヨーロッパ人が大挙して来島しました。20世紀になると製材所や鉄道なども造られ、島の自然は荒廃していきましたが、1991年に伐採が全面的に停止されました。また、1976年には採掘も終了し、環境回復が進められています。
地域: オセアニア / 国名: オーストラリア連邦 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1992年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)
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グランド・キャニオン国立公園

Grand Canyon National Park
グランド・キャニオン国立公園
アメリカ西部のアリゾナ州を横断するグランド・キャニオンは、長年にわたるコロラド川の浸食作用と風化によってつくり出された、世界最大規模の渓谷です。全長は445km、深さは約1,500m、幅は500mから30kmにも及び、600万年にわたる地質活動の痕跡を現在に伝えています。この一帯の土地は、約6,500万年前に発生した地殻変動による造山活動によって隆起し、その結果としてコロラド高原が形成されました。約1,000万年前からは、軟らかい堆積層がコロラド川の浸食により削られ、約120万年前には現在の姿になったと考えられています。なお、この地域の隆起速度がコロラド川の浸食速度よりも遅かったため、川の流れが逸れることなく深い渓谷が形成されました。
地域: 北米 / 国名: アメリカ合衆国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1979年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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グレート・スモーキー山脈国立公園

Great Smoky Mountains National Park
グレート・スモーキー山脈国立公園
グレート・スモーキー山脈国立公園は、アメリカ合衆国東部のアパラチア山脈南部、ノース・カロライナ州とテネシー州の州境に位置しており、東京都とほぼ同じ面積を誇る広大な公園です。国立公園の名前は、煙のような特徴的な霧に包まれた山々に由来しています。広大な原生林と澄んだ小川の美しい景観を備え、並外れた自然美を誇っています。20万ヘクタールを超えるこの国立公園は、アパラチア山脈南部における最大級の手つかずの森林生態系の一つであり、北米に残る落葉樹、温帯、原生林の大規模地域の一つです。敷地の90%以上は原生林としての価値を考慮して管理されています。
地域: 北米 / 国名: アメリカ合衆国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1983年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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グレート・バリア・リーフ

Great Barrier Reef
グレート・バリア・リーフ
グレート・バリア・リーフは、オーストラリアの北東部の海岸沿いに広がる世界最大級のサンゴ礁です。全長は約2,300km、面積約35万㎢もの大きさで、多くのサンゴや魚類などが生息しており、一帯は先住民アボリジニの漁場となっていました。1770年に探検家のジェームズ・クックがここで座礁したことから、その存在が知られるようになり、20世紀に入ってから本格的な調査が行われるようになりました。ここはサンゴ礁がまさに「バリア」となって外敵から守られているため、多くの海洋生物の安住の地であり、絶滅危急種のジュゴンやウミガメ類が生息しています。
地域: オセアニア / 国名: オーストラリア連邦 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1981年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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ココス島国立公園

Cocos Island National Park
ココス島国立公園
ココス島は、コスタリカ本土から南西約550㎞の太平洋上に位置する絶海の孤島で、かつては無人島でした。ココス島は東部熱帯太平洋の海洋で唯一熱帯雨林帯に属しており、年間降水量は約7,000mmに達します。これは東京都の年間降水量の約4倍に相当し、世界でも有数の多雨地域です。このような気候と地理的隔離により、ココス島は多様な動植物が独自の進化を遂げながら生息しています。熱帯雨林が茂る島内では、235種の植物、85種の鳥類、362種の昆虫が確認されています。
地域: 中米・カリブ海 / 国名: コスタリカ共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1997年 / 登録基準: (ix)(x)
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ゴブスタン・ロック・アートの文化的景観

