World Heritage Sites

世界遺産一覧

("トランスバウンダリー"関連)

アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群

Caves of Aggtelek Karst and Slovak Karst
アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群
アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群は、ハンガリーとスロバキアの国境地帯、約567㎢の712の洞窟群で構成され、この地域全体では1,000を超える多様な洞窟が良好な保存状態で残されています。この地域のカルスト地形や白亜紀後期からの数千万年をかけて形成されたと考えており、白亜紀後期から第三紀初期の亜熱帯から熱帯の気候条件から第四紀の氷河期といった様々な条件下におけるカルスト形成のプロセスが保存されています。比較的狭い地域に多様なカルストが集中しており、地質学の研究において貴重な場所となっています。
地域: ヨーロッパ / 国名: スロバキア共和国, ハンガリー / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1995年 / 登録基準: (viii)
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アラスカ・カナダ国境地帯の山岳国立公園群:クルアニ、ランゲル・セント・エライアス、グレイシャー・ベイ、タッシェンシニ・アルセク

Kluane / Wrangell-St. Elias / Glacier Bay / Tatshenshini-Alsek
アラスカ・カナダ国境地帯の山岳国立公園群:クルアニ、ランゲル・セント・エライアス、グレイシャー・ベイ、タッシェンシニ・アルセク
アメリカとカナダの2つの国にまたがるこの自然保護区は,1979年にアメリカのランゲル・セント・エライアス国立公園とカナダのクルアニ国立公園が世界遺産に登録されました。その後、1992年にアメリカのグレイシャー・ベイ国立公園が、1994年にはカナダのタッシェンシニ・アルセク州立自然公園が追加され、広大な山岳公園群となりました。この地域には極地を除けば世界最大の氷原や、世界有数の長さと壮観さを誇る氷河、北アメリカ大陸の最高峰を含む雄大な山々、そして広大な森林やツンドラなど人を寄せつけない厳しい自然が広がっています。これらの公園では現在も地殻変動が活発に続いており,息をのむほど美しい自然景観が形成されています。自然のプロセスが支配的なこの地域では、氷河の作用とそれによって生まれた地形や景観の形成過程を明確に見ることができます。また、アラスカからカナダ北西部にかけて広く分布する多くの野生動物が生息しており、その個体数は他の地域を大きく上回ります。壮大な自然の中で、ハクトウワシ、グリズリー、ドールシープ、カリブー、オオカミ、シロイワヤギなど数多くの野生生物が暮らす楽園となっています。
地域: 北米 / 国名: アメリカ合衆国, カナダ / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1979年 / 登録基準: (vii)(viii)(ix)(x)
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アルプス山脈周辺の先史時代の掘立柱住居群

Prehistoric Pile dwellings around the Alps
アルプス山脈周辺の先史時代の掘立柱住居群
アルプス山系周辺には937ヵ所にものぼる考古学的集落遺跡がありますが、そのうちの6ヵ国にまたがる111ヵ所の遺跡群が世界遺産に登録されています。ここには紀元前5000年頃から紀元前500年頃までの掘立柱住居跡が残されており、ヨーロッパにおける初期の村落社会の状況を今に伝えています。この時期、人々は農耕だけでなくアルプスを越えていく交易も行っており、火打石や琥珀、陶器など様々なものが取引されていました。それらの運搬には、最古級の木製車輪を用いた荷車などが使われていた痕跡もあります。また、紀元前3000年頃に遡るヨーロッパ最古の織物なども発見されています。
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アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道

Rhaetian Railway in the Albula / Bernina Landscapes
アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道
スイスとイタリアに跨ってスイスアルプスを横断する山岳鉄道であるレーティッシュ鉄道。全長67kmのアルブラ線には、42のトンネルと144の高架橋があり、一方、全長61kmのベルニナ線も13のトンネルと52の高架橋があり、いずれも100年以上の歴史を持ちながら、世界の鉄道の中でも高度な技術によって造られました。また鉄道によって山間部での生活の利便性の向上とともに社会経済に多大な影響を与えただけでなく、アルプスの豊かな自然と調和するようにレールが敷かれたことで、人間と自然の繁栄を示した景観を築き上げたのです。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国, スイス連邦 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2008年 / 登録基準: (ii)(iv)
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アルマデンとイドリア:水銀鉱山の遺跡