Gobustan Rock Art Cultural Landscape
ゴブスタン・ロック・アートの文化的景観
アゼルバイジャン中部の半砂漠地帯に位置するゴブスタンは、巨石に彫られた岩絵の宝庫です。1930年に発見され、その後本格的な調査が行われました。最終氷期以降、数万年にわたって描かれた保存状態の良い岩絵が6,000点以上残されており、有史以前の狩猟の様子や動物、植物、生活様式などが表現されています。写実的な描写を特徴とするこれらの絵には、当時この地が湿潤だった時代に生息していたと考えられるスイギュウやヤギなどの野生動物、実物よりも大きく描かれた人間、船などが題材となっています。狩猟の場面や、シカなどの動物を生贄とした宗教的あるいは呪術的な集団儀式の様子を描いたものもあり、先史時代の人々の生活様式や信仰形態を伝えています。また、この一帯には最終氷河期以降、旧石器時代後期から中世にかけてこの地に暮らしていた人々の洞窟住居や埋葬地などの遺跡も点在しています。
地域: 西・南アジア / 国名: アゼルバイジャン共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2007年 / 登録基準: (iii)
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コモド国立公園

Komodo National Park
コモド国立公園
コモド国立公園は、世界最大のトカゲであるコモドオオトカゲの唯一の生息地として知られています。この巨大な爬虫類は、体長は最大3m、体重100kg以上に達します。かつてインドネシアとオーストラリアには大型のトカゲが生息していましたが、その多くは絶滅してしまい、コモドオオトカゲはその最後の種だと考えられています。コモドオオトカゲの歯の間からは、獲物の血液の凝固を妨げ失血させる毒が出ることが分かっており、その毒を使って狩りを行っています。
地域: 東・東南アジア / 国名: インドネシア共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1991年 / 登録基準: (vii)(x)
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シミエン国立公園

Simien National Park
シミエン国立公園
標高4,620mのエチオピア最高峰、ラスダシャン山がそびえる山岳地帯の公園であり、世界で最初に登録された世界遺産のひとつです。氷河によって形成された渓谷や岩山が広がり、「アフリカの天井」といわれるシミエン山地は一日の寒暖差が激しいため限られた動植物しか生息できません。かつてアフリカ大陸がヨーロッパ大陸と地続きだったことの証明となるワリアアイベックスや、キリストの使いと珍重されるゲラダヒヒなどが観察できます。
地域: アフリカ / 国名: エチオピア連邦民主共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1978年 / 登録基準: (vii)(x)
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シャーク湾

Shark Bay, Western Australia
シャーク湾
『シャーク湾』は、オーストラリア西岸の陸地と海域からなり、2万2,000㎢にもわたる広大な面積が世界遺産に登録されています。陸地と半島によって「W」のような形をした海岸線が延び、内湾には干潟やマングローブ林、外湾には岩礁や断崖が広がっています。この場所には世界最大級の海草藻場が存在し、世界的に絶滅の危機に瀕している多くの動植物の住処となっています。また、アオウミガメやアカウミガメなどの貴重な営巣地であり、世界有数のジュゴンの生息地ともされています。そのほかクジラやバンドウイルカ、マンタ、サメ、エイなども見ることができます。
地域: オセアニア / 国名: オーストラリア連邦 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1991年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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白神山地

Shirakami-Sanchi
白神山地
白神山地は、約1万年前から北日本に広がっていたブナ林の貴重な姿を今に伝える場所で、手つかずの森が広く残されています。この地域は多雪の気候により独特の植物群が育まれ、ニホンカモシカやツキノワグマ、クマゲラなどの動物も多く生息しています。ブナ林を中心に、多様な生きものたちがつながりあい、豊かな生態系を支えています。自然のたくましさと繊細なバランスが共存する白神山地は、気候変動や人間の影響で自然が危機にさらされる現代において、地球が長い時間をかけて育んだ奇跡のような場所です。
地域: 東・東南アジア / 国名: 日本国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1993年 / 登録基準: (ix)
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人類化石出土のサンギラン遺跡