Heritage of Mercury. Almadén and Idrija
アルマデンとイドリア:水銀鉱山の遺跡
スペインのアルマデンとスロベニアのイドリアは、近年まで世界最大の水銀鉱山として名を馳せてきました。アルマデンでは古代から水銀の抽出が行われており、イドリアでは1490年に水銀が発見されます。そして、両地点ともハプスブルク家出身のスペイン国王フェリペ2世の時代にスペインの領土であったことから、水銀の供給拡大へ大きく関わっていきました。現在、世界的に毒性の強い水銀の使用は禁止される方向にあることから、消えていく技術や産業文化を伝える貴重な遺跡とも言えます。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン, スロベニア共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2012年 / 登録基準: (ii)(iv)
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イシマンガリソ湿地公園とマプト国立公園

iSimangaliso Wetland Park – Maputo National Park
イシマンガリソ湿地公園とマプト国立公園
『イシマンガリソ湿地公園とマプト国立公園』は南アフリカ共和国とモザンビーク共和国にまたがる世界遺産です。海洋、海岸砂丘、湿地、淡水湖、マングローブ林、海草帯、サバンナなどを含んだ広大な自然保護区です。多様な景観の自然美が広がるこの場所は生物多様性も豊かで、「マプタランド・ポンドランド・アルバニー地域」というホットスポットに属しています。イシマンガリソ湿地公園には、521種の鳥類を含む6,500種以上の動植物、マプト国立公園には4,935種の動植物が生息すると記録されており、世界的に重要な絶滅危惧種の保全に欠かせない環境となっています。この遺産は、1999年に世界遺産に登録された南アフリカ共和国の「イシマンガリソ湿地公園」が、2025年にモザンビークの「マプト国立公園」を含めて拡大登録されたものです。
地域: アフリカ / 国名: モザンビーク共和国, 南アフリカ共和国 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1999年 / 登録基準: (vii)(ix)(x)
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ウヴス・ヌール盆地

Uvs Nuur Basin
ウヴス・ヌール盆地
モンゴルとロシアにまたがって広がる総面積10,688㎢のウヴス・ヌール盆地のうち、12の保護地区で構成される8,980㎢が世界遺産に登録されています。浅く塩分濃度の高い、モンゴル最大の塩湖であるウヴス・ヌール湖を中心にモンゴル側に5つ、ロシア側に7つの構成資産が点在しています。区域内には4,000m級の山々から標高約800mのウヴス・ヌール湖に至るまで、タイガやツンドラ、砂漠、ステップ、湿地帯など多様性に富んだ気候環境が存在しています。また、更新世から残る氷河や氷河湖なども存在しており、氷河期以降の気候の変化を知る上でも科学的に重要な意義を持っています。域内の動植物においても固有種や遺存種が多数含まれており、生態系においても豊かな多様性を有しています。山岳地にはアルガリやシベリアアイベックス、シベリアヤマネコ、絶滅危惧種として知られるユキヒョウなどが生息し、砂漠にはトビネスミやアレチネズミ、マヌルネコなどが生息しています。また、水鳥にとっても重要な位置を占めており、シベリア、中国、南アジアを移動する渡り鳥の中継地として機能しています。
地域: / 国名: モンゴル国, ロシア連邦 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2003年 / 登録基準: (ix)(x)
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ヴェネツィア共和国の防衛施設群(16-17世紀):スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール

Venetian Works of Defence between the 16th and 17th Centuries: Stato da Terra – Western Stato da Mar
ヴェネツィア共和国の防衛施設群(16-17世紀):スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール
ヴェネツィア共和国は中世以来地中海東方貿易で繁栄してきましたが、16世紀から17世紀にかけて共和国防衛のための要塞施設を広範囲に建設しました。要塞群はイタリアの北部ロンバルディア地方から東アドリア海沿岸まで1,000㎞以上にわたって広がっており、そのうちのイタリア・クロアチア・モンテネグロの3ヵ国にある6つの要塞が世界遺産に登録されています。要塞には北西のヨーロッパ諸国からの防衛のための「スタート・ダ・テッラ」とアドリア海の航路と港を守る「スタート・ダ・マール」があり、それらはいずれも当時最新の設計様式「アラ・モデルナ(火器に対応した近代式デザイン)」で建設されています。
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ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園

Waterton Glacier International Peace Park
ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園
ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、1932年にカナダのアルバータ州にあるウォータートン湖国立公園と、アメリカのモンタナ州にあるグレーシャー国立公園が統合されて誕生した、世界初の国際平和公園です。国境をまたぐ雄大なロッキー山脈には、ツンドラ地帯、亜高山帯森林、山地林、草原などの手つかずの自然が広がっています。この地域には、標高3,000m級の山々や多数の氷河湖、渓流が存在しており、多様な動植物の生育地として極めて重要な自然の宝庫となっています。
地域: 北米 / 国名: アメリカ合衆国, カナダ / 分類: 自然遺産 / 登録年: 1995年 / 登録基準: (vii)(ix)
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エルツ山地/クルシュネー山地鉱業地域

Erzgebirge/Krušnohoří Mining Region
エルツ山地/クルシュネー山地鉱業地域
ここはドイツ南東部からチェコ北西部にまたがる鉱物資源豊富な地域で、12世紀から約800年間継続された採鉱によって形成された景観が広がります。この地域の鉱山は、各時代で異なる金属鉱石を発見・採掘したことが特徴です。特に1460年から1560年まではヨーロッパで最も重要な銀鉱石の産地でした。錫も重要な採掘鉱石で長い歴史を通して安定的に採掘され、希少なコバルト鉱石は16世紀から18世紀にかけて主たる採掘鉱石となりました。そして19世紀末にはウラン鉱石が発見され、その世界的供給地となりました。この地で開発された採掘技術は各地に伝わり、鉱山の技術革命の引き金ともなりました。
地域: ヨーロッパ / 国名: チェコ共和国, ドイツ連邦共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2019年 / 登録基準: (ii)(iii)(iv)
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オフリド地方の自然及び文化遺産

Natural and Cultural Heritage of the Ohrid region
オフリド地方の自然及び文化遺産
オフリド湖は、北マケドニア最高峰であるコラブ山などの高峰のふもとに位置し、地殻変動によって形成された深くて古い湖です。およそ200万年から300万年にわたり、絶え間なく存在し続けてきました。ロシアのバイカル湖、アフリカのタンガニーカ湖と並び、世界最古の湖の一つとされています。湖は透明度が高く、冬でも凍結しないため、他の地域では絶滅した水生生物が残っています。藻類、渦虫類、巻貝、甲殻類、2種のマスを含む17種の固有魚類など、湖固有の動植物は200種を超えています。また、鳥類も豊富に生息しています。
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カパック・ニャン:アンデスの道

Qhapaq Ñan, Andean Road System
カパック・ニャン:アンデスの道
「カパック・ニャン」は、南米でかつて使われた言語・ケチュア語で「偉大な道」「王の道」を意味しており、アンデス山脈に沿うようにして南アメリカのコロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンの6か国に張り巡らされた道です。インカ帝国の交易や防衛のための交通網で、インカ帝国の首都クスコ(現在のペルーの都市)から延びる4つの主要な経路から、各地に毛細血管のように張り巡らされたインカ道と呼ばれる細い道とつながり、広がりました。
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グアラニのイエズス会布教施設群:サン・イグナシオ・ミニ、サンタ・アナ、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ロレト、サンタ・マリア・マヨール(アルゼンチン側)、サン・ミゲル・ダス・ミソンイス(ブラジル側)