Sangiran Early Man Site
人類化石出土のサンギラン遺跡
ジャワ島中部、ジョグジャカルタの北方のソロ川流域に広がる地域で初期人類の化石が数多く出土しています。その数は世界で発掘された数の約半数といわれます。ここでは19世紀末から人類化石が発見されていたようですが、その後20世紀になってからの本格的発掘調査で頭蓋骨や顎骨、歯などが多数出土し、これらは「ジャワ原人」(学名:ピテカントロプス・エレクトゥス)と呼ばれました。約150万年前にこの地で暮らしていた人類で、発掘当時は現生人類の祖先と思われましたが、現在では初期人類の流れのうちのひとつとして「ホモ・エレクトゥス・エレクトゥス」と呼ばれています。脳の容量は1,000cc程度で顔や身体はまだ原始的な特徴を残していますが、この遺跡では石器も多く出土し、それらから彼らが狩猟や獲物の加工を行っていたことがわかっています。われわれがイメージする「原始人」も一様ではなく、各地でさまざまな生活様式や文化的特徴を持っていたようです。
地域: 東・東南アジア / 国名: インドネシア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1996年 / 登録基準: (iii)(vi)
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スルツェイ火山島

Surtsey
スルツェイ火山島
アイスランド南岸から約32km沖合に位置するスルツェイ島は、1963年から1967年にかけての火山噴火によって形成された新しい島です。誕生以来、法的に保護されており、人間の立ち入りが制限されています。そのため、動植物が新しい土地へどのように定着していくのかを観察するための長期的な研究の場となっています。現在、海岸の浸食が進行しており、すでに島の面積は半減しています。今後さらに3分の2が浸食され、最終的には最も安定した中心部のみが残ると予想されています。自然の力によって生み出されたこの島は、同じく自然の力によって姿を変え続けています。
地域: ヨーロッパ / 国名: アイスランド共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2008年 / 登録基準: (ix)
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セラード自然保護地域群:ヴェアデイロス平原国立公園とエマス国立公園

Cerrado Protected Areas: Chapada dos Veadeiros and Emas National Parks
セラード自然保護地域群:ヴェアデイロス平原国立公園とエマス国立公園
総面積3,000㎢以上のヴェアデイロス平原国立公園とエマス国立公園は、ブラジル中部のゴイアス州に位置し、セラードと呼ばれる熱帯サバンナの典型的な生態系を保護しています。セラードは、世界で最も古く、多様な熱帯生態系のひとつとされ、多くの希少種や固有種の動植物の避難所としての役割を果たしてきました。両公園は、将来の気候変動に対する生物多様性の保全において重要な役割を果たしています。
地域: 南米 / 国名: ブラジル連邦共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2001年 / 登録基準: (ix)(x)
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ダイナソール州立公園

Dinosaur Provincial Park
ダイナソール州立公園
カナダのカナディアン・ロッキー南東に位置する「ダイナソール州立公園」は、バッドランド(樹木が育たない荒れ地)と呼ばれる乾燥した原野が広がる州立公園で、世界遺産には約78㎢が登録されています。荒涼としながらも卓越した自然美の景観を有するとして、登録基準(ⅶ)に該当しています。この地域は、太古の昔には亜熱帯気候にあり、一面に緑が生い茂り、ヤシの木や巨大なシダが繁茂していました。また、当時の大地には大河が内海へと流れ、サメやクロコダイルなど多様な動物が生息していたことが明らかになっています。
地域: 北米 / 国名: カナダ / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1979年 / 登録基準: (vii)(viii)
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タスマニア原生地帯

Tasmanian Wilderness
タスマニア原生地帯
オーストラリア大陸の南に位置するタスマニア島は、かつてゴンドワナ大陸の一部でオーストラリアと陸続きだった島です。2万1,000年前頃に、海水面の上昇によって本土と海峡で隔てられました。タスマニア島では、太古の姿を保った植物や独自の進化を遂げた動物が見られます。1982年に自然遺産として世界遺産登録されましたが、1989年には文化遺産の価値も認められて、複合遺産になりました。氷河の流動によって大地が浸食され、平坦な山頂や荒々しい斜面、多数の湖が誕生し、世界最大規模の壮観な原生地帯だといわれています。世界遺産には7つの国立公園にまたがる、総面積約1万5,842㎢のエリアが登録されています。
地域: オセアニア / 国名: オーストラリア連邦 / 分類: 複合遺産 / 登録年: 1982年 / 登録基準: (iii)(iv)(vi)(vii)(viii)(ix)(x)
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