Jesuit Missions of the Guaranis: San Ignacio Mini, Santa Ana, Nuestra Señora de Loreto and Santa Maria Mayor (Argentina), Ruins of Sao Miguel das Missoes (Brazil)
グアラニのイエズス会布教施設群:サン・イグナシオ・ミニ、サンタ・アナ、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ロレト、サンタ・マリア・マヨール(アルゼンチン側)、サン・ミゲル・ダス・ミソンイス(ブラジル側)
ブラジルとアルゼンチンの国境近くの熱帯林には、グアラニのイエズス会布教施設群が残っています。ここは、イエズス会宣教師が先住民であるグアラニ人と共同生活を送りながらキリスト教化を進めたレドゥクシオンの跡で、1983年に単独で世界遺産に登録されたブラジルのサン・ミゲル・ダス・ミソンイスには、1735年から1745年にかけて築かれたバロック様式の聖堂の一部が残っています。この施設は、イエズス会がグアラニ人をキリスト教化し、奴隷商人などから保護するために設けた伝道所の跡です。しかし、18世紀末にイエズス会が新大陸から撤退すると、伝道所は廃墟となりました。
地域: 南米 / 国名: アルゼンチン共和国, ブラジル連邦共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1983年 / 登録基準: (iv)
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クタマク:バタマリバ人の土地

Koutammakou, the Land of the Batammariba
クタマク:バタマリバ人の土地
トーゴ北東部とベナンにまたがるクタマクには、バタマリバと呼ばれる人々が暮らしており、彼らの独特な泥で作られた塔の家々は「タキエンタ」(複数形では「シキエン」)と呼ばれています。ここでは、自然は社会の儀式や信念と深く結びついており、塔状の家々の建築が社会構造を反映していること、農地や森林、そして人々と風景の結びつきにより、特別なものとなっています。建物は村単位でまとまっており、儀式のための空間、泉、聖なる岩、そして成人の儀式のための特別な場所も含まれています。クタマクは、自然環境と調和しながら生活する人々の土地利用の卓越した例で、この文化的景観は、独特な特徴を持っています。タキエンタは、技術的・実用的・象徴的な役割を果たす基本的な家族住居で、住居スタイルは、円形や楕円形の形状を基にしており、「大地を形作る人々」を意味するディタマリ語のバタマリバによる独創的な発明です。
地域: アフリカ / 国名: トーゴ共和国, ベナン共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2004年 / 登録基準: (v)(vi)
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クルスキー砂洲

Curonian Spit
クルスキー砂洲
クルスキー砂洲は、リトアニアのクライペダ地方とロシアのカリーニングラード地方にまたがる、幅0.4~4㎞、長さ98㎞の細長い砂洲です。バルト海からの風と潮が砂を運び、約5,000年前に形成されたといわれています。日本三景の一つ、天橋立と同じような形状を持ちますが、比較してみるとその規模は20倍以上もあります。砂洲の大半は森林で、人々は先史時代からこの地域に暮らしてきました。風や波による浸食を防ぐため、19世紀以降に植林などの取り組みが行われ、人間と自然が共存する文化的景観として評価されています。この遺産はリトアニアとロシアの国境をまたぐトランスバウンダリー・サイトで、リトアニア側にはヨーロッパ最大級の「ニダ砂丘」があることでも知られています。
地域: ヨーロッパ / 国名: リトアニア共和国, ロシア連邦 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2000年 / 登録基準: (v)
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コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵群

Prehistoric Rock Art Sites in the Côa Valley and Siega Verde
コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵群
ポルトガル北部を流れるドウロ川の上流域のコア渓谷と支流アグエダ川沿いのアグエダ渓谷(シエガ・ベルデ)には、2万年から1万年前の先史時代に描かれた岩絵(線刻画)が広い範囲に数多く残されています。コア渓谷では約5,000、シエガ・ベルデでは約440の動物の岩壁画があり、旧石器時代の壁画の特徴である、屋外・洞窟内とも同じ表現手法で描く方法が取られています。1998年にコア渓谷が世界遺産に登録され、2010年にシエガ・ベルデまで範囲拡大されました。これらは、旧石器時代にここで人々が生きた証拠であり、その芸術的創造性のすばらしさを示す事例です。
地域: ヨーロッパ / 国名: スペイン, ポルトガル共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 1998年 / 登録基準: (i)(iii)
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サンガ川流域-三カ国を流れる大河

Sangha Trinational
サンガ川流域-三カ国を流れる大河
カメルーン共和国、中央アフリカ共和国、コンゴ共和国の3ヵ国が国境を接するコンゴ盆地北西部に位置するこの地域は、3つの国立公園が隣接しており、コア・エリア(核心地域)の総面積は約7,500㎢に及びます。3つの国立公園は、カメルーン共和国のロベケ国立公園、中央アフリカ共和国のザンガ・ンドキ国立公園、コンゴ共和国のヌアバレ・ンドキ国立公園です。さらに、より広範な景観とそこに生息する生物の重要性から、約1万7,900㎢のバッファー・ゾーン(緩衝地帯)が設定されています。
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サン・ジョルジオ山

Monte San Giorgio
サン・ジョルジオ山
サン・ジョルジオ山は、スイスとイタリアの国境付近にあるルガーノ湖の南に位置し、標高1,096mのピラミッド形状をした森林に覆われた小峰です。ここでは、2億4,500万~2億3,000万年前の中生代三畳紀に生きた生物の化石が、極めて良好な状態で数多く発掘されています。この一帯は、かつてサンゴ礁が囲む豊かな海であり、外洋から隔てられた潟(ラグーン)であったと考えられています。その海底に生物の遺骸が閉じ込められ、その後の地殻変動で山となり、化石の宝庫となったと考えられています。2003年にスイス側が、地球の歴史を表すものとして世界自然遺産として登録され、さらに2010年にイタリア側にも登録部分が拡張されました。
地域: ヨーロッパ / 国名: イタリア共和国, スイス連邦 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2003年 / 登録基準: (viii)
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慈善のための居住地群

Colonies of Benevolence
慈善のための居住地群
『慈善のための居住地群』は、啓蒙主義思想に基づいて行われた、19世紀の社会改革の実験にまつわる遺産です。ナポレオン戦争後に成立したネーデルラント連合王国(現在のオランダとベルギー)は、経済的に疲弊し、都市部の貧困問題に頭を悩ませていました。この状況に対応するため、人里離れた荒れ地に農業を基盤とした居住地を設立するという取り組みが進められました。貧しい人々が農業を通じて生計を立てると同時に、人々が勤勉で自立した市民となり、国の富を増やす存在になることが期待されていました。最盛期の19世紀半ばには、オランダ国内の居住地だけで1万1,000人以上、ベルギーでは1910年に約6,000人が居住地で生活をしていました。
地域: ヨーロッパ / 国名: オランダ王国, ベルギー王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2021年 / 登録基準: (ii)(iv)
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シュトルーヴェの測地弧

Struve Geodetic Arc
シュトルーヴェの測地弧
ドイツ出身のロシア人天文学者フリードリヒ・フォン・シュトルーヴェは、地球の大きさや形を調べるために約40年をかけて調査を行いました。総距離2,820㎞にわたり、265カ所を測定し、正確な子午線の長さを求めるための三角測量を繰り返しました。世界遺産に登録されたのは265カ所のうち34カ所です。この長期間にわたる測量により、地球がわずかに楕円形であることと、その大きさが科学的に証明されました。
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シルク・ロード:ザラフシャン・カラクム回廊

Silk Roads: Zarafshan-Karakum Corridor
シルク・ロード:ザラフシャン・カラクム回廊
2014年に世界遺産登録された『シルク・ロード:長安から天山回廊の交易網』(カザフスタン、キルギス、中国)に続いて、2023年にウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタンの3ヵ国に点在するシルク・ロード関連資産が『シルク・ロード:ザラフシャン・カラクム回廊』として登録されました。「シルク・ロード」を冠する世界遺産としては2件目です。ザラフシャン・カラクム回廊は、ザラフシャン川沿いの地域からカラクム砂漠を経てメルヴ・オアシスに至る約866kmの回廊で、紀元前4~後19世紀までの長期間にわたり、シルク・ロード交易の中心地でした。世界遺産には「パンジケントの古代都市」や「ヴァプケントのミナレット」、その他集落や隊商宿(キャラバンサライ)の遺跡など、合計34の物件が登録されており、うち16件がウズベキスタンに、9件がタジキスタンとトルクメニスタンにそれぞれ存在しています。すでに別の世界遺産として登録されていたウズベキスタンの『文化交差路サマルカンド』と『ブハラの歴史地区』、トルクメニスタンの『国立歴史文化公園“メルヴ”』は、構成資産には含まれていないものの、ザラフシャン・カラクム回廊の歴史に深い関わりを持っています。 
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シルク・ロード:長安から天山回廊の交易網

Silk Roads: the Routes Network of Chang'an-Tianshan Corridor
シルク・ロード:長安から天山回廊の交易網
東西交流を促進させた道 『シルク・ロード:長安から天山回廊の交易網』は、漢と唐の首都であった長安と洛陽から、中央アジアのカザフスタンとキルギスに至る、シルク・ロードの一部約5,000kmが登録されています。紀元前2世紀か
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ステチュツィ:中世の墓碑の残る墓所

Stećci Medieval Tombstone Graveyards
ステチュツィ:中世の墓碑の残る墓所
ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ、セルビアの4ヵ国28箇所の墓所と4,000基もの中世の墓碑がシリアル・サイトかつトランスバウンダリー・サイトとして世界遺産に登録されています。これらの墓石は12世紀後半から16世紀にかけて築かれたもので、正教会、カトリックに加えて15世紀後半まで存続していたボスニア正教会などによって埋葬に使用されていたため、宗派を超えた多様性を持つことで知られています。ステチュツィの形態はヨーロッパの広範囲な地域の影響を受けており、その形状やレリーフに用いられている装飾文様や文字などは中世におけるヨーロッパの文化の多様性の証拠となっています。
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セネガンビアのストーン・サークル遺跡群

Stone Circles of Senegambia
セネガンビアのストーン・サークル遺跡群
西アフリカ最西部のガンビア川沿いの長さ約350㎞、幅約100㎞の帯状地域には1,000以上の遺跡が点在しており、そのうちの4つの巨石環状列石群が世界遺産に登録されています。ガンビアのワッスとケルバッチ、セネガルのワナルとシネ・ンガネエの4か所には、合わせて93の環状列石と関連遺跡があり、その一部では発掘調査も行われています。調査によって、紀元1千年紀から2千年紀、さらに現代に至るまでの陶器や鉄器、装飾品、人骨などの考古学的資料が発見されています。これら4つの巨石遺跡は広大な地域に広がる伝統的な記念碑的巨石遺跡の象徴であり、顕著な普遍的価値を有しています。
地域: アフリカ / 国名: ガンビア共和国, セネガル共和国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2006年 / 登録基準: (i)(iii)
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第一次世界大戦(西部戦線)の慰霊と記憶の場

Funerary and memory sites of the First World War (Western Front)
第一次世界大戦(西部戦線)の慰霊と記憶の場
1914年から1918年に、人類史上最初の世界大戦がありました。第一次世界大戦はイギリス・フランス・ロシアを軸とする連合国側と、ドイツ・オーストリアを軸とする同盟国側が衝突した戦争です。この戦争は、主にヨーロッパで展開されましたが、多くの植民地の人たちが徴兵されたことからも、世界大戦の性質を帯びています。また、これまでの戦争は、戦場における兵士たちが戦うという設定でしたが、この戦争では先述した植民地の人たちが徴兵されたり、各国の経済力・工業力・技術力、そして武器工場に従事する女性を含めた国民の全体が戦争に動員されたため、「総力戦」とも呼ばれています。以上のことから、誰もがすぐに終わると考えていたこの戦争は、実に四年間にわたり繰り広げられ、非常に多くの戦死者を出しました。
地域: ヨーロッパ / 国名: フランス共和国, ベルギー王国 / 分類: 文化遺産 / 登録年: 2023年 / 登録基準: (iii)(iv)(vi)
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ダウリアの景観群

Landscapes of Dauria
ダウリアの景観群
モンゴル東部とロシア・シベリアにまたがる4つの保護区、9,126㎢が世界遺産として登録されています。モンゴル側のダグール特別保護区、ウグタム自然保護区、ロシア側のダウルススキー自然保護区、ジェレン自然保護区で構成され、草原から森林までの様々な形態のステップが見られます。構成地域の多くの部分は、ラムサール条約の登録地及びUNESCOの人間と生物圏計画に基づく生物圏保護区と重複しています。この景観群には手付かずのステップ環境が残されており、乾季と雨季を繰り返すステップ気候に起因する多様な生態系が見られます。また、マナヅルやノガン、ゴビズキンカモメ、サカツラガンなどの絶滅の危機にある渡り鳥やその他の希少動物の重要な生息地となっており、モウコガゼルの渡りのルートとしても重要な地域となっています。
地域: / 国名: モンゴル国, ロシア連邦 / 分類: 自然遺産 / 登録年: 2017年 / 登録基準: (ix)(x)
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W-アルリ-ペンジャーリ国立公園群

W-Arly-Pendjari Complex
W-アルリ-ペンジャーリ国立公園群
元々は「W国立公園」としてニジェールの国立公園が1996年に世界遺産に登録されていましたが、ベナンとブルキナファソの国立公園群も含まれて2017年に拡大登録されました。保護地域は全部で9つあり、三か国で共有されるW国立公園をはじめ、ブルキナファソのアルリ国立公園、コアクラナとクルティアグーの狩猟保護区、ベナンのペンジャーリ国立公園、コンコンブリとメクロウの狩猟保護区に分かれます。なお、Wの由来はニジェール川がWに湾曲しているからであり、この一帯は世界で最も暑い土地の1つとなっています。また、地理的にもちょうどサバンナ草原地帯と森林地帯の境界域に位置し、サバンナと熱帯雨林、灌木地帯という多彩な環境を持ち合わせています。
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タラマンカ山脈地帯:ラ・アミスタ自然保護区群とラ・アミスタ国立公園

Talamanca Range-La Amistad Reserves / La Amistad National Park
タラマンカ山脈地帯:ラ・アミスタ自然保護区群とラ・アミスタ国立公園
コスタリカとパナマの国境沿いに広がる、タラマンカ山脈一帯の自然保護地域です。1983年にコスタリカ側のラ・アミスタ自然保護区群が、1990年にパナマ側のラ・アミスタ国立公園が登録されました。コスタリカ最高峰のチリポ山(セロ・チリポ、3,820m)がそびえ、氷河湖や氷河圏谷(カール)など第四紀の氷河作用に由来する地形が残されています。高低差のある地形と気候が多様な生態系を産み出しており、雲霧林、低地熱帯多雨林、熱帯高山草原(パラモ)など8つの植生帯が見られ、約10,000種の顕花植物や4,000種以上の非維管束植物が生息しています。また、動物群においても、中央アメリカに生息する全てのネコ科動物や絶滅危惧種のオルナトクモザルやベアードバク、危急種のセアカリスザルなどを含む215種の哺乳類や、他にカザリキヌバネドリ(ケツァル)や希少な猛禽類といった約600種の鳥類、約250種の爬虫類と両生類、115種の淡水魚が生息しています。両生類の内の絶滅危惧種のヤドクガエルなど6種はこの山脈のみに生息する固有種となっています。
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トゥランの寒冬砂漠群

Cold Winter Deserts of Turan
トゥランの寒冬砂漠群
「トゥラン」とは、古代ペルシア帝国北東部の砂漠地帯を指す言葉で、現在のウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタンにまたがる広大な地域です。この地域には海抜0mより低い土地も多く「トゥラン低地」とも呼ばれます。そこに広がる寒冬砂漠は、夏は酷暑で乾燥し、冬は厳寒となり、年間降水量は300mm程度という極端な気候が特徴です。このような厳しい環境にも適応した動植物が生息し、生物多様性に富んでいます。植生では乾燥や塩分濃度の高い土地にも耐える植物が多く、砂漠地帯では灌木サクサウール、ツガイ林ではグミやタマリスクなどがみられます。動物相では絶滅危惧種サイガやコウジョウセンガゼルなど長距離移動を行う有蹄類や、多くの渡り鳥の休息地にもなっています。
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西天山

Western Tien-Shan
西天山
ユーラシア大陸の中央部に東西にのびる天山山脈は世界最長の山脈の1つと言われ、その西側部分のカザフスタン・トルクメニスタン・ウズベキスタンの3か国にまたがる地域が、多様な自然環境のなかで多くの貴重な動植物が生息している地域として世界遺産に登録されいています。この地域は、特にさまざまな栽培果実の原産地として知られ、いまでも果樹の原生種が残っています。杏子(アンズ)の原生種(絶滅危惧種)やリンゴの原生種であるマルスシエウェイシイ(絶滅危急種)、クルミの原生種ペルシャグルミ(近危急種)などがその一例です。我々にも身近な果物のルーツがここにあります。
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